【感想・ネタバレ】旅の終りは個室寝台車のレビュー

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Posted by ブクログ

電車の旅というより「電車に乗る」エッセイ。18時間ぶっ続けで乗ったりする。
電車が特別好きというわけではないのだが、最後まで興味を持って読んだ。感覚がおかしくなってきて、5時間くらいなら私も楽しめそうかな〜と思えてくる。多分つらい。

毎回、藍色の小鬼の異名を持つ編集者が同行しているのだが、電車より車派なものだから
「どうです、汽車の窓から見る白根北岳もいいもんでしょう」
「中央高速から見るのとおなじですね」
と各所に笑える会話があるのがいい。そんな彼が徐々に電車に慣れていく感じもよかった。

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2024年05月26日

Posted by ブクログ

1982年~84年にかけて作者が、編集者と2人で鉄道旅をした記録。
旅といっても電車に乗るのが目的なので、毎回テーマを決めてかなり過酷な旅をする。
目的の列車に乗るために、その列車の始発駅までは新幹線や特急を使って行き、列車に乗り目的を達成した後はまた新幹線や特急で東京に帰ってくる。
日本の鉄道旅も捨てたものではない、と思わせてくれる。ただし40年前であるが。
北海道から九州までいろんな電車に乗るが、青森から大阪までの特急白鳥の旅が良かった。
青森に前泊して4時50分の始発に乗り、13時間かけて大阪まで乗り通す。乗客の特徴や人数、駅での待ち合わせ時間、景色などの描写があり、一緒に乗っている気になる。2人旅なので、会話もあるが退屈して昼寝したり、食堂車へ行って飲んだりそれでもまだ大阪に着かない。日も暮れて乗客がほとんどいなくなった18:25、大阪に到着した。そして目的を達成したので、その日の最終新幹線に乗って東京に帰っていくところがまたすごい。

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2022年06月09日

Posted by ブクログ

百閒「阿房列車」を読後に宮脇氏の本書を読むと、藍君がヒマラヤ山系君に見えてきて可笑しくて仕方なかった。藍君が持参したステンレス製魔法瓶の中身を「日本酒?」と聞いたり、列車の停車時間に駅弁を買いに向かいのホームまで走る姿はまさに山系君だ。哀愁を帯びた本書のタイトルから、暫くの間積読だった。著者の鉄道旅が終わってしまうような感じを受けていたからだ。路線の廃止、多くの長距離列車、寝台車の廃止など、ある意味で著者が好きな鉄道旅の終焉を平成の世に実感することになった。せめて今残っている寝台特急に乗りたいと思った。

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2017年09月03日

Posted by ブクログ

『中央公論』の編集長で作家だった亡き宮脇俊三さんの
鉄道旅の様子を描いた紀行集です。
もう今はない特急が多くて新鮮に映りました。
初めて宮脇さんの本を読みましたが、基本一人旅
なんですね。でもこの本は「藍色の小鬼」こと藍孝夫氏が
常に一緒でした。最初はつまんなそうにしていた彼も
だんだんと鉄道旅の魅力に惹かれていって変化していく。
これは藍氏の成長記でもあるのかもしれません。
ぐいぐい引き込まれました。面白かったです!

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2016年03月31日

Posted by ブクログ

ちょっと前に新刊で出ている!と見つけて購入。
宮脇さんの本は大分読んだ気でいたのですが結構色々な出版社から出していらっしゃるんですね。まだまだ読んだことない本あるんだろうなあ~と楽しみです。

それにしても飯田線往復はちょっと乗りたくないですが電車に一日揺られているって言うのもなかなかオツだなあ~と思いました。いつも思うのですが宮脇さんの本を読むと単線やローカル線が走っている辺りに旅に出たくなります。
まだまだ乗ったことのない線も多いですし!

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2010年05月20日

Posted by ブクログ

発売と同時に読んだが再読、やはり面白かった。
824列車 私も乗車したが長いとは思わなかった。
飯田線:著者が中島みゆきの曲を無理やり聴かされる場面が面白い、赤石山脈はじめ山、川、河岸段丘の描写は見事。
白鳥:見事な描写、山中温泉のパンフレットが笑える。

中央構造線の旅 こんな面白い発想で旅が出来るのか。人吉から吉松間は鉄道の好きでない人にとっても楽しめる区間ではないだろうか。ループ線、大畑(オコバ)、霧島連峰の全容が望まれる。この矢岳峠の景観、篠ノ井線の姨捨からの長野盆地俯瞰が車窓の白眉。路線復活の際には乗りに行きたい。最後の東京への帰路は特急はやぶさ。西鹿児島駅発が正午過ぎの12時20分。時代を感じさせる。

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2022年12月09日

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相棒の存在が良い。阿房列車の山系くんの味には及ばない気がするが、それは内田百間の凄まじいキャラ立ちのせいかな

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2021年06月07日

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こうして文章で書かれることで、昭和の鉄道旅行の様子が残っているのはうれしい。油の染み込んだ床、硬いボックスシートを思い出す。電車に揺られながら眠くなれば寝ちゃうような著者の力みのない淡々とした文章には、それでも不思議と旅情を感じるのだ。

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2012年07月22日

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宮脇俊三による、いわゆるためにする鉄道紀行の一作である。しかし、今尾恵介氏が解説で記しているように、藍君という非鉄道マニアで一風変わった編集者を同行者とすることで、自ら「ただ乗るために鉄道に乗る」という阿呆なことの魅力を面白おかしく表現することに成功している。
下記は、章立てである。

・ にっぽん最長鈍行列車の旅
・ 東京―大阪・国鉄のない旅
・ 飯田線・天竜下りは各駅停車
・ 東京―札幌・孤独な二人旅
・ 乗りつぎ乗りかえ流氷の海
・ 紀伊半島一周ぜいたく寝台車
・ 青森―大阪・特急「白鳥」七変化
・ 雪を見るなら飯山・只見線
・ 九州行・一直線は乗物づくし
・ 旅の終りは個室寝台車

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2011年01月29日

Posted by ブクログ

最終的には洗脳されて電車の旅に嵌ってる藍君、いいなぁ。
これだけ楽しそうに語られると、洗脳されるのも仕方ないです。

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2010年06月02日

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