【感想・ネタバレ】水の迷宮のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

3年前の水族館職員の不慮の死。
そして、3年後の命日に、突然、水族館を襲う攻撃予告。

姿なき脅迫犯は誰なのか?
そして、その狙いは何なのか?
次々と展示生物を狙った攻撃が続く。

やがて、職員の不審死が発見される。
謎に包まれた事件の鍵は、同様に、3年前の職員の不審死に行き着く。
いったい3年前に、何があったのか。
3年前に、彼がやろうとしていた事とは?

石持作品らしい、随所にロジックが散りばめられています。言われて、なるほどと分かりますが、中々難しいですね。

最後は、ハッピーエンドで良かったです。

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2022年08月11日

Posted by ブクログ

出口が見えない海底トンネル...
頭上と足元を自由に泳ぎ回る魚たち...

そんな、海の中を歩く事が出来たらどんなに素晴らしい事でしょう。



水族館は人の手で海を再現しています。しかし敷地の広さや資金計画といった現実的な問題が本物の海の再現を阻みます。


序章で不慮の死を遂げた片山雅道、彼は羽田国際環境水族館の為に何かをやっていた...

物語は彼が死んだ3年後の命日が舞台...

物語の欠片の全てが繋がった時、どうしようもない感動が瞼の裏から溢れ出す...





取り敢えず水族館に行きたくなりました。

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2015年03月24日

Posted by ブクログ

水族館に届いた犯行予告メール。
実際に魚たちが攻撃され、ついには殺人が起こる。
犯人は一体誰なのか?
その目的は何なのか?


水族館を舞台にしたミステリー。

警察などの部外者が登場せずに事件を解決するスタイルって、珍しい気がします。

仲間内だからこそ、複雑な感情もあったりして、読み進めながら揺さぶられ。

たくさんの伏線が一本につながるのは、気持ちがいい反面・・・真実はせつないものでした。

でも悲しいだけじゃない感動が、ラストに待っています。

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2014年02月11日

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ネタバレ

石持さんの作品は、極端な設定を、理性的なヒーローが、論理的に解き明かすということが基本構造になる。
 近年の作品は、「設定」「論理」の方にちょっと傾きが大きくなりすぎていて、この作品のような人間味や作品全体の緊迫感が、ちょっと薄れている気がしていた。
 バランスの良さを、今後の作品には願いたい。

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2023年06月25日

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水族館が舞台。水槽へのいたずらと百万円の要求というちょっと変わったミステリー。
これでいいの?とか、つっこみどころはあると思うけど、でも面白かったな。水族館好きだし。
作者の作品によく感じる冷酷さはあまりなくて、少しほっとするような終わり方だった。

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2021年11月24日

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久しぶりのミステリ。
序章で引き込まれて、水族館のざわめきが聞こえてきそうな始まりで、脅迫が始まってきて、あの人この人が出てきて、ストップできなくなって読み進めてしまった。

それでええんかい!って流れではあったけど、
面白かったよ。
罪の気持ちって、絶対消えないからね、皆さんの精神がこれから壊れていかないといいけど…。

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2019年06月18日

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ネタバレ

動機からしてこの人が犯人かなという人が犯人でなくてよかった。いつもながらよく練られていて楽しめた。今回は犯人探しが楽しくて、動機は共感できない。

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2018年11月20日

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ネタバレ

石持さんやっぱりいいわ~。
なんというか勉強熱心な作家っぽい。今まで読んだいづれの作品も、独特なテーマを取り扱ってて。今回は水族館。
絡み合う2つの犯罪は、すべて善意…というか真っすぐな気持ちから出てて、誰も責められない…というか殺人者も裁かれないという結末。
石持さんのミステリは好きなんだけど、どっかに引っかかるものがあるなーと思ってたら、解説者が”甘いミステリ”という言葉を使っていたのがピッタリ!

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2017年01月14日

Posted by ブクログ

石持氏のロジックは本当に気持ちいい。
かちりと嵌まっていく快感、理論の展開はシンプルながら、気付きの部分でハッとさせられるし、伏線にも唸るばかり。
中でも電話の着信音に関するロジックは圧巻です。
それでいて本作は物語性も抜群です。背景にあるのは一人の男が描いた夢物語。それがここまで綺麗にミステリ部分と融和するとは…
結末に限って意見が別れるのはしょうがないことですが、同氏の「扉は閉ざされたまま」でも素直に勧善懲悪とはいかない締めくくりだったので、これが氏のスタイルなのでしょうか。

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2015年10月06日

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ネタバレ

水族館で起きた男性の感電死から話は始まる。

三年の月日を経た男性の命日に水族館の生物たちは脅迫される。考えようによっては取るに足らない事件ではあるが、謎めいた事件は徐々に全体像を浮かび上がらせていく。

あまりの展開の巧みさについつい引き込まれて目的地まで連れ込まれてしまう。驚かされている印象は薄いものの重厚な世界観にどっぷりと満喫させられてしまうのだ。

ただ、最後の解決方法だけはどうしても好きになれない。そのことを置いておいても良作間違いなしであるが、★マイナス一してしまうのも人間のサガなのである。

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2015年08月27日

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面白かった。最後綺麗にまとめてくれてすっきり終わることができた。個人的には小説の最後から後日談に至るまで、7年間の職員の奮闘も読んでみたい。

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2014年03月18日

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ネタバレと下らないことしか書きません書けません。

・石持浅海の書くイケメンは彼女持ちあるいは既婚者ばかりな気がする
・あと主人公の彼女は大抵ゆるふわ系
・片山さんの扱いがもはや神
・とか思ってたら大体合っててびっくりした
・犯人頭よすぎてかっこいい
・深澤も頭よすぎてかっこいい
・我慢してたのに後半になっていきなりホモフラグを自ら立てるとかなんて恐ろしい子…
・後半になっていきなりツッコミがキレはじめる主人公
・ですよね!!!貴子さんきますよね!!!
・「ぷんすか」の破壊力
・最後まで第三者でい続ける深澤△

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2013年04月05日

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水族館が舞台なところがまず良い。
お得意の閉鎖空間での論理的思考はもはや鉄板です。
ラストの光景まで含めて非常に「美しい」ミステリーだなぁと感じました。

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2017年05月20日

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夜の水族館で一人残業をする男。頻発する水槽の温度異常。そして突然訪れる死。
物語はその数年後。水族館に脅迫のメールが届く。悪意があるのかないのかわからない悪戯が水槽に繰り返され、振り回される職員。しかし「悪戯ではすまない」死体が発見される・・・

この人文章のプロット力がすごいなあ・・・殺人なり事件なりが起こるものの、その事件の不可能性とかそういうところは比重を軽くして「何故そんなことが起こったのか?」という原因の謎、というところに焦点を置く手法は毎度毎度感心させられます・・・おもしろいわ~。

結構多作みたいなのでしばらくこの人の作を読みふけりまくりたいと思います。

ところで、本作のラストなんですが。
一水族館好きとして、あれは実現できないのかしら?行ってみたいわあ・・・

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2019年01月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この人の本も好き嫌いがまっぷたつに分かれるんだけど、好きな部類の本。話は面白いんだけど、謎解きも面白いんだけど。いや、そんな理由で殺人をなかったことにして、好きな男を殺した相手を許して、一丸となって未来を目指す?いやいやいや、さすがにそれは無理があるでしょ、と思ってしまうラストがイマイチ。それでもこの本の構想を誰かそのまま実現してほしいと切に願います。

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2022年07月22日

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水族館のことを非常に調べていて、記述が非常に詳しい。まるで働いていたのかと思うくらい。
少し登場人物が多く、キーパーソンの厚みが乏しく感じた。目指していた水族館が、この社会にとってなんなのか、という問いかけも、ほしかった。
ミステリーにも社会への問いかけは必要かと。巨大水槽はドバイや中国にたくさん出来てきたが、日本は縮小傾向にある。生き物を自由に飼うだけが水族館ではない。

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2022年07月05日

Posted by ブクログ

水族館が舞台のミステリ

3年前の、残業中に亡くなった水族館職員の命日
水族館に展示水槽環境の被害を示唆するメールが届く
そして実際に水槽への危害は加えられる
次々仕掛けられる脅迫犯からの仕掛けの対応に追われる中に起こる新たな事件
果たして、犯人の目的とは?
3年前に亡くなった職員と起こっている事件の関係は?


脅迫犯は序盤からあからさまな登場をしているので、すぐに想像できる
目的も何となくアレに関係しているんだろうなぁというのもわかるけど、その真意が何かというのが序盤の謎
そして新たな事件がノイズとなってミステリの要素を複雑にしている

携帯が折りたたみ式だったり、プリペイド式がまだ使えたり、携帯メールを使えない人が普通に受け入れられていたりと、時代を感じる
携帯キャリアからのメール送信者偽装って、知識のない人がそんな簡単にできないと思うんだが?

それにしても意見が分かれるのが犯人の処遇でしょうねぇ
個人的には、罪を犯した人間はちゃんと裁かれるべきだと思うよ
たとえ物語の中でも、そうあって欲しいね

故人の夢を隠れ蓑にして皆酔っちゃってるように思える
事件を隠蔽してなかった事にして叶えた事業で、本当に心の底から喜べるのか?と、かなり疑問が残る

「夢がある」という意味でのファンタジーですねぇこれは



あと、羽田国際環境水族館というのは架空のもので、同じ立地でモデルにしたような水族館もないという事でよいのかな?
サンシャインとか品川とか名古屋港の方は実在するけどね

水族館の事情に関するあれこれは「水族館ガール」を何冊か読んだので、ちょっとは知っている
そんな事情を知ってしまうと、魚が可哀想で水族館を純粋には楽しめなくなっちゃいましたね

名古屋港水族館のイルカプールは国内最大だけど、アレでもやはり十分な広さが足りないのはわかる

だからこそ、巨大水槽というのは夢があっていいなとは思う
ま、だからといって人殺しを隠蔽していいわけではないというのは、繰り返しにかるけど主張したい

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2021年12月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

水族館に届けられた携帯電話。非通知で送られてくる謎のメッセージ。開館中の水族館で起こる悪質な悪戯。それは3年前に起こった職員の死と、不可解な設備異常を連想させるものだった。

犯人からの短いメッセージは、一見海洋汚染を訴える文章だが、悪戯を仕掛けたエリアと内容を巧みに盛り込んでいる。しかし目的が分からない。
中盤で職員が一人死に、悪戯が薄気味悪さを伴うようになった。
水族館という舞台設定もそれを助長したように思う。夏休み中の水族館は、騒々しくきらびやかな場所だが、裏側はそうではない。表には置けない飼育道具や予備水槽、パイプが並び、水槽を稼働させる装置音が常に鳴り響く。小説の読み手は、その裏側を見る者である。よく知るイメージとは異なる場所。もともとは薄暗く静謐で神秘的な雰囲気を持つ水族館である。薄気味悪さを自動的に演出してくれる効果があった。

ミステリーとして、先が気になる展開(犯人の目的は何か?なぜ一連の悪戯を計画したのか?)は非常に面白かった。
読み手は古賀という一職員の立場で犯人探しをしていくわけだが、分かりやすい伏線が多く、真犯人や死因の追及は良くも悪くも難しくはない。
また、賛否両論あるだろうエンディングだが、まさか本当に事件を隠蔽するとは思いもよらず、唖然としている間に大団円を迎えた印象だった。読者の意表を突くという意味では、良いんだろうか?
古賀の立場で物語を追ってはいたものの、登場人物たちに感情移入できるほどの親しみはなく、終盤に古賀の友人で探偵役となる深瀬が涙を流すシーンは、ドラマチックさの演出としか思えなかった。
結論。水族館という舞台設定も相まってミステリー展開は面白かったが、結末が近づくにつれ、読み手が置いてけぼりにされていった印象は否めない。身内で盛り上がっているのを傍目で見ている感覚。
エンディングの貴子女史はよかった。

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2021年08月07日

Posted by ブクログ

3年前に亡くなった職員の命日に届いた脅迫メール。
温室異常と同じ順番で起きる予告と、最期の死体。

一体誰が何の目的で、脅迫してお金を要求してきたのか。
3年前と同じような状態が起こっているわけですが
その情報を知っている人は…という疑いから
外していくと、という驚きまで。

読んでいくだけで、まったく推理も何も
あったものではありません。
何がどうしてこうなった? が知りたいがために
どんどんとページをめくるだけ。
その先には、驚くべき現実が待っているのですが
ミステリーとしては、これでいいのか? と
聞きたい落ちになっています。
いや、ものすごくきれいに、希望に沿う形ですが。

この水族館、歩いてみたいです。

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2017年10月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

リニューアル間もない水族館で、ある職員が急死した。3年後、その命日に水族館に脅迫めいたメールが届く。そしてまた一人、職員の死亡が確認された。犯人は?
……みたいな話。

水族館が舞台の話を初めて読んだので、新鮮でそこだけでも面白かった。
ストーリーも、一日に畳み掛けるようにいろいろ起こって、はらはらドキドキの展開。
途中まで☆4つの感触で読み進めた。

しかし。最後が感心しない。
ヒトが二人も死んでるんだから、やっぱり事件は公にすべきじゃないか。しかも業務用過失致死じゃなくて立派な殺人じゃん。
それを組織的に隠蔽して実現した夢は、果たして本当に達成感のあるものになるの?
死んだヒトの立場は?
手にかけた人間だって、一生抱え込んで辛い想いをするじゃん。

それまで公正な目で事件を分析していた「部外者」深澤が隠蔽案を否定しないのも、いくら尊敬する先輩の叶わなかった夢を未来に繋げるためとはいえ、理解に苦しむ。あんなに頭脳明晰に(時には冷淡に)事件を解決しておいて。

「すべての謎が解き明かされた時、胸を打つ感動があなたを襲う……」とはいかなかった。
消化不良です。

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2017年04月25日

Posted by ブクログ

やる気のない運営が目立つ水族館を変えた1人の職員がいた。彼が深夜の水族館で1人謎の死を遂げてから3年後。
3年前のことを彷彿とさせるかのように水槽に何者かが攻撃を仕掛けてくる。職員の動きを狙い澄ましたかのように起きる、それでいて水槽内の生物には大きな痛手のない絶妙な攻撃。職員の中に動揺が広まる中、ついに殺人が起きる…

水族館の背景が細かく設定されていて、それが事件の内容にも関わってくるのでその描写が巧みだな、とまず感じた(「チーム・バチスタの栄光」のように、専門的知識に基づく作品は私の中で評価が高くなる)。
というより、トリック云々より頭に残るのはそっち。

話が進むにつれて心理戦が展開され、までは閉鎖空間系ミステリのある意味お約束、だけど、心理戦と真相とその後の展開が若干斜め上を行かれた、な感じ。
思惑がかみ合わない結果事件が起きた、としかならない真相は、「実は誰も悪くなかった」という雰囲気に見せかけながらも決してそうではない読後感を残すし、恋愛模様が行動に繋がってくる人間関係も場面場面でうーん?なところも。
(「オリエント急行殺人事件」パターンに見せかけた亜種?)
死んだ人が成し遂げられなかった夢を誰かが引き継ぐ、という、一見ロマンがあるはずのテーマがすごく腑に落ちない描かれ方をしている。
帯にある「感動」という言葉は、どうなんだろう。これ、素直に「感動」出来た読者はどれくらいいるのか。

…感覚的には「地上の星」をBGMに「プロジェクトX 水族館に懸ける男たち」みたいな視点で読む、感じ、なんだろうか…?

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2017年08月22日

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水族館で働く職員たちの展示や企画への工夫が興味深く、水族館に行きたいなという気持ちになりました。
作者らしいと思われるクローズド・サークルの作成や、論理的な考察など概ね楽しめたのですが、いくらフィクションとはいえこの結末は・・・。
「ホントにこれでいいの?」と言いたくなるような、釈然としないものが残ります。

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2016年02月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

水族館を舞台にしたクローズドサークルミステリー。

相変わらず読みやすく、この作家らしい雰囲気も満載で面白いが、アイルランド同様出てくるキャラに感情移入はしずらい。

これもこの作家の個性なんだろうな。

今までと少し違う、というか違和感を感じるのは、殺人事件の真相があまりにも軽んじて描かれることだろうか。

人の死よりも夢の実現の方が大切なのだろうか?!という疑問が今でも消せないでいる。

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2015年04月21日

Posted by ブクログ

水族館という狭い空間内で組み立てられるミステリー
犯人捜しであります

館長宛てに届けられる携帯電話
そこに送られてくるメールには水族館内の生物に危害を加えるという趣旨の内容文が
攻撃される理由が不確定のまま職員たちの心の中に三年前に起きた事件が甦る
閉鎖寸前のこの水族館を復活させたカリスマ職員の事故死・・・・・・
三年前の事故と今回の脅迫事件の関連性、そして、犯人の狙いとは!!!!!!!

ってお話なんですけど

緊迫感が

薄ーい

迷路のような狭い空間で繰り広げられる姿なき、正体不明の脅迫者との攻防は外目にはミステリーファンにはとてもワクワクさせられる設定なのに・・・・・・

すべての謎が解き明かされたとき、胸を打つ感動があなたを襲う  【紹介文より】

って・・・・・・・・・・・・・・・・・

おーーーーい

恋人が死んでるんですけどー

こんな解決、完結で有りなの??

あとがきによるとこれが狙いらしい

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2014年05月30日

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ネタバレ

水族館の裏側で起きるある事件の話だが、
毎度人物と状況が限定的である点は石持作品らしい。


結末、そこんところ黙っていられる??と思ったけど、
満場一致なら仕方ない。

ボラは巻き添え食ったな〜

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2013年09月24日

Posted by ブクログ

帯の、「胸を打つ感動と美しい謎」は言い過ぎ。やっぱり人がなくなっているのだから、最後のみんなでお口を閉じるというのはどうかな。共犯者。謎解きまでは面白かったし、片山館長が目指していたもののスケールの大きさも想像して楽しかったが。締めは都合よ過ぎ。

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2013年05月07日

Posted by ブクログ

解説にて「甘い」という言葉が使われてたけど、確かにそうかも。
けど、いいお話だし、事件も面白かったと思います。
水族館に行きたくなりました。

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2013年02月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

水族館の話、としか覚えてなかったので再読。
読み始めて、ほんとに全然覚えていなかったことにびっくり。
物語としての整合性はあるんだけど、やはりちょっと非現実的な展開でもあるので、現実に引きつけて感動するというタイプの作品ではなかったということかもしれない。
水族館の裏側が垣間見られたのは興味深かったけど、やはり「一人で全部背負い込む」というのが無理があったかなあ。その夢の継承という展開はしかし、物語としては美しいとも言える。
この作品は白石持浅海なんだろうなあ。ラストがなんとなく清々しい感じになっていたので。
人が何を許して何を許さないかは、千差万別。なにに価値を置くかも人それぞれだという潔さも感じられる。
どの作品もそうなんだけど、石持浅海さんの価値基準は「世間」てやつからちょっとずれたところにあるんだなあと再認識。

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2012年09月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いやそこで警察に通報しないなんて、危機管理上ありえないだろ、隠蔽体質のDQN地方公務員じゃなくて、再生請負人のエリート館長設定なのに! とイライラしながら読んでいたら、館長が自らの旧悪を隠蔽するために警察を呼びたくなかったからだったので、リクツに合っていた。
(正義感が強いとされている、過去の殺人(というか害意はあったが殺意はなかったから傷害致死なのか??)の犯人のやったことは、正義感の発露というには、陰険過ぎて違和感ありすぎ。石持浅海の世界はいつも少し歪んでいる。
新たな殺人の償いが被害者の夢を継承することだなんて、ハグレならまだしも、(手を出したのは相手とはいえ)完全な殺意をもって犯行に及んだのに、償いなんて言えないだろ、と思うが、石持ワールドではこんなトンデモ処理は珍しくないから仕方ないか。きっと突っ込まれるの想定内だろうし。でも、それを解説(辻真先)が弁解するのは逆効果だと思う。
まあ大体この規模の企画を1人だけで形にしようと思うその発想がおかしいんだよ、片山も大島も。それぞれ事情があったって、ある時点で共有化しなければ絶対実現しないんだから。どう見ても共有化すべき時期を過ぎてるんだよ。
不思議なのは、予備水槽に浸かっただけなのに、予備水槽に髪の毛が浮かんでいる、ってとこ。ごっそり髪が抜けたってこと? なんかぽっかり鬘のように浮かんでる図が浮かんでしまった。2~3本抜けるとかならわかるけど、それをそんなに気にするなら、ほかの遺留品も気にしそうなものだし。ごっそり(大量のボラの死骸と同じくらい目立つほど)抜けたんならそう書いてよ。
いちばん突っ込んだのは、いつものように、誰それが頭がいいとかのコメントが頻出するが、視点人物がとろいので、そんなすごいかあ? あんたがボケなだけだろがっ、というところだった。

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2012年08月05日

Posted by ブクログ

私、水族館が好きでね。ひんやりした空気のほの暗い館内、そこだけ明るい水槽の中に群舞する海獣や魚の群れ。いつまで見ていても飽きないですよね。
この本は、閉鎖間際から立ち直り今は環境展示が人気を集める水族館が舞台。
3年前、不慮の死を遂げた片山の命日に、館長に届けられた携帯電話に送られてきた一通のメール。水槽への攻撃を暗示する内容に職員たちは見学者に悟られないように対応を重ねるが、次々と水槽は危険に晒され、そこからは片山の死が連想され、そして遂には殺人事件が起きて…、というお話。
近年の水槽の巨大化や自然に近い展示方法の進化をもたらした水族館の職員たちの努力など、水族館好きには興味深い話を背景にしながら話は進む。
私、石持浅海は「月の扉」に続き2冊目で、細かい設定や謎解きは理詰めでよく出来ていると思うのだけど、「月の扉」の飛行機内もそうだったように、事件の割には緊迫感が薄く、探偵役の推理に引っかかる蒔かれた種もいささかきれいに嵌りすぎ。
多分、作者はこの作品を、ミステリーでなくて水族館に思いを賭けた人たちの物語として書いたがため、中盤の丹念さに比べ最後はピースを嵌めるのを急いだかなぁ。
従って、結末はああいう終章で、内容も文章も表紙も良い雰囲気のお話なのだけど、殺人を夢が免罪したというところには大きな違和感。
貴子が水槽裏から出ていったところで終わったと思ったもんね。

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2020年03月21日

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