感情タグBEST3
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今回はじっくり読ませてもらった。途中で次の日に持ち越さないよう、一編が完結するまで読んだのが功を奏した。
率直な感想を云わせてもらえば全てが一級品の短編集だ。
自伝的な短編、「増山雁金」、「簪」、「弱竹さんの字」。
ラストに不意を打たれた「遺影」、大人の恋愛を感じさせる表題作や「絹針」、それに加えて自分なりのベストの二作品「くれまどう」と「色揚げ」。戦慄のラストの「竜田川」。
寂寥感漂う「校舎惜別」に微笑ましい「十一月五日」。
本統に素晴らしかった。
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1990年の直木賞を受賞した表題作を含む11編の短編集。いずれも紋章屋が登場する。身近な話ではないが、1編1編が深みをもって書かれており、素晴らしい
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時代に残されていく職人達とそのすれ違いの恋愛ストーリ。切ない作品ばかり。職人達の衰退と上手く行かない恋愛。泡坂得意の美しい綺麗ではかない恋愛話。ただ、なぜこれが直木賞?とは思う。似たような美しいストーリは他にもあるし、泡坂らしいもっとユーモアのある作品やトリックの作品のほうが作者の恐ろしい力量が感じられるのだけど。
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伝統職人の世界を舞台とした男女の機微を描いた作品集。
と言うと、普通なら僕の興味範囲外の作品になるんですが、作者があの泡坂妻夫なので、手に取った次第です。
で、どうだったかと言えば、大正解ですね。
すごく面白かったです。上手いな〜と感動しきりです。
伏線の張り方がさり気なく、情景説明のように書かれた一文が後で実を結ぶんですよ。
だから泡坂ミステリのファンである身には堪らないですね。
Posted by ブクログ
女の肩から音もなく着物が滑り落ちるような。そんなふうに、静かな熱を持って淡々と進む短編たち。
どの話も尖るような勢いはないのに、いつの間にか指先に刺さった棘のようにじくじくと痛み出す。
「弱竹さんの字」はラストに向けた展開が秀逸。
「十一月五日」には創造者の情念。
「竜田川」こういうミステリー、もっと読みたい。
「校舎惜別」怖い。なぜか怖い。