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Posted by ブクログ
漫画というより、哲学書みたい。
初読時は全く意味がわからなかった。
でも、なんとなく、今まで自分が読んできた漫画とは一線を隔したものだってことは解った。
それから、多分ちゃんと読み返したのは数回です。それくらい難易度が高く、内容も重く、漫画だけど漫画じゃないような。
やっぱりこれも70年代の作品。
天才といわれ、夭折された三原順さんの代表作です。
私なんかが感想を書いたり、点数をつけるなんてちょっとおこがましい、と感じてしまうような。
あー、何度も書いてるけど、どうしてこの時代の漫画って完成度が高くて傑作ばかりなんだろう。
この頃の漫画を読んで育った人はかなりIQとか高いと思います。
主人公は理由あって家出をした4人の男の子。
彼らの求めているものはきっと、誰もが普通は当たり前のように享受しているほんの小さな幸せ。
誰かに愛されて、自分が相手を想うその重さと同じだけの想いを返して欲しいだけ。
けれどそんな幸せすら、彼らの小さな手のひらからは滑り落ちていって、どうしても哀しさだけが後には残ってしまうのです。
傷が、ひらいて膿んでいくように、哀しみや不幸が彼らを襲い、それは少しずつ、でも確実に彼らを侵蝕し、それでも留まろうと、今度こそは得られると信じて幸せを求める彼らに、自分は一体なんなのだろう、と読んでいる私が次第に自問自答を繰り返すようになります。
未必の故意、とも取れる雪山での殺人の記憶に結局最後までとりつかれ、常軌を逸するに至るグレアムの心の内を綴った日記が描かれる行では、1ページ全てが文字で埋め尽くされるという前代未聞の衝撃的な漫画でもあります。
結局私はまだ、三原順がこの作品で描きたかったことの欠片しか理解できていないと思う。実際意味が解らない所だらけだし。
だからこれからも折を見て読み返すと思う。
内容は哲学的で、話も有体に言えば地味だし、喜びもなく、哀しさに溢れている作品ですが、主人公たちの生きてゆこうという強い意志と、ただ幸せを求めるひたむきさと、お互いがお互いを思う気持の重みとが、この作品の根底にはあります。
ずっと残っていく漫画がたとえば今この世の中にある作品の内たとえ1%に満たなくても、この作品だけは間違いなく、たとえ大きくは名を残すことにならなくても確実に、ずっとずっと伝えられてゆく作品で、伝えられるべき作品だと、思います。
全巻買ってしまった
絵を見ただけで無理と思ったのに…
最初は「なんて憎たらしいガキどもだ」と思いながら読んでたのに…
こんな漫画を描く人はさぞかし生きづらかったろうと思う。
自分が信じようと努力していたものが、根底から揺るがされるような衝撃を感じた。
Posted by ブクログ
最初は小さな短編のような形のスタートですが、それぞれが枝葉となって複雑に絡み合い、一つのストーリーへつながってゆきます。
10代で出会った当初は、私には難解でよくわからない所が多々…。
ところがこの4人のキャラクターと、その「よくわからなさ」と「深さ」に惹かれて何度も読み返すことに。
そのたびに、あらたな発見のある作品となりました。
『少女マンガ』のカテゴリーの中だけに収めてしまうのは、もったいない気がします。
Posted by ブクログ
人生の一冊。
本当に愛してくれる人を探しに4人は彷徨うが物語は思いもよらぬ方向へ。
自分自身を真っ直ぐ見つめようとする
番外編「愛しのオフィーリア」が本当に大好き。
Posted by ブクログ
頭がぐらぐらする、そんな衝撃。
今まで自分が読んできた漫画は何だったのかと…
「もういい!やめて!」と思わずにはいられないほどに突きつけられるそれぞれのキャラクターの過去、容赦のない現実。
それでもページをめくる手は止められないという…
まだ読み始めたばかりですが、四人の未来に少しでも明るい光が差し込みますように。それを願うばかりです。
Posted by ブクログ
人との繋がり方、信じること愛すること、他人と自分、人の善悪、真実、正義とは…etc 私たちに様々な問いを投げかけてくる。グレアムの、あの理屈を並べまくる台詞もかなり好き。一度じゃ理解しきれない。深すぎる作品。
理解しきれなかったことがわかったときに、自分の中で何かが変わる気が、新しい扉が開ける気がするのです。今はまだそれが何かはわからないけれど、この登場人物と共に追い求めるところにこのはみだしっ子という作品の魅力があるのではと思いました。
四人みんな大好きですが…終盤になるにつれグレアムへの愛しさが募りました。 彼の、真実を、本当を追い求めようとするところに共感して…
アンジーが一番お気に入りです。
何回でも読んで、自分の中の答えを出したい。
Posted by ブクログ
私の人生の教科書みたいな本である。キャラの誰に似ているかと言われれば暗くて考え込みすぎなグレアムだろうか?
弱者と強者、正義、大人と子供…そんなことについて考えさせられる。色々考えさせられて最後の最後で「オクトパス・ガーデン」を読むと泣きそうになる…そう、つまり「はみだしっ子」とはこういうお話である。
Posted by ブクログ
いちばん好きな漫画は何? と問われたら、たぶんこれかな。初めて読んだのは小学生だったか、中学生だったか。そのときは、とっつきにくい絵だし、ストーリーも難解だし、何が面白いのかわからなくて、まさか大人になってから、こんなに読み返すとは思わなかった。いまはパムやジャックやエドワードの気持ちもわかるようになり、読むたびに、自分の成長に合わせ、新しい気づきや発見がある不思議な作品。読みたくなるのは、決して元気いっぱいじゃないとき。何となく重苦しい気分のときに、さらにどよんとなりたくて、読む、というのが私のこの作品とのつきあい方。きっと80歳になっても読んでるような気がする。
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グレアム・アンジー・サーニン・マックスの4人組は、それぞれの家族を捨てて家出中。知らない人の家や宿を泊まり歩いて自由な生活をしている。
それぞれの家族を捨てた理由や、4人がばらばらになってしまうある事件のシーンでは胸が抉られる。
古い漫画のはずが、ストーリーが斬新。何回読み返しても新しい発見がある。この作者のほかの作品も読んでみたい。
文庫で全6巻
Posted by ブクログ
三原順の有名な作品「はみだしっ子」の一巻です。
私の人生に大きな影響を与えた作品です。
ひとつひとつのセリフを覚えるまで読みました。
一巻は登場人物4人の過去が明かされています。
なんでこんなに心を奪われてしまうのか・・・本当にすごい作品です。
Posted by ブクログ
これも人生をあっさり変えられた一冊。これに小学校のとき、古本屋で出逢ってさえ
いなければ、もう少し明るい少女に育っていたことでしょう。
当時読んでいたときはアンジーにどっぷり、でも30すぎた今はマックスが好き。しかし
グレアムは護られすぎているね!! とにかくグレアムがリアルすぎる。
あの映画音楽が静かに流れたままのようなエンディングは本当にトラウマで、
どんな映画のラストより哀しい。
なぜ人は永住しようとするのだろう? それは現在の私にもわからない。
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これも人生をあっさり変えられた一冊。これに小学校のとき、古本屋で出逢ってさえ
いなければ、もう少し明るい少女に育っていたことでしょう。
当時読んでいたときはアンジーにどっぷり、でも30すぎた今はマックスが好き。しかしグレアムは護られすぎているね!! とにかくグレアムがリアルすぎる。
あの映画音楽が静かに流れたままのようなエンディングは本当にトラウマで、
どんな映画のラストより哀しい。
なぜ人は永住しようとするのだろう? それは現在の私にもわからない。
Posted by ブクログ
この漫画をきっかけに、三原さんに嵌りました。
昔の少女漫画なだけあって絵柄もモロ睫毛バチバチングなんですが、描く内容はものすんごく深い作家さんです。
人間を色んな性質を深く抉り見せるドラマ構成に長けているというのか……。
偽善、とか、裏ッ側に強いように見えます。
普通の人達なんだけど、他者を想いやれない人達が一杯でてくる。
でもそんな環境だからこそ、愛されたいとかいう切実さがより鮮明になるっていうのかな…
すっごく色んな要素が複雑に絡まりあって身動きが取れなくなる人間が面白いっていうか……なんか上手く言えないや。
大体暗い暗い感じなんですが、物語なんで、ちゃんと夢の部分もあるんだよなぁ……そこにうるっときてしまう。
しかも社会的良心の拠ってたつところの曖昧さとかまで考えるところも越えてるなあ…と思います。
こんなことまで描いちゃう漫画家なんてそうそういないよ。
グレアムが好きです。
なんて歪んだ良い子ちゃんだww
よく漫画だと絶望だとかいう言葉が軽々しくでてきますが、グレアムの絶望は、本当に底が暗く見えるぐらいには深そうな説得力があります。
別に変な意味じゃなくても、アンジーが片想いしてるようにしか見えない。
それがめっちゃ可哀想で切ない……。
カッコーの話はもう最高。
「愛しているよ」という言葉と現実との行動のギャップが溜まらん。
突き放したような感じが凄い好き。
Posted by ブクログ
小学時代からから、中学時代にかけて、強烈に読み込んだ思い出の作品。
子供心に、映画のような感じでいつも読んでいた。
いまも尚、その感覚は消えない。
三原氏が亡くなったと知った日には、同世代の漫画家氏ととものに語り合い、さらに想いを篤くした。
氏の数ある作品のなかでも、「はみだしっ子」が何よりも好き。
4人はそれぞれの理由で親から離れ離された。
そして、様々な状況下で4人が出会い、共に過す日々。
クークーの章では、毎回泣かずにはいられない。
子供たちだけで過すなんて、ありえない、とか思ってはいけない。
読めばわかる。
ああ。
残念だ。
Posted by ブクログ
少年。
大切なもの。
愛するということ。
仲間。
家族。
関係のかたち。
幸せの意味。「家族」から孤立してしまった少年たちのお話。ちょっとばかし重いストーリーだが、ギャグ要素もちゃんと入っているバランスの良い構成。感化される。
Posted by ブクログ
こんなキラキラお目目なのに、内容は物凄く重いです。生きること、死ぬこと。愛のありよう。そんなことについて考えさせられます。美しい魂に触れられます。
Posted by ブクログ
ずっと気になってて、やっと読みました。親に愛されなかった子たちの話は色々読んだけど、この作品はこう育ったからこうなったっていうのがわかりやすく描かれているなと思った。
Posted by ブクログ
東京駅の丸善で注目作品扱いされてたので購入。こんな名作を今までしらなかったなんて、漫画好きとしてはずかしすぎる。児童福祉に明るい方はみなさんご存知なんだろうか、この漫画。
小さなコマの一瞬の子供たちの表情や、ひとつひとつのセリフにまで、何度もはっとさせられた。子供を持つことの意味を考えはじめ、その流れで自然と他人の子供や世界の子供が置かれた環境に目がいくようになってきたこの時期に出会えてよかった。
「ぼくたちの為のティーカップはなく、僕たちには手紙も来ない
気付くと笑いも忘れてじっとしている」
笑顔、空元気、おふざけ、悪態、反抗・・・いろんなやり方で寂しさとか辛さを耐えようとする子供の、そのなけなしの強さに甘えてはいけないんだと、何よりも自分を大事にすることが上手な大人は忘れてしまう。ということを忘れないように。
Posted by ブクログ
誰もが多かれ少なかれ感じたことがある、人間の善悪についての葛藤・自分に対する疑念と希望。
そういうことが書かれた本で、かなり面白いです。
作者が意図してやっているとのことですが、
詩的な表現や持って回った言いかたが多用されすぎて、とても読みづらくなっています。
そういう表現のマンガは結構好きな方ですが、これは軍を抜いていました。
おもしろいマンガなのに、そのせいで読み手を選ぶことになってしまっているだろうことが残念。