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で、さらに。田之助つながりで。
場末の芝居小屋の役者に救われる、遊女屋の娘ゆうの物語。
女郎達の犠牲の上に成り立っている自分の暮らし。どうしようもない自己否定から始まる少女の葛藤が描かれます。
このお話のせいってばかりじゃないんですけど、どーも「娼婦」にファンタジーを感じられない。
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ずいぶん前の直木賞作品ですが読んでみました。
江戸から明治にかけて吉原の遊郭の娘として生まれた主人公が役者にほれ、恋に身を投げこみ、不自由な暮らしながら旅役者の恋人として時を過ごしていく様があでやかに描かれていて十分に楽しめた。恋に一途になれるのって素晴らしいなあ。
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花魁や遊女の話は切なくて好きなので、
裏表紙に「吉原」とか「遊女」の文字を見つけると、
つい読みたくなる。
しかし、このお話の主人公は、遊女屋の1人娘でお嬢様。
本来なら黙っていても、将来は遊女屋の女将になれたはずなのに、
すべてを捨て、好いた役者の元に行く。
結婚というカタチにとらわれないままの夫婦生活(?)は、
この時代にしては勇気のいる選択だったのではないかと思う。
物語の中では色々な対比をモチーフにしているのがわかりやすい。
裕福vs貧困、芸達者vs大根役者、などなど。
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第95回直木賞。
江戸末期から明治にかけての、遊郭と芝居の世界を描いた時代小説。
主人公は遊女屋の娘・ゆう。たまたま見かけた三流役者による芝居に魅せられ、遊女屋のおかみとして生きる道を捨てて、旅芸人と結ばれる。
本筋は、ゆうの恋愛、成長の記録であるが、他に裏テーマというか、さまざまな対立の構図が描かれている。遊女屋の娘・ゆう(使用人)と花魁(雇用人)、ゆうときつ(かむろ)、三流役者・福之助と大名題役者・田之助、吉原と深川、劇場と旅芝居などなど。みなそれぞれに自分の立場を理解し、また、自分の立場をあきらめ嘆き、それでも意地を張って生きていく。