『テルマエ・ロマエ』の作者・ヤマザキマリさんのエッセイ集。
ご本人をして「ちょっとばかり特殊だった」とおっしゃる家庭環境の紹介から始まる1つめから怒涛の28エッセイが楽しめます。MANGAにトイレ、ビールに結婚式…とあちらこちらに話題が飛んでいるように見えて、実際は、17歳で絵画を学ぶためにイタリアへ留学して以来ずっと海外暮らしの筆者が、改めて祖国である日本について「再確認」「再発見」したことがつづられています。
海外旅行をしたことがある程度で海外在住の経験はない私でも、海外に出たからこそ気づいた日本のあれこれはありますが、やっぱりヤマザキマリさんの視点は非常におもしろくて、「なるほど!」「そういう見方があるのか…」「そんなことある!?」など、さまざまに感情が揺さぶられます。また、エッセイの間に挟まれているイラストも最高ですので、ぜひ読んでみてください。
ちなみに、私は「その二十六」がお気に入りです。
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海外に行くと
新しい文化や人、物に出あう。
そして、知ると共に
日本や自分について
振り返ってみる機会にもなる。
それが海外へ行く
おもしろさの一つだと思う。
いろいろな国で長く暮らしてきた
ヤマザキさん。
いろいろな視点から
ニッポンを振り返って
良いことも
そうとは言えないことも
感じたことが
ありのままに綴られている。
でも、
母国日本に対しても
これまで訪れたり暮らしたりした国々にも
愛情と尊敬の念を持っていることが
きちんと感じられる。
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ヤマザキマリさんはテルマエロマエの作者さんというイメージだけでしたが、この本を読んで日本人としての感覚も持ち合わせた外国人な印象でした。海外にいるからこそ見えてくる日本であったり、面白い家族の話であったり、人の温かさや面白さを実感できる一冊だと思います
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イタリアにダンディなおっさんはほとんどいない、日本も昔はJRに痰を吐くための痰壷が置いてあった、イタリアが人生に疲れると向かいたくなる真実のラテン系な国ブラジル。この辺が面白かった。
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テルマエやオリンピアは読んだ事はあったけど、ヤマザキマリさんのエッセイを読んだのは初めて。
どのエピソードも面白くてサクサク読めちゃいました。
普段当たり前に日本で過ごしているけど、世界には本当に色んな価値観があるんやなーて実感。
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角田光代さんの解説にもあるように、マリさんの強烈で笑える体験談がさらっと他人事のような語られ方をするのが、物事を俯瞰するマリさんらしい。
旅行番組を観ることで旅への意欲をかき立てられるタイプと、旅したような満足感を得て意欲がなくなるタイプがあるという話が出ていたが、
私はマリさんのエッセイを読むとあたかも異文化体験し、日本を外部から眺めたような気になって満足してしまう。
読んでいて楽しかった。
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Eテレで「読書の森へ 本の道しるべ」の再放送をやっていてまたヤマザキマリさんの本に触れたくなり再読。若くして単身イタリア・フィレンツェの美術学校で油絵を学んでいた当時、人生で最大の貧困を強いられていた時の話など、筆舌の良いエッセイ集です。笑
何だか元気を貰います。
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名前はよく耳にしていたけど作品を読むのは初めて。
『日本だけが世界じゃないから』
が口癖で、紆余曲折の人生を送ってきた母を持つヤマザキマリさん。
日本に窮屈さを感じて日本と距離を置いてきたのに、時間の経過とともに様々な日本の味わい深さを感じられるようになったという。
表紙と目次を軽く眺めただけで、何とも興味をそそられる。
以下、目次を一部抜粋。
*ぼっとんの闇が生んだ、世界最高峰トイレ文化
*同化しようとするカメレオンたちのストレス
*キレることが苦手な一億総「おしん」
*全世界から憧れの眼差し、電化製品のドラえもん
*血みどろにならない敏腕歯医者
*子どもの物欲を煽りまくるメディアに注意せよ
*しゃがむ
*驚くべドSな吹き替えに脅かされる民
シリア、イタリア、ポルトガル、アメリカ…と、様々な国で暮らした経験のある著者ならではの着眼点がおもしろい。
それに加え、ヤマザキさん自身の体験をまじえて語られているので面白おかしい。相槌を打ったり驚いたり、スキマ時間に読めてクスッと笑えたのも良かった。
知らなかった日本の一面を知りながら異国を感じられる。
こういう本、大好きです。
エッセイ大好き
ヤマザキマリのエッセイはいい!
漫画やドラマしか知らなかったので、
すべて?だらけの作者の全貌がせきららに
でもこっちのほうが、面白い。
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2012年と やや古い本なんですが
ヤマザキ先生のエッセイで
これが一番面白いんじゃないかと思います
現地の人でも 結婚式を
あげるのが難しい 厳格なカトリック教会から
出てきた新郎が 石田純一さんだった とか
(勿論 離婚が死ぬほど難しいはず・・・ですが)
エジプト人は 飼っていた猫が
隣町に行ってしまうと 戦争してでも取り返したとか
小ネタが濃いです
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テルマエ・ロマエの原作者であること、
時折テレビでコメンテーターをされていること以外、ヤマザキマリについて存じ上げていることはありませんでした。
読んでいくうちにこの方が大好きになりました。
考え方はフラットで俯瞰的な視点をお持ちながら、ユーモアもあり感情も豊か。
少しも湿ったところがありません。
挿入されているイラストも可愛らしかったです。
個人的に姑であるイタリア人の女性に辟易しながらもヤレヤレと見守っている?お話が同じ既婚者としては興味深かったです。
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イタリア人男性と結婚し、現在はアメリカで暮らす漫画家の筆者。
が、描いた海外から見た日本のあれこれを面白おかしく描いたエッセイ。
あっぱれ!めっちゃ面白い!
この一冊でヤマザキマリさんを好きになれる。
日本にいると島国だからこそ外を見ることを推奨される。
しかしながら、外から見る日本は良くも悪くもある。
日本にいながらこの価値観に触れられることを非常にありがたく感じた。
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日本と世界を行き来してるヤマザキさんだからこその、日本をちょっと俯瞰しつつ愛の感じる文でした。イタリア男子のイメージは、確かにちょいワルなある方のイメージでしたが、違うのですねー。
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原研哉の本に書いてあったのだが、世界地図を-90度回転させて日本が一番下に来るようにすると、ちょうどパチンコ台でどのような経路を辿ろうと一番下の穴に玉が入るように、シルクロードやシベリアもしくは東南アジアの海洋経由ですべての文化は日本に自然と伝わってきたのだとわかる。
そう考えたときに日本文化が様々な海外の文化を吸収して日本風にしてきたという事実は非常に納得がいく。
さらに渡辺京二の「逝きし世の面影」で描かれているように、徳川時代の鎖国によってその文化は醸成された。
明治維新後に失われたものは多いかもしれないが、私達の文化にはそのような背景があるのだ。
そして現代にいたり、本書のように海外の目線で日本を捉えると(著者は日本人であるが10代から海外で暮らしイタリア人と結婚しアメリカ在住である)、前述のような日本文化は失われたのではなく未だ私達の根底にあるのだということが浮き彫りになる。
そのようなことを強く感じさせてくれる本だった。
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彼女なら、盃にペッも芋虫も乗り越えられるに違いない。
ヤマザキさんの生活者としての異文化体験。
足りない足りない。まだまだたくさんのエピソードが埋もれていそうである。
日本のご家族の話ももっと話も聞いてみたい。
Posted by ブクログ
私の中では
ヤマザキマリさんは
名エッセイストとして
位置づけられている
「国境のない生き方」
「ヴィオラ母さん」
どちらも たまらなく
面白く読ませてもらった
そして 今回
いつもの古本屋さんで
見つけた一冊
読み進めながら
少し前に読んだ
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」
ブレイディみかこ(新潮社)
を だぶらせながら
読んでいることに気が付いた
自分の顔が
自分では見えないように
自分のことは
自分以外の視点を持つと
いろいろ
浮かび上がってくるのだなぁ
と しみじみ思いました
「望遠見聞録」
うまく名付けられた書名だと思う
Posted by ブクログ
おもしろい!日本を卑下するわけでも、イタリアとか海外を賞賛しすぎるわけでもなく、ただただ愉快な視点から日本と海外とを比較してクスクス笑いながらも感心させられます。
他の著書も是非読みたい!
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世界各地を転々としてきた筆者だからこそわかる日本の良さや変なところを書いたエッセイでとても面白かった。
私が一番驚いたのは欧米人にしゃがむ習慣がないということだった。
このように様々な文化の違いを知れて自分の視野が広がったと思う。
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幻冬舎のセールで買っておいたもの。
テルマエより前に、イタリア家族のコミックエッセイで知った作家さんだったので、このエッセイは割と面白かった。比較文化論というか、著者の熟知しているイタリアだけでなく、他の国との比較もあって、興味深かった。ブラジルでの話や、中国辺境の旅の話は楽しい。
秀逸だな、と思ったのは、第二章のフィギュア。
はにわ、ローマ彫刻、現代日本のフィギュア…
うん、そっか。その時代の男性の好みなんだw
そういう見方もあるんだ、と目からウロコ!
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「テルマエ・ロマエ」の作者によるエッセイ。
イタリア人と結婚していることは知っていたし、「テルマエ・ロマエ」だし、てっきりイタリアにお住まいなのかと思ったら、シリアやポルトガルに住んでいたこともあり、いまはアメリカにお住まいらしい。
油絵の勉強のために17歳でイタリアに留学してから旅行も含めると、本当に世界中あちこちに出かけている。
で、日本人が思っているようなダンディかつ女たらしのイタリア男性ってほとんどいない、だの、日本のビールが一番おいしい、だの、シリアの女性用下着の不可解さだのが軽妙な文章で冷静に分析されている。
これが面白くないわけがない。
本心をなかなかあらわさない、外国人からすると得体の知れない日本人だが、ヤマザキマリは、欧米人の、とにかく自分のいいたいことをまくし立てるだけではなく、日本人のように人の話を聞く姿勢がコミュニケーションには大事と言う。
日本からも外国からもひとしく距離を置いて立っていられるのは格好いいよなあ。
ところで、しゃがむのってアジアの文化なの?
欧米の人、南米の人、アフリカの人たちはしゃがまないの?
人間として体のつくりは同じはずなのに。
すごく不思議。
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17歳で絵の勉強のためにイタリア留学して以来、生涯のほとんどを海外で過ごしてきた、ヤマザキマリさんのエッセイ。
読みやすく面白い文章でありながら、すこぶる真面目で、ものすごく内容が濃い。
もう一度言うけれど、タイトルだけでも笑えるし分かりやすいのだが、真面目だ。
真面目に語る、日本と世界の文化のお話し。
読み始めるや、外国人が書いた「不思議の国ニッポン」みたいな感じだな、気持ちが外国人になっちゃっているんだろうな、と思ったが、読み進めればそうではないことが分かる。
日本人でなければ書けない、気付かない事がたくさん書かれているのだ。
例えば、何故、ニッポンのトイレがかくも素晴らしい発達を遂げたのか、それはあの通称「ぼっちゃん便所」の恐怖を生活から排除したい一心だったと。
なるほど!
しかし、作者自身が
「心底には自分はやはり日本人でありながらもこの国の客観的な傍観者であるという意識が根付いている。」
と書いているように、ヤマザキマリさんはもう、普通の日本人ではないな〜と思う。
傍観というよりは、気持ち的に遠くに来てしまった「ふるさとを遠きにありて想う」書なのではないかと感じる。
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ヤマザキマリさんのエッセイ。コミックエッセイばかり読んでいたけど、文章も上手だなぁと思う。
小さなころから海外と縁が深く、若くしてヨーロッパに出て、世界各国を移動しながら生活するヤマザキさん。そのヤマザキさんが海外から日本を見たエッセイが面白くないわけがない。
それぞれの国に特徴があり、良い所も悪い所もあって当然。日本もまた然り。
日本の悪い所ばかり書く本も嫌だけど、日本を褒めてばかりの本も何となく気持ち悪いなぁと思っていたので、この本の「良い所も悪い所も表裏一体」という感じがとてもしっくりきた。
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日本より海外暮らしが長いヤマザキマリさんだから見えてくる日本のお国柄。
言われてみればそうかも知れないなぁ、と思うくらい、日本でしか暮らしたことのない私には極々自然な習慣や国民性ですが、海外と比較することで、日本の文化や習慣などの特性がよく見えてきました。
日本って意外とスゴイかもと思ったのは確かですが、その美徳も海外の人たちと渡り歩くにはパワー不足かも。
それでも誇れるところは沢山あるな、と再認識しました。
ヤマザキさんの切り口が面白く28のエッセイのそれぞれの終わりに出てくるそのエッセイの内容に沿ったイラストにもニヤリとしてしまいました。
Posted by ブクログ
海外暮らしが長く、日本の文化や習慣に違和感を持つようになるのと相反して、ますます自分の中の日本人を認識する著者のコミカルかつシニカルな観察眼、家族とのやりとりが面白い。ヤマザキマリさんて漫画家さんと思ってたけど文章も光りますね。隙間時間に軽く読めて、面白かったです。
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テルマエロマエの作者のヤマザキマリさんの本。
早くに日本から留学し、イタリア人の夫を持ち、シカゴに住む。決して「日本人の〜がだめ!」「変わるべき!」と押し付けてくるのではなく、ユーモラスに日本や諸外国の人々の姿をいろんなテーマで書いています。読みやすい!
Posted by ブクログ
海外生活の長い筆者の目から見た日本という国や筆者の知人からみた日本と日本人について、実体験がユーモアたっぷりに書かれている。外国にかぶれているわけではなく、傍観者としての視点で書かれていることが、この本を最後まで落ち着いて読めるポイントかなと思う。
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表紙に惹かれて、内容確かめずに購入。外国に住む日本人から見た日本、がテーマのエッセイだった。
イタリア、というと塩野七生さんを思い出すけど、ヤマモトさんは比べると随分庶民的。イタリアとは!って大壇上からふりかざす感じじゃなくて、身の回りの日常から見たイタリアと日本の対比みたいなことを柔らかく書いてる。
内容の善し悪しではないんだけど、でも最近は日本人と外国の人の文化の違いみたいなものについて書かれた書にあまり興味がなくなってしまったなと実感。
結局「自分が体感したことが自分にとっての認識になる」に落ち着いたからかな。
筆者が何をどんな風に体感したのかという記述はからはその人自身が映し出される...そういう目線で見れば面白いかもしれないな。
Posted by ブクログ
最近ヤマザキマリさんに嵌まっている・・・というか、巻き込まれているw
長く海外で暮らすと、日本のヘンテコリンなところが見えてくるんだという。(日本人の常識から見た外国人のヘンテコリンさも際立つわけだけど)
すする音(ソバだけじゃなくて鼻水とかも)、往来でしゃがむ行為、アルカイックスマイル(肉親への素っ気ない態度、感情の欠如)等々が理解しがたいとか。
また、イタリア人すらビビるブラジル人のバイタリティーには、読んでるだけで私もビビりました。
Posted by ブクログ
海外在住の漫画家ヤマザキマリさんの、海外に縁が深く、しかし日本人であるからこそ書ける、日本に関するエッセイ。外国人と日本人の気質の違いなんかも実体験をもとにしたもので面白かった。日本国内でも県民性なんかを感じることがあるが、世界規模でみると、そもそも寄って立つ考え方自体が違って面白いんだろうなと思う。
しかし、一番面白かったのはシリアの女性の下着事情。確かに美人が多いし、コートの下がものすごくセクシーだとは、反則である。
Posted by ブクログ
基本的に漫画と同じことが書かれていると思う。
批判もあるが、日本の歴史や文化に対して愛情がある。
先進欧米諸国に住んだ日本人(大抵配偶者はその国の人で、その点この著者もその例に漏れないのだが)は、日本のここが遅れてる、センスがない、みっともないという話か、日本が優れていて、洗練されていて、マナーがよいという優越論か二極化されがちなのだが、この人は、日本人の良くないところも認めつつ、日本に住んでいては気づきにくいようないいところを掘り出すのがうまいんだよなあ。
文章については、意外と上手い気もするが「何気に」の多用はいただけないと思った。
一番気になったのは、猫を愛し、飼うのはいいが、ここに書かれているだけでもイタリア、日本、ポルトガル、ブラジル、NYと引っ越していて、猫はどうしているのか。今飼っているのは…と出てくるが、前の猫はどうしているのか?猫も20年近く生きるのが普通になっているが。
引っ越すたびに、他人にもらってもらうのか。連れていかれるのも猫にとってストレスかもしれないが、飼い主が変わるのもストレスだ。「猫好き」が猫を不幸にしていないことを祈るばかり。