【感想・ネタバレ】将軍の料理番 包丁人侍事件帖(1)のレビュー

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Posted by ブクログ

うっかり、「新・包丁人侍事件帖」の方を先に読んでしまったので、元のシリーズの方を一から順番に読むことにした。
それにしても面白いシリーズ、巡り会えてうれしい。

徳川は家斉の時代、文政三年(1820年)から始まる。
江戸城の台所人、ぽっちゃり系の鮎川惣介は、ちょっとした失言で夫婦喧嘩。
あ〜、料理人の夫から料理の事言われたくないよね〜
14歳の長女と10歳の長男を持つ、30代半ばの夫婦の関係は、現代と変わらず。
そんな、惣介の日常も微笑ましく描かれるが、ひとたび登城すれば・・・
権力ある所に陰謀あり。
一見小さな事件が、実は遥か上の方で、大物たちの操り人形芝居で繋がっている。

片桐隼人は惣介の幼馴染で、大奥の警護に当たる添番。
桜井雪之丞は、将軍の御台所の実家、京都から遣わされた料理人だが終始怪しい。
「新」にも出てくるけれどこういう登場だったのね。

そして、位は高けれど、親子の縁に悩む家斉と家慶。
一冊の中にさまざまな親子の形が描かれている。
そこへ惣介の親としての気持ちも。
ちゃんと、息子を叱れる父親なのだけれど、何故か娘に対しては言葉が見つからない。
とても人間味のある主人公なのだ。
それにしても、陰謀のためなら下々の命など(いや、御台様の命さえ?)消すことに微塵も罪の意識を感じない者たちは、明るい所には姿を現さない魑魅魍魎である。

江戸の暮らしあり、政治的陰謀あり、謎解きあり。
そして、時代物らしくクライマックスではお約束のチャンバラ(死語?)ありの、サービス満点の作りだ。

第一話 小袖盗人
 大奥、中年寄の部屋から、小袖14枚、帯2本が消えた。
 犯人が捕まるが、何の為に盗んだのか謎だらけ。

第二話 師走の人殺し
 人殺しには二種類ある。目的(理由)のある殺人と、快楽のための殺人と。

第三話 火付け
 火事が相次ぐ。
 鼻の良い惣介が、油が撒かれた臭いを嗅ぎ分ける

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2021年06月10日

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