【感想・ネタバレ】砂時計のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

恐らく今までの例に漏れず不定期に小説誌に発表された短編を寄せ集めた作品集であろう、内容も怪奇小説、人情小説、はたまたエッセイめいた私小説などヴァラエティに富んでいる。
それらの作品に通暁しているのは透明な視線で描かれた抑揚のない文章。ただこれはけなし言葉ではなく、そういった文章であるのにも関わらず登場人物達の彩りが鮮やかであること。
特に紋章上絵師を主人公にした一連の作品群はもう縦横無尽ぶりの独壇場である。それ故、それらが最も印象に残ったことは云うまでもない。

ただ、不思議なのはいやに「死」を結末にすること。特に美しい女性に対し、その色が濃い。
これは、使い古された言葉だが、「滅びの美学」を泡坂氏が老境に入った今、如実に意識しているのではないだろうか。紋章上絵師として、奇術師として、そして作家として去り際は粋で美しくありたい、そういう願望が見え隠れしているように私は思えるのである。

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2020年02月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どうも、印象が薄い。キレイな作品なんだけど。こっちの方がいいのかなあ? この泡坂を最初に読んだら、そんなにはまらなかっただろうなあ。
泡坂の色恋モノは余り楽しくない。

一番印象に残ったのは「真紅のボウル」プロとマニアの奇術師の違いを書いた作品。客に見せることを第一とするか、自分の好きなのを第一とするかの違い。これが結局運命を左右し、生涯売れない奇術師で終わってしまうというストーリ。

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2012年02月07日

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