【感想・ネタバレ】風雲児たちガイドブック 解体新書のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

学生時代から日本史は好きでしたが、もっぱら飛鳥時代と戦前の昭和。
ところがみなもと太郎の「風雲児たち」を読んでから、戦国時代も江戸時代もまあ興味深いことを知りました。

「風雲児たち」というのは、40年近く前に連載が始まったマンガなのですが、タイトルでわかるように、幕末に多く現れた風雲児たちを描くはずだったのです。
しかし、幕末を語るには関ヶ原から…ということで、全20巻で一度雑誌の廃刊により連載終了した時点で、坂本竜馬の出番なし。
あ、竜馬が全体の主人公になるらしいんですけど。

改めて「風雲児たち幕末編」を今描かれているわけですが、まだまだ終わる気配はないらしいです。

このガイドブックは全20巻の「風雲児たち」の主要登場人物30人の紹介と、裏話やらなにやらが書かれています。

とにかく私がこの「風雲児たち」を読んで衝撃を受けたのが、明治維新の始まりは関ケ原からという解釈。
薩長が主体となって幕府を倒すわけですが、この二藩は言わずと知れた関ヶ原の負け組。

長州の毛利氏といえば、関ケ原前は中国地方全体を治めていた大大名。
それが領地のほとんどを没収され、都から遠く離され、小さな小さな領地をほとんどお情けで(分毛筋の吉川広家のとりなしで)なんとか残してもらったものの、都落ち感はぬぐえず、その恨みは毎年の殿様と家来との新年のあいさつで、忘れずに幕末まで継承されたのだ。
「殿、〈幕府転覆の〉準備は整いましてございます」
「うむ。今年はまだ早かろう。様子を見て待つべし」
こんな会話が毎年あったんですって。

薩摩は、領土を減らされることがなかった代わりに、江戸時代を通してずっと幕府に高額な年貢や、普請事業の丸投げをされていて、琉球を属国扱いして密輸入しなければ藩の財政が回らないくらい虐げられていた。

関ヶ原の後処理が、長州薩摩の300年の恨みとなっていたわけです。

思えば今の日本の政治状況も、幕末・明治を引きずっているともいえる。
目的のためには手段を問わないあたり、今と似ているかもね。

保科正之、田沼意次、大黒屋光太夫、最上徳内、渡辺崋山、江川英竜、そして勝海舟。
どの人もこの人も、実に実に見事に自分の人生を全うしている。
ああ、やっぱりこのマンガ好きだ~。
「幕末編」大人買いしたくてしょうがない。ガマンだガマンだガマンだ…。

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2017年07月09日

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