【感想・ネタバレ】かもめのジョナサン【完成版】のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

人は人でしかないんだと思いたいと思った。

能力、考え方、時代、色々な物事が混ざり合って今の自分がいると思った。

そんな簡単じゃないぜえ、自由
そもそも自由って自由じゃなかったりするぜ。

それがそもそもの間違えだぜ
そんな事を言ってちゃあなれねえぜ、自由。

みたいな考えが右往左往しながら読みました。



4章は、宗教とかニヒリズムを感じられて面白かったです。
考え方も普遍的ものなんて無いのかもですね。
ベルセルクの魔女さんが言ってたみたいに円環ではなく螺旋なんでしょうね。


五木寛之さんの批評を全部読むと、色々な角度からの見方があると勉強になりました。

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2024年02月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

リチャード・バックの本は、読み始めるとたちまち辺りに静謐で夢の中の様なふわふわとした浮遊感に包まれる感じがして、プロペラ機で1人空を飛行している時はきっとこんな感覚なのかな。と夢想してみたり昔からとても好きなのだが、最近になって第四部があった事を知り今回初めて完成版を読んでみた。

不思議な世界のカモメの話は、人間社会に生きる私たちがその意味を考えるうえで示唆に富んだ内容ではあるけれど、第三部までは童話(?)寓話(?)的な世界観の色が強く、説教くさく感じないまま物語は終わるという印象を持っていた。

第四部ではジョナサンが会得した飛行技術や「カモメとはどんな存在か」を若いカモメ達に教えていく中で、やがてジョナサン自身が神格化され、本質であるはずの飛行技術を学ぶ者や自分とは何者かを考えるものがいなくなっていく。

きっと仏教やキリスト教も、はじめは「隣人に愛を持って接する」とか「家族を大事にする」とかシンプルな事が本質であったはずなのに、誰が何を言ったかとか教義の解釈の違いとか、本質的ではない物事で人々が分断されていく事を示唆しているように思う。

第三部までの構成では「星の王子様」的なファンタジーなお話の印象が強いが、第四部を含めると人間社会とリンクする部分も相まってフワフワとした読後感の心地良い感覚が少し薄まる気がして、そこがイマイチという感想もよく見かける。

けど、この完成版の方が物語全体としては起承転結がはっきりしていて分かりやすく、個人的には「アリ」かなと思う。

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2023年05月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

かもめのジョナサンは飛行に対しての憧れがあった。ところが、他のかもめ達は日々、食事を探すためだけに空を飛び、魚を奪い合っていた。そんな中、かもめの掟を破ったジョナサンは集団を追放されてしまう。彼は自由を求めて旅に出る。

人々が当たり前に受け止めてしまっている社会的地位に焦点を当ててそこから脱却する行動を啓蒙する寓話であるように感じた。物語は三章構造だが、ページ数は少なくテンポ良く進む印象がある反面、チャンから愛を教わり悟るまでの行程が簡潔過ぎる気がする。ある時に人の良さを見出す生き方を悟るという観点には非常に賛同するが、悟りまでのプロセスが弱いと急に上から群衆を見下ろす存在なってしまったように映る。集団から突き抜けた個は現代でも重要視され、自由の獲得に貢献していると思う。しかし、その根底には食や性が絶対的に存在していることも忘れてはいけない。

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2020年06月08日

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