【感想・ネタバレ】わたしをみつけてのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

読みながらなぜか涙が出てきました。こんな世の中に藤堂師長さんや菊地さんみたいな人がいること。
上辺の優しさじゃない、染み入る優しさに。涙が出ました。

世の中いろんな人がいる。嫌な人もいるけど、いい人もいる。その時気づかなかったけど後から気がつくこともある。
主人公の気持ちの変化、行動の変化に心揺さぶられました。最後、菊地さんが助かったと信じたい。

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2023年01月09日

Posted by ブクログ

プロ意識と人間性は切っても切り離せない。
日頃自分がどんな仕事でもプロ意識を忘れずに
一生懸命やってきたことを肯定された気がして
とても嬉しくなりました。
医療機関は患者には見えない上下関係があり
権力関係がある。
でも患者を前にしてその権力は果たして必要だろうか?
と不満に思っていた私に、
とても刺さる内容でした。

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2021年08月19日

Posted by ブクログ

素敵な話。
始まりは重たく、暗く、どこまでこの調子?とも思ったが、新しい藤堂看護師長が来てから全てがつながり、面白くなってくる。

看護師という仮面を被りプロの態度で看護し、患者を救い、院長に楯突いてやめさせらせられるものの、全ての看護師が意識を変えるきっかけになる。

弥生は、「自分で自分を育てたのね」
「上手に自分を育てたわね」と言われるが、まだうなづかない。
親に捨てられ、3月に拾われたから弥生。
養護施設で育ち、生きるために手に職をつけて、准看護師。

神田さんは新しい彼に子どもを虐待され、その声を心配していた、ラッキーの飼い主、菊池さん。
青森から働きに出て苦労もされながら、弥生がいるから手術も受けられた、と感謝される。

人は1人では生きられない。強く感じる感動の一冊だった。

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2021年05月29日

Posted by ブクログ

とても素敵な師長で良い本でした。

この顔はね、仮面なの。
看護師の仮面。病院に着いたら、仮面をかぶるの。
よく、若いひとが、自分探しとか言って、ほんとの自分を探して旅をしたり、転職してみたりするでしょり
ほんとの自分がどこにいると思ってる?
ほんとの自分なんてね、なんだっていいのよ。そんなのないと言ってもいい。仮面をかぶって30年もたてば、それが、ほんとうの自分。

印象に残っています。

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2021年05月17日

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師長に自分の身の上を話すところで自然と涙が出て来ました。やっと彼女が救われた気がしたのかな、とても読みやすく心に響くお話でした。

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2021年05月08日

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私は眼科やけども、病院で働くことの意義をそっと教えてもらえた。藤堂看護師長のような方がどの病院にもいてくれたら。。私も学ばせてもらえたことがあった。明日からまた頑張ろう。
そして、弥生ちゃんの最後の心の変化…とてもとてもステキやった。
祈ってもらったことがある。素敵だ。
とっても素敵なお話やった。
読んでよかった。

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2021年03月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

先日の「きみはいい子」とバックグラウンドが同じ。お父さんの虐待から救われた子は、学級崩壊をしてしまった男の先生が救ったのだと思う。

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2020年02月25日

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捨て子だった准看護師の弥生。
いい子じゃないとそこに居続けることができない。
だからいい子であり続ける。
居場所を失いたくなくて。
わかりすぎる。弥生ほどじゃないけど似たような境遇だったから。

でも弥生は出会った心温かい菊池さん、
藤堂師長に、
「だれかが私を見てくれていた」ことに気づかせてもらえた。
わたしはわたし。
いい子でもわるい子でもない。
わたしはわたし。
弥生の気づきに涙が止まらなかった。
そして自分も気づかせてもらえた。
素晴らしい1冊に出会えたことに感謝。

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2019年07月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『きみはいいこ』の続編ということで手に取った一冊。

いずれも、「いい子」がキーワード。
いい子でなければ愛されない、いい子でなければ必要とされないことが怖くて苦しかった子供時代。今もやっとのことで手に入れた居場所を失いたくなくて、いろんなことを飲み込んでそこにしがみついている主人公の弥生。
いい子じゃなくても自分は自分。大それたことじゃなくても、今いる場所ですべきことをやっていくことが大事なんだ。無理していい子にならなくてもいいんだよ、と教えてくれた藤堂師長と菊池さん。自分を見つけてくれた人、自分を認めてくれた人との出会いが、弥生自身が自分を認め、いい子でもなんでもないありのままの自分として生きる力をくれた。
彼女の辛い過去も、心を傾けてくれる人とのかかわりがそれを癒す。見守ってくれる人は、見守られる。救いのような一冊。

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2018年12月14日

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『施設のものはみんなのものだった。
そんなこと知っていた。一度だけ、ほんとの気持を言ってみただけだった。
その一度きりで、自分がいい子じゃなければ、受け入れてもらえないことを知った。
だからこわかった。』

「名づけは親の最初の暴力みたいなものだし。 - つけられた名前で生きていかなきゃいけないんだから。」

「心臓のことはいつもほめてたわ。よく何十年も休まずに動いてるよねー、えらいねーって。彼女の話をきいていると、なんだか、自分の臓器が動いて、自分が生きているだけで、自分がえらいような気がしたものよ。」

「人生の総決算よね、入院と葬式は。 - そよひとが今までやってきたことがみーんな出る。」

『それまでのわたしは、一日三回、三百六十五日、毎日だれかにごはんを作ってもらって食べていた。そんなこと、それまではあたりまえすぎて、なんとも思っていなかったけれど、実はすごいことだった。』

「看護師は患者のためにいます。それだけは、みなさん、忘れないで。迷ったら、患者のためになるかどうか、それだけを考えて。そうすれば、答えは出ます。」

「大丈夫よ。正しい答えを探す必要はありません。答えはどこかに転がっていたりはしません。答えはいつも、あなたがたの中にあります。」

『もう、わたしにはわかっていた。
今、立っているのが自分の場所。それは、たとえどんな場所でも、こんなところまで来てしまったと嘆く場所じゃない。』

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2018年07月21日

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こんなにも人の心の傷をやさしく描けるのは、中脇さんならでは。

いわゆる”一般的”な子供時代を経ていない子供は、自己を確立し自分を保つためだけでも、極限に伸ばされた太く平べったいゴムを常に腰に巻きつけられ後ろから引っ張られているような状態のまま前に進んでいくという日常生活を送らなければならない。
のつらさは他人には見せないし、見られたくないものである。大人になったって、一番ありのままの自分を受け入れてほしい、受け入れられなきゃならない時代に受け入れてもらえなかった寂しい思いを隠して生きている。大人になってから人にありのままの自分を受け入れてほしいと求めるのはエゴだということもわかっているからこそ、そんな子供時代に思いを馳せる。

「あなたは、自分で自分を育てたのね」
「あなたは、上手に自分を育てたわね」

という藤堂師長の言葉。
病院が舞台であるため人の死が随所に描かれており、都度感情移入しがちになってはいたが、この言葉を読んだとき、公共の場で読んでいたにも関わらずドッと涙があふれ出た。

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2018年04月26日

Posted by ブクログ

「わたしはいい子」が余りにも辛すぎて
だからその分だけ
この本の感動があったのかと。

捨て子であった主人公が
いい子と隣り合わせで持つ心情に押しつぶされそうになりながらも
人との出会いで少しずつ変わっていく。

言葉にしてしまうとこんなに薄っぺらくなってしまうけれど
とても感動的なお話だった。

医療に対する責任、人としての責任。
生きていく以上はしっかりと自覚していかなくてはと
自分自身にも警鐘となる部分もあったかな。

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2016年08月15日

Posted by ブクログ

わあ、とても読みやすかった。

両親を知らずに施設で育ってきた弥生。
師長や菊地さんとの出会いで変わっていく弥生から目が離せず、気付いたらノンストップで最後まで読み切っていました。

最後の手術シーンは特によかった…!

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2024年01月18日

Posted by ブクログ

読み始めから感動のしっぱなしです。お気に入りのセリフや言葉が宝石箱を開けるように散りばめられています。捨て子の弥生が一生懸命に生きて行く姿は、涙腺を刺激したり鳥肌がたったりと、もう読み出したら止まらない感動作です。准看護師の弥生がいずれ看護師になり結婚し、子どもができるなんて事を想像してしまい、頑張れと応援している自分がいる事にふときずいてしまいました。こんなにすごい作品は、本当にないですね。この作品のつづきをぜひ書いていただきたいと思ってしまいました。

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2023年12月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「いい子じゃないと、いけませんか」という
キャッチコピーに惹かれて手に取った一冊。

いい子でいたい。
もしもいい子じゃなくなっても、
見捨てないでくれるだろうか?
主人公の気持ちがひしひしと伝わってきました。

きっと誰しもがもっているだろう
「いい人に思われたい」という気持ち。
でもその気持ちが自分を苦しめているんだなと
改めて思いました。

「いい子」ってなんだろう?
そう考えさせられた一冊です!

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2023年11月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いい子でいたい、捨てられたくない気持ちがすごくわかる。


経験、知識を身につけて治療をしたい、そして患者だけでなくご家族のその後も善くできる人になりたい

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2022年09月07日

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表題の「わたし」とは、一番はもちろん主人公を指すのでしょうが、作品内では、人知れず辛い思いを抱えている人が多く登場します。
院内の同僚から、患者さんまで。

主人公は本当の自分を認められたことがきっかけで、周りの評価を顧みずに行動できるようになります。
他社にどこまで踏み込んでいいのか、踏み込むべきか…
難しいテーマではありますが、それを今まさに迷っている人への後押しになる作品だと思いました。

孤児でなくとも、「いい子にならなきゃ」という強迫観念に押しつぶされることは往々にしてあります。誰しもあるのではないでしょうか。
そんな時、「わたしはわたし」という揺るぎない自分を持てることはとても幸せなことだと思います。

自分がそう思えるように、また周りの人にそう思ってもらえるように「素顔のあなたが好き」だと伝えたい。

本作は同じく中脇初枝作「きみはいい子」の続編になっているようで、そちらも是非読んでみたいと思います。

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2022年03月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

両親がいない弥生は施設で育ち、人から嫌われないよう捨てられないよう常にいい子で生きている。

施設を出ると住居を確保し手に職をつける為、准看護師になった。勤め始めた病院では医者から見下され疑問を持っても口には出せない。
上司が変わり藤堂師長の元で、病院の問題や看護師の仕事について考えるようになる。

弥生は近所で出会った菊地さんに心を開いた事で長年の苦しみから解放されていく。
そして、院長の誤診を許さない師長と共に行動に出る。
一歩一歩、強くなるために。そして患者さんを心で見て看護師にしか出来ない看護をするために。

生きていくために働く、そして信じる人に出会い苦しみの中から抜け出していく、読み終わった後には充足感に浸れた一冊。

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2021年11月02日

Posted by ブクログ

この人の本の何が良いか、ストーリーも読ませるけど、文体と漢字の選び方が好きなんだと思う。孤児の看護師さんの話。

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2020年04月28日

Posted by ブクログ

本当の自分なんて探してもなくて、ふりをしている自分でも、それが長くなればそれが自分になるという言葉が心に残った。自分が傷つきたくないからいい子でいる。私の無意識の中にもこの思いがあるのだと思う。でもそれは誰もが思うことだし、否定することではない。人間誰しもエゴがありつつ、普段はいい人のふりをしている。でも、それでいいと思った。それで自分が傷つかず、周りの人を助けられたりさるならいいと思った。

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2019年06月23日

Posted by ブクログ

生きるために淡々と働いてきた弥生。藤堂師長がかっこいい。プロってこういうものだと思った。菊池さんも。

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2018年08月07日

Posted by ブクログ

どんなに望んでも手にいれられないものが弥生にはあった
自分の本当の名前、本当の誕生日、本当のお父さんとお母さん
もしかしたらいたかもしれない兄弟


七夕の短冊やサンタさんの手紙に「お母さん」と何度も
書いて願ったのに叶わなかった。


東京の産院で捨てられ、乳児院で育てられ二歳になると
児童養護施設へ、弥生にとって準看護師の仕事は
生きていくための手段にすぎず、せめてやらなくては
いけないことさえやっていればそれ以上は責められない


いい子でさえいればクビになることもない
そうやってこの病院で11年働いてきた弥生


ひっそりと息を潜めるように生きてきた彼女に
新しい出会いが訪れます。


一人は新しい師長の藤堂、入職1日目にして入院患者52人
すべての状態と課題を把握しているとても有能な人で
患者のためになるかどうか、それだけを考えて
仕事をしている人。弥生はこの人に色々な事を
気付かされていきます。


そしてもう一人は弥生が仕事の帰りに知り合った
菊池さんが入院してきたこと


菊池さんは弥生が誰にも知られたくない事を
知ってしまっても、弥生を気遣い見守ってくれた
師長は厳しくも温かい言葉で弥生を成長させてくれていた。


自分がお腹いっぱいご飯を食べて寝ることができ
自分に寄りそってくれたひとがいたこと、自分ひとりで
育ってきたわけじゃなかった。


見守ってくれていた人がいたことに気付いた時、
この人を守りたいと思った時、今まで自分が避けて
やり過ごしていた事に立ち向かいます。


新な目標を持ち他人にもう一歩寄り添えた弥生は
もう、いい子のふりも悪い子のふりもしない
私はわたしなのだと前を向いて歩いていけそうです。


これからの弥生にエールを送りたくなります
藤堂師長もいい人でいい先生の下につくと
いい看護師が育つというのがよくわかります
師長と菊池さんの懐の深さが沁みました。

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2017年09月20日

Posted by ブクログ

心にずしっとくる重たい内容だけど、読みやすいやさしい文章。

弥生さんは藤堂師長と出会えてよかった。

生まれにより確かに格差は生じるけど、さらにその後に出会った人たちの影響で自分自身や人生は大きく変わっていく。

弥生さんが小さい頃に出会った幸子さんのように、就職してから出会った藤堂師長や菊地さんのように、きっと自分も知らないうちに誰かから幸せを願われているのだろう。


しかし、この院長の病院では絶対に手術したくないな。
医師も人間だし、だからこその人間らしさだとわかるけど、患者としては命がかかってますし。
藤堂師長が最初に出会った医師のような人に診てもらいたいな…。

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2021年04月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

呪縛から解き放たれた弥生の強い願いに、一緒になって願い祈る。

病院を少しでも良くするために、まだこの病院に残って頑張りたいという弥生の信念はすごいとは思うものの、こんな看護師を見下した医療事故を繰り返す糞みたいな院長がいる病院の体制はそうそう変わらない。弥生がどんなに奮闘しようと、病院が良くなって院長が改心するとは思えない。こんな病院とっとと辞めて藤堂師長について行っちゃえば良いのにと思うけど、今ここにいる患者さん達を、未来の患者さん達を彼女は見捨てることができないんだろうな。

「あなたがたのいる場所は、いつも、患者のそばよ。」去り際に看護師達にかける激励の言葉の温かさと力強さに、背中を押される。師長の人として器の大きさを感じた。院長がクズなだけに余計に。

そして誰よりも忘れてはならないのが、菊池さん。周囲に愛されるその人柄に、弥生の心も救われていく。九九が出来ない彼女の為に、夜な夜なひらがなの小さな文字で書いた九九の紙。
それが幼かった弥生も、大人になった弥生も、まとめて包み込んで救ってくれた。呪いとしか思えなかった呪文のような九九が、菊池さんから弥生への祝福の言葉になったんだと思ったら、もう胸がいっぱいになった。
ただの紙切れじゃない、それは長い間がんじがらめになっていた弥生の呪いを解く温かい魔法だったんだ。

「へば!」と言い合って手術室に向かう場面も、覚えた九九を菊池さんに披露しながら麻酔する場面も温かくて優しい。
それだけに菊池さんの無事を祈らずにはいられない。なのに手術シーンのままページ数は残りわずかで焦る。ちょっと待って、このまま終わらないで。っていうか早く電子メスで無駄に体を傷つけてるこいつの手を、誰か早く止めて。そして手術室から引きずり出して、誰か颯爽とヒーローみたいに有能な医者が現れてよ。
どうかどうか。菊池さんの無事を見届けてから終わって・・・という願いもむなしく、手術の結果がわからずに終わるというモヤモヤ。でもきっと助かったと信じたい。後遺症もなく無事に・・・とまではいかないかもしれないけど。また弥生と二人笑い合う日々が訪れてほしいと切に願う。

「わたしはいい子でもわるい子でもない。
わたしはわたし。
今はただ、このひとを守りたい。」

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2021年02月17日

Posted by ブクログ

いつも自分の居場所をなくさないために、ただただいい子の仮面を被った准看の女性が、看護師長の勇気に触れ、初めて一歩を踏み出す物語。
でも、まあ…それだけかな。
2019/03

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2019年03月16日

Posted by ブクログ

17/02/23 ⑬
『きみはいい子』がすごくよかったので同じ著者の本をたまたま見つけて即借りました。
このひとの紡ぐ言葉はやさしいね。でもちょっと今作は狙いすぎてる気もするなあ。

・「自覚してほしいの。看護師の仕事はなに?医師にしかできないことがあるとすれば、看護師にしかできないことがある。わたしたちはそれをするためにここにいる。わたしたちはここにいて、わたしたちにしかできない仕事をしなければいけないの。」(P75)

・あなたがたはここにいてね。あなたがたのいる場所は、いつも、患者のそばよ。」(P225)

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2017年02月23日

Posted by ブクログ

准看護士山本弥生は、病院の前に捨てられていた。
3月に拾われたから、区長が弥生と名付けた。区長が山本だから山本。
施設で育ち、准看護士の資格を取り、病院で働く。
捨てられた子は、名前も誕生日も何も持っていない。
だから、いい子でないといけない。
弥生は、今以上のことは望まず、自分を守って生きていく。
読んでいくと、その切なさにドンドン引き込まれていく。
中脇さんの丁寧でしっとりした落ち着いた文体好きです。

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2016年08月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

児童養護施設で育った主人公の弥生は准看護師として淡々とした日々を送る。自分の居場所が無くならないようにということだけを考え、理不尽な院長や医者にも従っていくが、新しく来た師長はそんな弥生の頑なな心を変えていく。

いい子じゃなかったから親に捨てられた、ずっとそう考えてきた弥生を思うとせつないです。

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2016年08月17日

Posted by ブクログ

「自分は捨て子」「親に捨てられた」と、常に悲しみのうちに生きてきた弥生は、看護師として一人立ちした。地道に真面目につとめているが、看護師の仕事は生活のためと割り切っている部分もある。
そんな弥生が、新しく来た藤堂師長の影響で、看護のあり方や、患者、看護師仲間との新しい関係に目覚めて行く。
「捨てられた自分」は、誰かに拾われたからこそ生きて来られたと気付く。
だから、今度は弥生が「拾う人、救い、掬い上げる」人へと変わるのだ。

余談だけれど、医療現場が舞台の話を読むと、なんだか病院へ行くのが怖くなってしまうなあ…

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2016年06月25日

Posted by ブクログ

「きみはいい子」と同じ桜ヶ丘団地を舞台に〜巡り合いにより救われる〜共通の世界観で描かれるメッセージ性の高い作品。
ただベースとなるストーリーがベタなだけに読み手によってどうとでも変わってしまうのでは?といらぬ心配もしてしまう。
ビフォーアフターのギャップをつけるためにヒロインの卑屈過ぎる位置付けも共感はし難いし悪役とはいえあまりにもアホ過ぎる医者も興醒めする原因のひとつではないか。
孤の時代にマッチするテーマは独創的で惹きつける力を持っている、だからこそもっとじっくりと深い物語を描いて欲しいと思う

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2016年06月14日

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