【感想・ネタバレ】ファンタスマゴリアの夜のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

束井と永見、どちらも環境がゆえに大人びた子供だったけれど、大人になるにつれて子供の頃には表に出せなかった子供然とした感情が所々見え隠れしていて、それを文章で伝えられる砂原さんの文章力に脱帽です!
個人的には、妻田のその後がすごーく気になりました。あの艶ちゃんが慕っているくらいだから、ステキなヘルパーさんになっているんでしょうね!

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2016年05月24日

Posted by ブクログ

十年愛。幼馴染みものでシリアスよりの話でした。
主人公は、かつて一世を風靡するような人気の子役だった束井艶。しかし、人気絶頂だった時に悪意の策略で天窓から真っ逆さまに落ちて大けがを負ってしまい、そのことで汚名を着せられ、仕事も失い、親にも失望されて、一気に奈落の底へ突き落とされてしまった過去の持ち主です。
子供の悪魔な一面にズキッとさせられます。
ずっと天使でいたかった艶ですが、運命の歯車が狂いはじめます。

馴染めない学校生活を送る艶にとって、唯一の友人なのが嘉博です。痴呆気味の祖母のために亡くなった母親のワンピースを着てあげるような男の子。
直截的には決して言いませんが、嘉博の言葉の端々から祖母や艶に対する思いやりが滲み出ているのがわかります。
そんな嘉博から「好きだ」と告白された艶。でも、あまりにもお子ちゃまだった艶はどうしていいか分からず放置してしまい、そのせいで二人の関係もだんだん疎遠になってしまいます。

そして年月が経って、二人が再会した時天使だった艶はアコギな賃金業を営む身となり果てていて。

艶の今までの人生を考えると苦い気持ちがこみ上げてきます。
自ら好んで歩いてきた道のりではないけれど、実は自分が選んできたものに他なりません。
大瀬良をはっきり責めなかったのも、嘉博に本心を伝えなかったのも、親の仕事を継いだのも、すべて艶自身の決めたことなんですよね。
ちょっと歯痒かったですが、こんな風にその時には決断できないことって誰でも身に覚えがありそうです。
妻田や紅男への責任を考えると、仕事から逃げ出すわけにもいかなかっただろうし。

かなり過酷な人生を背負っていた艶。でも、離れていても拠り所となっていたのが、嘉博でした。
強がっている艶も、心が折れそうになった時には嘉博という存在に救われているんですよね。
嘉博はずーっと艶一筋だけど、そんな自分の恋心を押し殺して、いざという時に大切な人を守ろうとする包容力ある男です。ステキでした。
二人の関係はくるくると追いかけ追いかけられ消えたと思ったらまた現れる…まさにタイトルのようです。
恋愛面もじんわりくるものがありますが、何よりストーリー展開が光っていました。意外な展開にはっとさせられ、溜飲が下がり、ぐっときます…

薄暗い夜の世界から、二人で再スタートする姿に希望がほんのり見えるラストがよかったです。どんよりした味わいの話だったのに、意外に読後感がすっきりとして、甘い感じ。

Hシーンは少ないけど、萌えは充分。脇キャラが明るく盛り上げてくれるのにほっとさせられます。
イラストもぴったりです。

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2013年04月19日

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何度か読んでいても感想が書けない難しさ。
ただ、キャラの設定(女装・ゲイ・芸能人・金貸し)がてんこ盛りに関わらず、するっと不自然なく読めてしまうところに、作者である砂原さんの上手さが光る作品だと思う。

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2019年04月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 束井艶は幼いころ、キッズモデルとして活躍していた。
 けれど、とある事故からキッズモデルの仕事を辞めざるを得なくなる。
 そんな時に出会ったのが、雑貨屋にいた永見嘉博だった。
 決して女らしいとは言えない見た目の永見は、店番をしながらワンピースを着ていた。それを不思議に思う束井だったが、実はそれには理由があって……と。

 そんな訳アリの二人が出会って惹かれあって、離れて、再開してくっつく……という話でした。
 永見は早々に束井が好きだと自覚をしたけれど、束井はなかなか自覚ができなくて紆余曲折。

 そんな二人でした。
 男前の二人がお好きな方にはぜひ、オススメします。

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2018年09月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

朝のゴミ集積所で死体然として倒れているところをホームレスに発見されるというスリリングな出だし。
ファンタスマゴリア(走馬灯)をモチーフにして、時間軸を交差させながら過去の出来事が走馬灯のように巡っていく手法は見事。
子供時代、人気子役として名を馳せた束井。
自分に群がっていた人間達はほんの些細な出来事で手のひらを返して牙をむく。自分自身は何ひとつ変わっていないのに。言われもなく自分に向けられる憎悪。
チヤホヤしていた世間の論調が一転バッシングに転じるその呆気なさを、束井はなすすべもなく受け止めるしかなかった。
元人気子役は街金の社長へ。はたから見たら、束井の人生は面白おかしい転落人生だ。
アイドルになり損ねた夢を息子に託す母のため、会社がヤクザに乗っ取られそうだと息子に泣きつく余命わずかな父のため、この会社がなかったら生きていくあてもない従業員のため、束井の人生はいつも誰かのためだ。
その整い過ぎた要望がマネキンみたいだと揶揄されても、無表情で何を考えているかわからないと陰口を叩かれても、束井自身が何も感じていないわけではない。
そんな束井を、幼なじみの永見はいつもありのまま受けとめてくれる。時に露悪的ですらある束井の、目に見えない心の揺らぎをきちんと拾ってくれる。
束井はいつも最後には永見を求める。束井にとって永見は行き先を見失った自分への道標みたいに夜空にたったひとつだけ瞬く星。
その心の裏側にあるのが何なのか色恋沙汰に疎い束井はずっと気付けない。
小五の時に、お菓子のおまけみたいに脇へ放り出してしまった幼すぎる永見の告白を、今でも大事に胸の奥底にしまってある理由すらも。
永見がもう少し強引に踏み込めていれば…。束井がもっと早く自分の本心に気付けていれば…。10年超の両片想いにもっと早く終止符が打てたのにな~と思う。
ここまで壮絶な片想いをしていながら、初エチが超なし崩しだったのは個人的に残念。やっぱり幼なじみ10年愛は両想い後に満を持して…が醍醐味かなと勝手に思うww
束井を支える街金の専務妻田とのどこか親子めいた関係がすごくよかった。

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2014年01月14日

Posted by ブクログ

……嫉妬と執着は怖いなぁと。
結局そのことが昔も今も二人を結びつけることになったんだけれど、やっぱり怖い。そこばかりが心に残ったね。
この先はバカ甘に幸せになればいい!受けは嫌がるだろうけれどw
そして、全部読んでから表紙を見るとキュンってなるね。

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2013年09月08日

購入済み

あーれー

砂原さん作品の中でも評価が上位だったので期待しましたが、ううーんスイマセン私には全然響いてくるものがなかった。艶の個性が薄味すぎててインパクトに欠けたとゆーか、永見のとても何年も艶に想いを寄せてたとは思えない存在感のなさとゆーか、全体的に萌えなしでパッとしなくて所々読み飛ばしてしまいました。元子役の街金って意表を突く設定、面白そーだったのに残念。。

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2015年05月07日

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