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Posted by ブクログ
短編集だが、色々な手法を凝らしている。
これまでに味わったことのない短編集。
「鏡」「女の部屋」「母と子」は特に驚いた。
文学には程遠い自分が一番気に入ったのが「フェカンにて」
この短編の主役は、平野啓一郎先生ごい本人にとても近い。
私はご本人であろうと思い込んで読んでいた。
先生の作品である「葬送」にも触れられ、
私が先日読んで、どう読むべきか酷く迷っていたドフトエフスキーの
罪と罰にも触れていた。とても興味深い。
当たり前だが、私の軟弱な「あぁ面白かった。」という感想とは
かけ離れている。
読み方のレベルが違いすぎて溜息しか出てこない・・・。
この本を読んで、何故かもう一度平野啓一郎先生の「決壊」を読まなくては!と思った。そろそろ再読してもいい頃なのかもしれない。
Posted by ブクログ
短編が全部実験ぽくて、筆致も違ってるし、作家さんが楽しんで書いてるんだろうなという感じがします。ただし実験がすご過ぎて物理的に読めない作品?もあります
Posted by ブクログ
『フェカンにて』
小説ってこういう構造にもなりうるって知らなかった。
さらっと読めるものではなかったのでやや時間かかったけど、そういう残響みたいのが、好き
Posted by ブクログ
作者の作品を読むのは、「決壊」に続いて二作目。難しい、難解。。読みやすいのは、「義足」と「慈善」くらいか。(「義足」は、あの後藤健二さんの著作を参考にしてるそう。)
Posted by ブクログ
様々な技法で小説、文章というか、本というメディアを
分解、再構成している、そんな短編集。
老いのために少しずつ体が崩れる世界の青年。
ただ、その小説のページ下部には短いエッセイが
挿絵の代わりについている作品。
一文だけの作品。
親子の人生をインタビュー形式で作り上げる作品 等々
だが、この短編で最もコアなのは主人公が自殺する小説を
書こうとしている小説家の作品だろう。
おそらくは著者自身(平野)が投影された「大野」が
主人公だが、その「大野」が、さらに自分の小説の
主人公をみつめるため、実に不思議な感覚に陥る。
さらにテーマは死である。
死とは何か。小説にとっての。自分にとっての。
小説とは何か。「大野」にとっての。実際の著者にとっての。
多次元に見つめ表現しようとする。
色々と興味深いが、面白いかと言えば、人それぞれだろう