【感想・ネタバレ】過ぎてきた日々のレビュー

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Posted by ブクログ

時代小説は縁遠く 津本さんのコーナーはパスしていた が 気付けばあまりにもたくさんの本が並んでいる その魅力を知りたくてとりあえずこの自伝的なものを手にとってみておどろいた
この方の時代小説はどこかでしっかり今とつながって活き活きと描かれているにちがいない この人のチャンバラは机上の空想ではなく実践の上で書かれているもので なので読者をひきつけているのだと思った
TVのちゃんばらで 切られて絶命しても立ちつくし しばらく後に倒れる様子は 大げさな演出だと思ったが それは間違いであった
猛烈なスピードで袈裟懸けに刀を振り下ろすと 人の高さに縛った藁づとの上部も落ちないという 60本の藁づとを立てておいて 一気に袈裟懸けに切っていくと そのうちの数本は切った上部がすぐには落ちないとか
根本さんの刀を振り下ろすスピードがいかに速いかということらしい 机にへばりついて ただ頭の中で作文しているのではなく実際に剣道合気道など武術の技をきたえておられ このスピード感を作家が実際に持っておられるのだ! 今のこの現代でも合気道などの道場はあり 師匠の中には警視庁や自衛隊で また市井の道場で活躍しておられるという 構えをしていないように見えて かかってくる敵を簡単に遠くになげとばす業の持ち主もおられるとか 
終戦後の無茶苦茶な時代 二十歳前の根本さんが勤めた会社は軍隊帰りの猛者たちがやりたい放題で今じゃ考えられない乱暴な経営がまかり通っていて読むにはおもしろい
日本一のお給料がを出していたらしいが 将来性を考えて辞めた後 収入を得るため 帰省し 老いた父親が放ってあった土地家屋を占拠している人達を追い出そうとする これが一筋縄ではいかず 出世している親戚に助言をたのむと「県政を敵に回す気か」とどなられ 孤立無縁 
徹底的に法律を調べつくし 弁護士の助けをかりて全部追い出してしまったという話は胸がすく ここに駐車場を作ってその収益でくらしをたてつつ 小説を書き始める まったく小説など書いたことがないというがただ読書家ではあったらしい
アルバイトする必要がないので 以後は存分に取材し本が書けたということらしい 
なにか時代物を読んでみたいと思う


 

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2015年02月27日

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