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黒猫が客員教授として働くフランスで、大規模なテロが起きたというニュースから本作は始まります。安否不明の彼を心配する私ですが、日本ではペルシャ美学の教授が失踪する事件が起きます。 美学講釈を中心に、謎を読み解いていく連作短編集。相変わらず美しい解釈と、一見不可思議な事件からまっすぐな信念が浮かび上がる展開は魅力的です。またシリーズ全体の総括のような構成は満足感もありつつ、若干の寂しさも感じてしまいました。続編を示唆するような帯に期待していいのかと半信半疑ながら、作者さんの続報を待っております。
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多分なんども繰り返して読めそうなエピローグ
上質な茶菓子のような甘さ
黒猫がパリから戻ってきた舞台パリから日本で綴られる短編。
なんとなく、これでこのシリーズも終わりなのかな?残念。
素敵な世界に連れていってもらえたなぁ。
2017.4.23
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おかえりなさい、黒猫先生。
1話
暗黒舞踏を見てみたが、生を思い切り表現しているなと思った。と、同時に独特の世界観に怖さを持った。
ポオの魔術と科学の話といえば、心理出の僕としては催眠術を題材とした話のほうが先に出てくる。
ひとり死へと向かう、向かわせる絨毯よりも誰かと乗って旅をする絨毯のほうがいい。飛べたらの話だけど。
2話
心理学的な解釈では頭のない人間は個性の欠落を意味すると聞いたことがある。
トリックは、江戸川乱歩の「二銭銅貨」やアガサ・クリスティの「アクロイド殺し」を思い出させる。谷崎潤一郎の「私」もそれ系らしいが。
3話
世界の声を聞くという言葉にドキッとした。相手の世界を知ることは、簡単なことではない。それが面白みになることもあるが。
絶望の中に幸福を見出すというのは実存主義的だ。
4話
奇遇ですね、僕も3月生まれなんですよ(
黒猫先生の子ども時代にニヤニヤがとまらない。付き人もきっと同じだったはず。
「タール博士とフェザー教授の療法」は、べてるの家をはじめとする当事者を中心とするアプローチやピアカウンセリングに通じるものがあると解釈していたので、喜劇的に見る発想は自然だった。どちらかと言うと、本文内の解釈はアハ体験に近い?
お笑いは、緊張感から予想外の事態が生じるから笑ってしまうと聞いたことがある。きっと「タール博士と〜」もそうで、冷花さんの体験もそうなのだ。
5話
料理と音楽の重なり合い。2つがそれぞれ良さを引き出し合いながら、1つの場を、空気を 、気持ちをつくっていく。おしどり夫婦とはこのことを言うかもしれない。
6話
ボーカロイドは心を持つかという話を思い出した。
多くの人にとってはどうでもいいことでも、その人にとってはとても大事なことになることはたくさんある。どんな稚拙なものでも、大きな力をもつことがあるのだ。
だから、音楽の世界はおもしろい。
総括
森晶麿作品の中で一番好きなのが、黒猫先生。今回はどこか不器用なところが見え隠れして思わずにやついてしまった。
1作目同様、ポー作品をベースにしているとこもまた回帰。メルツェルのチェスプレイヤー以外は未読なので、後で読もう。
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付き人が表紙で微笑んでいるようにやっと、やっとです。もう沢山の絨毯爆撃の嵐に同じ行を何度も読んでしまいます。今までが今までだったのでいざこうなると疑心暗鬼です。黒猫はとりあえず、冷花さんに、ありとあらゆる登場人物からからかわれればいいと思います。謎とか色々あったのに最後の数ページとか途中の意味深な最後に全部もってかれました。
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黒猫シリーズ第6弾。黒猫がパリから帰還。久しぶりに黒猫&付き人さんが日本で一緒に謎に挑む連作短編6編。
今作もポオの作品を解体しながら、日常のちょっとした謎を解いていく。美学談義の部分は難しいけれど、このシリーズは、黒猫と付き人さんの関係をメインで楽しむことにしてる。
エピローグまで読むと、今までの歯痒さがようやく一段落。このまま終わるのも綺麗だけど、まだまだ2人を見ていたい気もする。
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黒猫が日本に戻り、付き人と一緒の空間にいることに戻った今作。やはり二人が同じ空間にいる風景を読めるのは読者としてうれしい。そして、微妙な距離感は相変わらずなのに、今までとは違う二人の関係にドキドキしながら読みました。付き人の研究者としての成長がすごい。
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シリーズ通して読んでる身としてはエピローグがひたすらジーンときます。ここで終わるのも綺麗だけど、まだまだこの先の二人を見てみたい気持ちも。個人的には「戯曲のない夜の表現技法」が一番のお気に入り。全編通して愛と死が貫く、二人に捧げられたかのような美しい一冊。
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少しずつやっと縮まってゆく黒猫と付き人の距離。今回文字通りfinとなってしまうの?それでも構わないくらい美しくまとまっています。「空とぶ絨毯」「独裁とイリュージョン」「戯曲のない夜の表現技法」「笑いのセラピー」「男と箱と最後の晩餐」「涙のアルゴリズム」6つの短編集の形をとってはいるがふたりが過去も未来も念頭に置いて回帰を重ねながら航海をともに誓っていこうという内容でした。このシリーズ、まだ続いてほしいものです。
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装画といい、短編集といい、ミナモといい、原点回帰?!と思っていたけれど、ちゃんと成長していて進んでいて、愛があふれる物語でした。すごーくハッピーエンド!だけじゃない感じがこのシリーズの好きなところだなぁと改めて思います
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黒猫シリーズ。フランスから帰ってきて、近くで過ごせる。
遠くに居て連絡が取れないと、途方もなく心配になる。不安が積み重なり、疑心暗鬼になる。黒猫の姉も出てきた。教授がなくなった。お土産をずっと渡せない人だと、知っていればそれだけで安心する。
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黒猫シリーズ第6弾。パリで起きた事故に黒猫が巻き込まれたのではないかと、心配する付き人…と言うところから始まる、連作短編集。本編では、長編が続き、パリと日本で離れていた2人の関係を描いていたが、今作では黒猫が帰国。2人の距離も縮まり、疑心暗鬼で読み始めたシリーズも、すっかりはまってしまった。ラストからすると、このシリーズもひと段落な感じ。
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連続短編6話とひとつ。
ニュースを見て連絡をしても返事が来ない。
後から分かる理由ではありますが、やられた方は
早く言え! と泣きそうになるかと。
全編通してそうですが、平常運転過ぎる…w
短編なので、これまた謎が分かりやすい。
答えまでの順序が立てやすいですが
答えまでは行きつかず…。
この二人の、前回より微妙に縮まった気がする関係を
楽しみに読むのがよろしいかと。
今回はっきりしたのは、彼はかなりな年齢から
パフェをたしなんでいた事。
この頃の財布には、非常に大打撃な金額です。
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そして最後は、恋の話。
文学的 芸術的 哲学的 多方面から織りなす文書で、難解なイメージではあるけれど本当は、全てが日常にあるけれど、意識したり考えていない事。
パオの作品を元に展開していく推理?と思考や理論。 色々な知識が無いと少し怯む気がするけれど理解の深さは問題にしなければ。
ただそれが黒猫と付き人の恋の話
一つの小さなエピソードや小道具がしっかり存在感と意味を持たせてあるとても凝ったものでした。
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黒猫シリーズ第6弾。
パリで大規模な事故が起き、連絡のつかない黒猫を心配する助手。
今回は黒猫の子供時代のエピソードも。
牛の歩みのような2人の関係も進んではいる様子。
素敵なエピローグでひとまず締め括りかな。(続巻も出ています)
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黒猫シリーズ第6弾。
黒猫との関係性が一歩近づいたと見えた前作からあっという間に1年が経ち、無事博士の学位を授与された付き人は、未だに離ればなれの黒猫を思う日々。
そんな中、パリで起こった事故のニュースを見て心配に駆られていた付き人の前に現れたのは、帰国した黒猫だった。
「きゃ~、やっと帰ってきた~!」と完全に感情移入して思わず脚をバタバタ。
これで、二人の仲は一気に進むか!と期待したもののそこはこの二人、なかなか進まないのがじれったい。
だけど、第1弾からずっ~と見守ってきた二人が、一歩ずつだけど確実に想いを深めている姿に、胸が熱くなる。
もはやポオの作品に絡めた6つの謎なんてそっちのけで二人のシーンだけを楽しむのは、このシリーズの常です。
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ミステリーって感じがしなくなってきた。そんなに悪い意味ではなく、もともとミステリー要素は他のことに内包されてしまっているというべきかもしれない。
登場人物たちは行きつ戻りつ(戻りはしてないかな)、というのをずっと繰り返してはいるんだけども、それでもちょっとずつちょっとずつ進んでいる。それを垣間見るのはここまで続いちゃうと、なんだかこっぱずかしい。
美学というのは、そういった下世話なモノから美しさを抽出することもあれば、逆に純粋な美しさの中に含まれる下世話をつまびらかにしてしまうこともあるんだろうかね。
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パリで大規模な交通事故が発生。深夜そのニュースを目にした付き人は、相変わらず連絡のない黒猫の安否が気になっていた。1年前、イタリアで二人の距離が縮まったと感じたのは、勘違いだったのか。互いに研究で多忙な日々を送る中、いつしか声を聞かない時間ばかりが増えていた。そんの時、大学院の後輩戸影から、ペルシャ美学の教授が失踪したと連絡を受ける。黒猫のことが気になりつつ、付き人は謎を追いかけてゆくが……。
全編愛の話。六話プラスエピローグの連作短編集。懐かしい人々も再登場。美学談義もポオを根底に、ペルシャ美学やワーグナー、演劇にコメディアンとバラエティに富んでいてわりと飲み込みやすい。やっぱり黒猫シリーズは短編集の方が読みやすい。
と、そんなことはどうでもいいのです!とうとう!とうとう!付き人おめでとう!黒猫がいつになく情熱的でドキドキしたわ……。これでひと段落なのかな?あー読み続けてきてよかった!