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Posted by ブクログ
産婦人科医・池川明院長著。小さな子どもから語られる胎内記憶・誕生記憶の研究から、中間生記憶、過去生記憶を持つ子ども達もいることが分かり、彼らから語られた内容から、死生観や人生観まで壮大に広がった世界を感じとった考察本。
私も当初は、信じられなかった世界だけれど、信じる信じないは別として、考え方や捉え方の一つとして、こういったことを知らないよりは知っていた方がいいと思うし、生き方の指針になると思う。日本しか知らないよりは、世界を知っていた方がいいように。
「親から子どもに注がれる無償の愛」よりも、「子どもたちから親に注がれる無条件の愛」の方が、余程素晴らしいということ。
流産も死産も、子どもがそういう人生を決めてやってくる。親の成長や気付きのために命を差し出す。
確かに子どもというものは、思春期頃まで、どんな親であろうと無条件で好きであり、一緒に過ごすことを望み、親に自分の存在を認めて欲しいと一生懸命である。親のために生まれたと言っても過言でないぐらいに。
オギャーと生まれる前から、母親はすでに子どもから、めいっぱい愛されているということ。
でも、思春期以降は、「親のため」の役目を終えて、「自分のため」に生きることにシフトしなくてはならないのに、「親のため」の役割を果たせなかった子は、大人になってもずっと引き摺ってしまい、「自分のため」に生きれず、生き辛くなる。
どんな人も、人間として肉体をまとって生まれた以上、人を傷つけたり悲しませたり、生きていくために殺生したりといった「悪いこと」や「穢れ」と全く無縁で生きることはできない。悩みながら反省していくことの連続だったり、時には他人を恨み、それを乗り越えようと苦しみもがくこともある。
そういうたましいの曇りが多ければ多いほど、磨かれるととても眩しく光り輝けたりする。困難な人生を良い方向へ変えていこうともがいて奮闘していくプロセスこそ生きる意味があると、イエス・キリストもブッダも唱えている。
たましいが成長するために、愛するために生きていて、「ただ生きている」だけでも生きている意味がある。