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ブラックホール興味がある人に
ブラックホール、宇宙の膨張、インフレーション、重力波について知りたい人にお勧めの本。大学で物理学専攻でなかった人向けの一般相対論と宇宙論の解説本はそれこそ星の数ほどあるが、ブラックホール、重力波の話題についてここまで丁寧に解説している本は珍しい。一冊だけ読むならこの本がお勧め。
因みに重力を曲がった空間と最初に結びつけたのはアインシュタインではない。最初はイギリスの数学者クリフォードである。アインシュタインの功績は重力を曲がった時空と結びつけたこと。重力を曲がった時空と結びつけたことで一般相対論が生まれた。
Posted by ブクログ
あまり話題となっていないが、今年は一般相対性理論が発表されてから100年。それを機にこの100年で何がわかったか、あるいは何が分かっていないか(分からなくなったか)をブラックホール、膨張宇宙、重力波の3つの視点で振り返っている。本書の大半はブラックホールについて書かれている。これは著者の趣味とか、一般の興味というわけではなく、まずブラックホールから始まったからである。アインシュタイン方程式の解に存在する特異点。この特異点が数学的なものではなく実在しているものであることが分かるまで、そして分かってから何が起きたかを眺めていくと、これだけの分量になってしまうということである。そして膨張宇宙と重力波は、ブラックホールや宇宙そのものの研究の過程で生まれた仮説であり、同時におおよそ正しいと分かっている事実でもある。膨張宇宙はダークマター、ダークエネルギーという観測が非常に困難な要素があり、ほぼ正しいと分かっているのに証明ができない一方で、重力波は検出が可能かもしれないというところまで来ているという。もし重力波が検出されれば、ブラックホールや膨張宇宙だけでなく、宇宙論全体にとっても大きな前進となる。本書は大発見を前に、そこに至る歴史を振り返る良い機会だった。
Posted by ブクログ
入門書よりは少しレベルが高い。一通りの基礎知識を持って読むと興味が一層増すと思う。重力について最先端の知識が得られる現時点で最高の本。重力波についてがエキサイティングだった。
Posted by ブクログ
旬な本を読んでみました。
この本が書かれたのが2015年9月、ということで、重力波が捉えられたまさに同じ月に書かれています。
数年後には重力波検出のニュースが流れるかも…と書かれていますが、その数か月後になるとは…という感じですね。
相対性理論の歴史的な話から始まって、
そこから導かれる結論の一つとしてブラックホール、宇宙膨張、重力波が取り上げられています。
難解な部分はやはりありますが、読みやすいとは思います。
重力波天文学がまさに始まろうとしている今の時期に、読んでおくべき一冊ですね。
Posted by ブクログ
盛りだくさんでかなり記述に濃淡があったけど…ブラックホールや重力波は新書としてはかなり突っ込んだ話が多かったように思う。連星がなぜ宇宙の距離を測るのに基準となるのか詳しく書かれていてよかった。