【感想・ネタバレ】狭き門のレビュー

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Posted by ブクログ

すごかった。
とにかくオモシロかったけど、なにがなんだけ全然わからない。
いや、分かるんだけど、納得はいかない。
でもとにかく、おもしれえ。

若い男女がいて、プラトニックに愛し合っていて、
両思いなんだけど、なぜだか女の方が現実的にいろいろな意味で愛を受け入れない。
「それだめなの。許されない」
みたいな。それがなんでだか、主人公の男も分からないけど、こっちも皆目分からない。
分からないんだけど、「それがなぜか」という方向ではなくて、
「で、ふたりはどうなっていくか」ということのみに爆走していく物語。

雑に楽しんで読んでいく分には、そのあたりが「狭き門」なのか、
実は愚者たる自分には明確にピントが合った形では分からない(笑)。
でも、なんだかその、経済的に言うと全く合理性の無い不幸みたいなものが、
狭き門だとすれば、いやあ、かなり狭い門です。入りようが無いのでは(笑)。

そして瞠目すべきは、それでいて無茶苦茶オモシロイということ。
ちょっと三島っぽい、ヤバイおもしろさ。

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2021年02月28日

Posted by ブクログ

ヒロインの言動の理由が最後明らかになったとき、とても胸をしめつけられました。清純な信仰を最期まで貫いた姿勢はとても印象に残りました。

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2022年02月02日

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ネタバレ

十数年前に読んだときには、信仰心ゆえに恋へ踏み出さないアリサのお話しだと思っていたが、解説にある本当は信仰心など特になかったのではないか、という点を意識してみるとまた違った読み方ができた。

また、以前読んだときはジェロームとの結婚を恐れていることをアリサの臆病さや自己肯定感の低さと捉えてしまっていたが、もっとストレートに読んでもいいのかなとも。"アセクシュアル"的な(知識が雑なのでここにそれが当てはまるかはわからない)そういう意味で。

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2023年03月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

フランスのノーベル賞作家アンドレ・ジッドによる小説。愛と信仰の相剋を描く、美しく悲痛なラブストーリー。

愛も信仰も純粋すぎて、混ざり合うことができなかったというべきか。神に至る道は狭き門ゆえに二人では入れないということか。相思相愛なのに結ばれないもどかしさ。身を引いていくアリサの心情がつかめず、最後の日記まで、見えない真相にやきもきする。美しく終わったようにも見えるアリサの人生と信仰をどうとらえるか。アリサが求めた至高の愛とジュリエットがつかんだ現実的な幸福、どちらが正しいのか。。独身を貫くジェロームの姿は美しくも悲痛だ。非常に後を引く、心に残り、かつ考えさせられる名作。

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2022年08月30日

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愛と信仰の間で激しく葛藤する悲劇の物語。
ヒロイン、アリサのジェロームへの愛の深さ故に距離を置くに至る心理は、自分が身を引くほうがジェロームの為になるという考えからだが、かなり曖昧な理由であり、やはり本質は信仰心ゆえの、あえて困難な道「狭き門」を選ぶことがその理由と思われる。それにしても死の床にあったアリサがジェロームに読まれることを承知で手記を残すことはジェロームを深く後悔させることになると考えるのが普通であり、そこはやはり自分のの愛の深さをジェロームにどうしても伝えたい欲求からくるものか。そう考えると愛故に身を引く慎ましさよりも自身の信仰心を貫くヒロインの身勝手さが周りを巻き込む悲劇に発展したとも言えます。時に信仰心はこの上ない狂鬼を産むものなのか、それも含めて人間の業とも言えるものなのかと考えさせられます。
三角関係と死別、死後に披露される真実を語る日記。これはまんま夏目漱石の「こころ」ですね。
本作も解説がかなり充実しており、本作と作者の実生活との関係を考察しており読み応えがあります。
訳者あとがきで題名に拘ったことを記していますが、題名が「狭い戸口」とならなくてよかったです。

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2021年11月07日

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愛する二人、ジェロームとアリサ
しかし、妹に遠慮したり、遠距離になったりで
結局恋が実らず、、

手紙のやりとりで話が進んでいく構成
アリサの信仰心がゆえに、自分の内心の美徳を重視し、二人が一緒になれなかったということなのかと思えたけど、
もしかしたら、ただ単純に好機を逸したということかもしれない

恋だ愛だは、好機が過ぎたら潔く諦めるべきという教訓的に読むのもありではないでしょうか。

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2021年03月24日

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信仰と幸福の対立の物語。本当に徹底して信仰を実践すると救われるものも救われなくなってしまう、だから歴代の宗教は愛や慈悲というものを超越的なものに対置したのだ、というような説明を聞いたことがあるが、まんまそれを描いたようなストーリー。真の信仰と比べたら、幸福は彼岸のものではなく地上のものであるということを思い出させられる。けれども、悲痛な結末の印象は薄く、それよりも全編を貫く清廉さの方が強く残った。情景、心情、ストーリーのすべてがあまりにも清廉。この極端に汚らわしさを排除し美へと偏った小説を読んでいると、宗教というのは人間の美しいものを美しいと感じてしまう感覚のもとに道徳と幸福の妥結を図ったものなのではないかという発想さえ浮かんでくる。潔癖主義的な物語だが、とても刺激的だった。訳も煩わしいところが全然なく、非常に良い。

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2018年04月03日

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主人公ジェローム。親戚のアリスのことが昔から気に入っており、結婚を希望している。しかし女の方は人間同士の恋愛結婚は、天国への扉を妨げると思い込んでいて、のらりくらり。本当にそう思っているのなら、外国にでも行き姿を消し、きっぱり連絡を取るな。建前は拒絶しておきながら、押しまくればいけるんじゃね?的な匂わせがイライラする。それとも生理的にこの男が嫌で、しかし親戚だから、「神様が」ってことを建前にして、男から距離を置いてるのか?それもなー、男の方の空気読まなさに恐怖。

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2021年11月29日

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神が主体ではなく、あくまでも愛のありかたを語る。
妹がいなければ、妹が愛さなければ、物語はなかっただろうな。

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2021年06月16日

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ネタバレ

ストイックな在家信者のキリスト教徒女子と、神学校に通う男子の、みずみずしくも儚い恋物語。

キリスト教圏で敬虔な信者の方々には響く話かもしれないが、信仰心がない、せわしい現代人からすると、なんともまどろっこしくて歯がゆい恋。

プラトニックな初恋を懐かしむにはいいかもしれないが、一言で締めくくると童貞と処女は面倒くさい。怒られるかもしれないが。。。

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2021年03月11日

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彼女「を」愛そうとしたジェロームと、彼「と」愛そうとしたアリサ。あーこりゃ叶わんわ。悲恋だわ。同じものを見ているようで方向が正反対だった愛のおはなし。解説が秀逸。


にしても、こんな小説を書けちゃうジッドって何者……?

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2015年10月31日

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キリスト教の教えは私には馴染みがなくてほんとのところは理解できないけど、純愛とは、魂の至高の実現とはなんだろうと考えさせられる。悲しいけれど、美しい。

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2015年09月05日

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