【感想・ネタバレ】商店街再生の罠 ─―売りたいモノから、顧客がしたいコトへのレビュー

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Posted by ブクログ

行政が仕掛ける商店街再生の成功例は、非常に少ないと思っており、何か本当に役に立つ手立てはないものかと思っていましたが、この本は説得力があって実践的だと思いました。
ただ、読んで改めて感じるのは、結局のところお金を一気にかけて簡単に解決できるような方法はなく、小さくスタートして時間をかけてじっくりと育てていくしか道はなさそうだということで、今必要とされているのは、熱い思いと同時に諦めない「忍耐力」なのかもしれません。

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2017年12月28日

Posted by ブクログ

商店街活性化について詳しく述べられています。観光客招致ではな、地域住民が足を運ぶようになる事例など、大変参考になりました。

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2016年07月11日

Posted by ブクログ

結局「出来ることを可能な範囲で、多少なりとも“やってみようかな?”という意欲の在る人達が取組む」というのが所謂“まちづくり”というような取組である筈だが、実際には「公共事業創出」、「支援実績づくり」というようなことが自己目的化している“本末転倒”が余りに多い…そして“本末転倒”な結論を導くための“やらせ”が積み重ねられている…本書を読めば、そういう“問題”がよく判る…

本書には「如何なものか?」が多く出ている他方、「これは面白い!?」も色々と紹介されている。後者に関しては、機会が在れば訪ねてみたいものだと思った…

本書は「腹立たしいまでに“そのとおり”」という指摘も在る。それだけでも一読の価値が在る…

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2013年09月01日

Posted by ブクログ

商店街の活性化施策として
全国の商店街を事例に挙げながら
良い点悪い点を解説しながら
今後のあり方を考えていく構成になっている。

商店街の店主と市役所の役人自体が
自ら考えて、意欲的にやるべきだというのは
最もではあるのだが、如何せん
商店街店主や市役所役人への
だからあなた達はダメなんだという
ダメ出しに終始している感が強すぎる。

自分の体験からの恨み節のような書き方が多く
境港市の水木しげるロードを絶賛する一方で
豊後高田市の昭和の町はこき下ろしていて
自分自身の体験からくる好悪の感情が
反映しているようなきがしてなりません。

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2016年04月03日

Posted by ブクログ

前作から引き続き、著者の作品を読んでみました。
今回は商店街再生として、全国で成功例と言われるものを検証し、本当に再生につながっているのか、良い事例、悪い事例を紹介しつつ、新たな方向性を提案しています。

前作同様、具体的な商店街名を出し、施策を紹介しているため、具体的でイメージがしやすいものでした

少子高齢化により、モデル世帯が変化し、単身世帯や高齢者世帯が増えることも踏まえ、商店街再生を単なる観光地化にするのではなく、地元市民を顧客とし、リピート客を創ることを再生の目的とし、交流の視点で再生を図るというのは、著者の主張として一貫しています。
事例の模倣はよく行ってしまいがちではありますが、上辺だけでない施策は本質をしっかり見極め、参考にすることは大切です。
この方向性を意識しつつ、地元の商店街にはどのような施策が必要かをしっかり議論する必要があります。

本書には、行政に対する批判もあります。従来に施策に対する批判はあるとして、公共交通や庁舎内食堂での昼食の批判もありました。理解できる面もあるとして、著者の言う「利用者が必要と願う商店街」の再生と矛盾する気もするので、どうあるべきかは悩むところ。昼食に関しては個別事情もあるので、完全に納得というところまで落とし込めませんでした。


<この本から得られた気づきとアクション>
・著者の言う方向性は理に適ったものである。ただし、地域特性には考慮する必要
・ターゲットの明確化は必要。交流が必要な顧客とは?交流よりも安く購入できればいいと考える人は?地元なのか、少し離れたところが好む人も?落ち着いて買い物したいか、少し混雑した場で買い物したい?それぞれどれくらいの割合いるのか?
・顧客によって「顧客がしたいコト」は異なるはず。では、商店街はどこに応えるべき?

<目次>
第1章 レトロ商店街の罠
第2章 キャラクター商店街の罠
第3章 B級グルメ商店街の罠
第4章 商店街を利用しない公務員
第5章 意欲が低い商店主
第6章 再生戦略1 「シェア」で、雇用・起業を創出
第7章 再生戦略2 「地域経済循環率」を高めて、第一次産業と共生
第8章 再生戦略3 趣味を媒介に「地域コミュニティ」を育成

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2015年07月12日

Posted by ブクログ

2014 12/21 06:56

視線を内に、顧客目線で自分がかわる 久繁哲之介著『商店街再生の罠』

Category : 書評

 視線を内に、顧客目線で自分がかわる 久繁哲之介著『商店街再生の罠』.

 タイトルがドキリとさせてくれる.「罠 わな」の提起は、おだやかではない.
 読んでいくとどうも、当事者自体が<落とし穴>に陥っている、<陥穽 かんせい(動物などを捕らえたるためにしかけられたワナ)>、その状態を指摘したいようでもある.

 <良かれ>と重ねる施策.しかし、解決や課題認識の<基本>に<立ち返っていない>と、指摘しているようでもある.

 「レトロ商店街」
 「キャラクター(成功事例は学びの宝庫 テーマパーク商店街」
 「B級グルメ商店街」
 「商店街を利用しない公務員」
 「意欲が低い商店主」
 「再生戦略(1) シェアで雇用・起業」
 「再生戦略(2) 地域経済循環率」
 「再生戦略(3) 地域コミュニティ」

 「商店街を利用しない公務員」や、「再生戦略(1) シェアで雇用・起業」で紹介されるコンサルタントの所業など、「たしかにそうだ、が、そこまでやるか」と、うなづくばかり.

 <商店街活性化と地域おこしは、違う>とする.
 身銭をきる勉強をしない、エリート.
 補助金、利用者よりも国、都道府県の役所、成功例のモノマネ、美しいく拒否できないことばでつづる施策説明. 
 役人は仕事をしているが、そのことと「施策が成功しているかは、別」といっている.

 二つの側面の、指摘を読み取ることができるか. 
 メディア、メーカー、官、金融に象徴されるエリートが、「国民は安価なら、この程度で満足するはず」という、ある程度の「思いあがり」.
 他方で庶民というか、ユーザーが個別分散化させられている.
 他方で価値観、味覚、文化に劣化がおこり、低俗を<普通>と訓練される消費行動.

 必ずしも、メディア、メーカー、官、金融に象徴されるエリート性を示しているわけではない.
 しかし、そうしたエリート性と庶民との間にあって、制度を動かし良かれと行動しつつも、結果は格差と徒労がうまれる.
 そと点が、著者の主張点ということは、示されているようにおもうのだが.

 久繁哲之介著『商店街再生の罠』、「~売りたいモノから、顧客がしたいコトへ」のサブタイトルがある.(ちくま新書 2013年8月).

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2015年01月09日

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商店街の衰退と、その再生の必要性が叫ばれて久しいけれど、そのためにとられている商店街活性のための施策やとりくみのほとんどが意味がないと注意を喚起している。

おもに、商店主のモチベーションの低さと、そこにかかわる行政の姿勢の問題を指摘している。

なるほど、と思うことは多くて、なぜ商店街が寂れるのかという本質に目を向けさせる本だったと思います。

作者が考える、あるべき活性化の方向性についても、かなり具体的に例を挙げながら紹介してあるので、イメージしやすいです。もっとも、成功事例を表面的にまねするのでは意味がないことは文中で何度も強調されていることですけれどね。

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2014年03月20日

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地域再生の施策として、レトロ商店街や食べ物グランプリ等のイベントが行われているが、その功罪をよく認識する必要をこの一冊から学んだ。本当に地域の再生を行うなら、商店主や地域を支える人々がもっと汗を流す必要があると実感した。

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2014年03月04日

Posted by ブクログ

商店街が突如仕事上のテーマになり、勉強用に選んだ本なのだが、ここにもHCD/UXの発想が!手法も、本当の顧客ニーズを知るには、データに頼った机上の企画より顧客の声を聞くこととか(高岡市コロッケの項)、恣意的な項目が選ぶアンケートよりもエスノグラフィ(商店街を利用しない公務員の項)とか、昨年習ったことはあらゆる場面で使う基礎なんだなということが改めて身にしみました。商店街との向き合いは地方自治体との向き合い(補助金関連)で、なかなか難儀なことだぞというのもわかってきました。なかでも恐ろしかったのは群馬県太田市の南口一番街の話で、開発で歌舞伎町みたいになってしまったその商店街の地主は北口に住む老舗旦那衆。自分たちの住む北口が歌舞伎町になるのはイヤだが、南口は金になればいいという(意欲が低い商店主の項)何たる狭さ!でも「自分のところさえよければ」という発想は家族、町会、市、県、国と大きさが異なれど必ずあることで、それがリアルに出た太田市の事例に寒気を感じました。

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2017年02月17日

Posted by ブクログ

公務員が気をつけること

数字だけで判断しない。
身銭を切って勉強する。
教えてもらう人について前もって調べる。
観光と活性化は別。
商店街を利用する。
女性、若者の意見を大切にする。
猿真似はしない。

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2013年12月23日

Posted by ブクログ

面白く読めたが、全体的にとっちらかっているなという印象。
もちろん、こういうケーススタディ中心の本なのでそういった傾向は仕方ないのかもしれないが、読後の印象はあまりよくない。
また、特に公務員の意欲に関する言及において、「さすがにこれはこじつけでは…」と感じる点もいくつかあった。極端な事例を無理に一般化しているような印象を受けた。

それでも、この本が指摘する問題点にはかなりの妥当性があると思う。
ただ、本のクオリティとしては前作の『地域再生の罠』の方が上に感じられるので星は3つ。

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2013年12月09日

Posted by ブクログ

商店街が衰退する本質は「公務員など商店街支援者と商店主の多くに、意欲と能力が欠けている」ことにあるとする著者。

“商店街を利用しない公務員”という見出しでひとつ章が構成されています。商店街再生には、計画の美しさでなく実際に行動に繋げることが重要とあり、当然ながら納得できることです。
しかし、読み進めていくと、例えば、ノーマイカーデーにマイカー通勤する(=帰りに商店街で一杯!をしない)ことへの批判などが並んでいます。
確かに、正しいかどうかと問われると正しいことなんでしょうが、どうも重箱の隅のような事柄に感じられて、スッキリしない感覚が残ってしまいました。公務員は嫌われているようです。グスン。
しかし、「モノからコトへ」、「顧客目線」など、今一度しっかりと考え直し、取り組んでいくべき事柄や、示唆に富む指摘も多くあります。
商店街再生に限らず、仕事全般に広げて考えることができそうです。

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2013年09月16日

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