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Posted by ブクログ
今回の作品も学ぶことが多かった。
手話にも日本手話や日本語対応手話といった種類がある事や、なんとなくろう者って呼ぶことに抵抗があったけどそんなことはなくて、それも結局聴こえる側の偽善だったなぁと。
本作はミステリーではあるけど
ワンダフルライフでもそうだったが、作中で知らなかった世界と向き合える時間の方が多かった。
ミステリー自体は正直るみの登場からなんとなく予想がつきやすかった。でもそれまでにある物語に引き込まれすぎて、没頭していた。
謎がときたいというよりは、この世界をもっと知りたいが強かった。
丸山さんのあとがきもよかったし
文庫にあたってのお気持ちもすごく良かった。
丸山さんの作品をもっともっと知りたいと思えた
Posted by ブクログ
Audibleで聴いた。
聾唖者の方の事を知らなさすぎるなと実感した。
周りのいないのを言い訳に距離を置いてきたのかもしれない。手話にもいろいろあり、今からワタシが勉強してもぎこちないんだろうな。
コーダの存在も初めて知った。そのことで本人が苦しんでいることも。
話の内容は、すごく引き込まれるものだった。
次女の存在を本のこっちからツッコミを入れてる自分自身がおかしかったw
それだけのめり込みいい作品だった。
一回読んでみる価値あり
Posted by ブクログ
『コーダ』が主役の映画が話題になったりと、
最近はデフやコーダという言葉が少し有名になってきた感があるが、
私がこの本を読んだときには全く知らなかった。
デフ(=Deaf)はろう者のこと。
コーダ(=Coda)はChildren of Deaf Adultsの頭文字をとったもの。
コーダはろう者の親を持つ聞こえる子どもだ。
(これらの言葉について説明がないまま映画のPRが行われていることに
少し違和感を持っている)
上記の他、「ろう者」という呼称は当人たちにとって何ら差別的なものではないこと、
日本手話と日本語対応手話の違いの話なども盛り込まれ、
耳が聞こえない人たちの世界がとても良く分かる本として、
本書は相当に秀逸だと思う。
著者とコーダである韓国の映画監督とが対談をした際、その監督も言っていたが、
著者はデフかコーダのどちらかなのではないかと思ったほどだ。
全て調べたことだというのだから驚きである。
さらには、ミステリーとしての面白さもきちんと備えていて、
ラストも素晴らしいのが大きなポイント。
私的に胸を張ってオススメできる一冊。
追記:2024.1月---
先日、本作を元にしたドラマを観た。
主演の草彅くん他、各役者さんのキャスティングや演技にはまったく文句がない。
が、デフやコーダの文化についてほぼ描かれていなかったことがひとつ、不満。
またそれ以上に、原作で感動を覚えた最終盤について、良い点こそが端折られ、改変されていた(少なくとも私にはそう思えた)のがとても残念だった。
Posted by ブクログ
・自らを称するのに「ろう者」という表現を好んで使う。かつての「聾啞者」から「啞」( =話せないことの意)を除いたのは、「自分たちは聴こえないが話せないわけではない」という意思の表れだ。そして、その逆は「健聴者」と言わずに「聴者」と言う。単に「聴こえる人」という表現だ。
・〈コーダ、つまり「両親ともにろう者である聴こえる子」の場合、音声日本語より前に、日本手話を自然に習得します。ろう文化も同様に自分のものとします。たとえ音声日本語を話す「聴者」であっても、本質的に彼らは「ろう者」であると言えます〉
・組織不適合者を指す (マルフ)。自分と同じく、偽の領収書を書くことを拒否し続けた警察官の中の裏切り者。 ──この借りは、いつか必ず返す。 あの時の電話の主が、つまらなそうな顔で近づいてくる。「これで貸し借りはなしだ」 ぶっきら棒な言葉に、荒井は黙って肯いた。
まさかあの時の電話の主が何森とは思わなかった。