【感想・ネタバレ】ヒトラーの防具(上)のレビュー

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Posted by ブクログ

居合いの剣でヒトラーを魅了し、護衛に選ばれた日独混血の駐在武官補佐官。だが、祖国・日本は、そしてもう一つの祖国・ドイツは彼の思いとは別の道を歩んでいた。第二次大戦下のドイツを舞台に描く、ヒューマン・サスペンス。

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2023年11月12日

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理性の眠りが怪物を育てる、第二次世界大戦のドイツを舞台に期待を裏切らない一冊。歴史と事実は違うからこそ、魅せられる。

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2017年05月07日

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ドイツ物だからなぁ・・・私の採点は甘い!だなんて思わないでくださいまし~。
本当に感動しました! 上・下巻に分かれているものの、あっという間に読むことができますよん。
戦争中のドイツの残虐な行為についても書かれていますし、それに対抗しようとしていたアンダーグラウンド組織のこともでてきます。もう涙・涙ですよん。
戦争の悲劇は人間を狂わせてしまうところですよね。
日本国家を背負って駐在している主人公のヒューマニズムはだまってはいませんでした。
しつこいですけど、満点をうなずいていただける作品だと思います。
著者である帚木(ははきぎ)氏は元精神科のお医者様。
初期の作品はお仕事柄か、精神医学ミステリが多かったのですが、作家を本業になさってからは広範囲のミステリやボーダー小説を書いています。
一貫してヒューマニズムや正義感をテーマに書かれ、悲しいかな、そんな人いるの?ってこともありますが、そういう人たちが現実にいて欲しいという望みが生まれ、読んでいてスッキリするところが大好きなんです。
今のところ、新作がでると必ず読む作家さんのひとりとなっています。
それにしてもこの剣道の防具、実存しているんですよ~。
いろいろな人の手に渡り、フランスにあったらしいのですが、今は日本剣道協会が保管しているそうです。見てみたいものです。

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2014年03月22日

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昔剣道をやっていたことがあり、表紙の剣道防具の絵にひかれて購入した本。
第2次世界大戦中のドイツで、日独混血の青年、香田光彦の、誇りを失わない力強い生き方に感動した。
戦争の愚かしさというものを改めて考えさせられた。

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2011年10月10日

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ベルリンの描写が素晴らしい。
ヒトラーという狂気の持ち主に翻弄されてしまったドイツ国民と
ベルリンという悲劇の都市、そして
誇り高く生きた日本人武官。
歴史の波に流されつつも、自らを貫き通した人々を讃える、
壮大な叙事詩である。
感服しました。

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2010年04月06日

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ドイツ物だからなぁ・・・私の採点は甘い!だなんて思わないでくださいまし~。本当に感動しました! 上・下巻に分かれているものの、あっという間に読むことができますよん。
戦争中のドイツの残虐な行為についても書かれていますし、それに対抗しようとしていたアンダーグラウンド組織のこともでてきます。もう涙・涙ですよん。戦争の悲劇は人間を狂わせてしまうところですよね。日本国家を背負って駐在している主人公のヒューマニズムはだまってはいませんでした。しつこいですけど、満点をうなずいていただける作品だと思います。
著者である帚木(ははきぎ)氏は元精神科のお医者様。初期の作品はお仕事柄か、精神医学ミステリが多かったのですが、作家を本業になさってからは広範囲のミステリやボーダー小説を書いています。一貫してヒューマニズムや正義感をテーマに書かれ、悲しいかな、そんな人いるの?ってこともありますが、そういう人たちが現実にいて欲しいという望みが生まれ、読んでいてスッキリするところが大好きなんです。今のところ、新作がでると必ず読む作家さんのひとりとなっています。
それにしてもこの剣道の防具、実存しているんですよ~。いろいろな人の手に渡り、フランスにあったらしいのですが、今は日本剣道協会が保管しているそうです。見てみたいものです。

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2009年10月23日

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ドイツ物だからなぁ・・・manaの採点は甘い!だなんて思わないでくださいまし〜。本当に感動しました! 上・下巻に分かれているものの、あっという間に読むことができますよん。戦争中のドイツの残虐な行為についても書かれていますし、それに対抗しようとしていたアンダーグラウンド組織のこともでてきます。もう涙・涙ですよん。戦争の悲劇は人間を狂わせてしまうところですよね。日本国家を背負って駐在している主人公のヒューマニズムはだまってはいませんでした。しつこいですけど、満点をうなずいていただける作品だと思います。それにしてもこの剣道の防具、実存しているんですよ〜。フランスにあったらしいのですが、今は日本剣道協会が保管しているそうです。

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2009年10月04日

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私の、初めての、帚木蓬生。
二次大戦中のドイツが舞台。
帚木蓬生の、歴史小説のなかでは、私的1番かも。

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2019年05月07日

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作品中にも出る「正義は弱者にある」そういう視点から書かれた小説です。
相変わらず帚木さんらしい抑えたれた丁寧な文体で、ナチスによる迫害や戦争の悲惨さが次々と冷静に語られていきます。声高でも押し付けでもないヒューマニズムです。
近年発見された日記という形式で語られるのも、リアリティを生み出すのに成功しています。そして、終わり方も上手く余韻を残しています。
やや冗長な感もありますが、「三度の海峡」と並ぶ作品だと思います。

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2017年11月16日

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 妻の薦めで読んだ。1938年,ベルリンに赴任した日本陸軍大尉の目から見た,戦争の一部始終。主人公は日独混血の青年。ヒトラーや大島浩をはじめとする日独の高官や一般の市民だけでなく,ユダヤ人・精神病患者等とのかかわりも深く,小説を通してナチスドイツの戦争を多面的に辿っていくことができる。
 上巻は,三国同盟成立まで。

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2012年10月01日

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現代ドイツで古い剣道の防具が見つかった。
その防具には「贈ヒトラー閣下」との文字が。
第2次大戦時いったい誰が、なぜ、防具をヒトラーに・・・?

なんて歴史ミステリーかと思いきや、その謎はあっさり解かれるw
期待した方向と違った製もあり、最初はイマイチかと思っていたが、歴史が動き始めてから一気に面白くなる。
変わっていくベルリンとそれを見続ける主人公。
ミステリとか深い人間ドラマとか期待しちゃうとあれだけど、当時のベルリンを一人の人間から見た記録なんて感じで読むといい感じ。

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2012年05月26日

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第二次世界大戦のドイツを舞台にした歴史小説。物語は戦後に日本からヒトラーに送られた剣道の防具を廃校になった大学の資料室にて発見することから始まる。当時のドイツがいかにして戦争に深入りしていく様を丁寧な描写で淡々と進めていく。派手な戦争シーンや外交上の緊迫感を緻密に書き綴っているわけでもなく歴史上も大物がメインででてもいないがなぜか引き込まれていく。この作者の作風なのかもしれない。上巻は破竹の勢いで勝ち進むドイツがパリを占領し日独伊の三国同盟を結ぶまで。下巻も楽しみだ。

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2011年10月26日

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元sex machinegunsのノイジーが読んでいるときき,
購入。こんなに分厚いのを彼が読んでいるとは・・・
失礼極まりないが,どうも結びつかない。
動機は不純,そして,厚い本を読む自分,かっこいい
みたいな。でも,読み進めると・・・

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

文庫本サイズで上下巻計1000頁以上の久々の大作だった。

巻末の謝辞から、日本からヒトラーに贈られた剣道の防具があったというのは事実のようだ。なんともワクワクさせられる出だしではないか。そこから着想し、主人公の日独混血の青年将校を生み出し、彼の目を通して見た第二次世界大戦中のドイツと日本の様子を描き出す。タイトル『ヒトラーの防具』(『総統の防具』から改題)に含ませた意味が本書の大いなる伏線であり、見事な点。

 著者の作品は初めて。医者である自分の立場から出てくるのであろう弱者への思いが繰り返される。強者の論理に振り回される弱者の立場を執拗に描くことで、「真理は弱者の側に宿る」(東郷大使、のち外相の言葉)ことを表現するのが本書の主題の一つであろう。あるいは著者の全作品を通じての主張なのでは?と思わされるほど愚直なまでに弱者の立場を描いている。主人公の兄、医者である雅彦が著者の思いを常に代弁していると感じた。

また、病気になぞらえた表現は的を射ていて面白かった。

「戦争を起こす前から、人々は狂気に染まってしまう。知らず知らずに、狂気という病原菌に感染させられ、周囲の誰もがその病に侵されているので、病識はなかなか生じにくい。」

「精神病患者の一日の食い扶持が4マルク、一般人のも4マルク、あるいは2マルク、というのはおそらく正しい。精神病院が600万マルク、普通の住宅が1万5千マルクというのもたぶん間違いなかろう。しかし、それらは互いに入れ換えができないものなんだ。心臓も肝臓も同じ内臓で、重さは比べることができるが、取り換えはきかない。心臓をなくして肝臓を二つにしてはその身体はもうおしまいなんだ」(中略)
「この類のまやかしは、世の中に多いものだ。効率にまどわされてはいかん。殊に、そこに人間の生命がかかわってきたときはなおさらだ。」

 在ベルリンの日本大使館勤めの武官としての主人公が第2次世界大戦へと雪崩を打って突入していくドイツの様子を、剣道の防具を介して知遇を得たヒトラーに近い立場で見聞きしていく。剣の達人で性格も温厚、日独混血という設定も良く、史実を踏まえて展開していく物語にリアリティを持たせながら周知の結末に向かって破たんなく進んでいく。剣士としての主人公とヒトラーとの会話も奥深い(著者も剣道経験者である)。

「日本刀で人を斬るとき、身体のどこの部分が一番大切だろうか」
「未熟な者は腕で斬り、少し上達すると背筋を使って斬ります。しかし達人は、足の力で斬ります」
「ほう」
 総統は香田の返答に満足したように、改めて微笑みを浮かべ、椅子から腰を上げた。
「戦争も、コウダ大尉の言う日本刀の使い方と同じだ。戦いは前線にあるのではない。ドイツの奥深いベルリン、さらにはわれわれひとりひとりの胸の中にある」

 大戦中のベルリン市内の描写も近年観た「サラの鍵」「誓いの休暇」「黄金のアデーレ」と言った第二次世界大戦もの、ナチス絡みの映画のシーンと重なる点も多く楽しめた。また昨今の第三次世界大戦に向かっていってしまうのではないかとう世相の中で読む、先の大戦前夜の人間の愚行を再認識するにはうってつけの作品だった。

 と、内容的になんの不満もないのだが、もう少し作者に文章力と、構成力、あるいはトリッキーな仕込みを思いつくだけの発想があれば、もっと面白い作品になったのになと、せっかくの題材と、人物造形力がもったいない気がした。
 おそらく取材もたくさんしたことだろう。ナチスに関して多くの資料もありストーリーの参考になったのだろう。そうした事実を詰め込みたいがためか、時折挟まれる兄からの書簡、拘留されたユダヤ人からの手紙、そして本人による手記で触れられる内容が、あまりに説明的すぎて興ざめる。戦況の悪化と共に次第に追い詰められていく主人公は「もうこの手記は誰にも見せられない」と記しつつも、万が一みつかることをまるで考慮していないかのように、あらゆることを書き尽くす。人と人との会話もそのまま再現する饒舌な筆致は「お前は小説家か!」と要らぬツッコミを入れたくもなる。
 章ごとに語り手が変われば見方も変わり時代が立体的に浮き彫りになり客観性が増す効果はある。ただし、それはその表現が適切であればだ。強制収容所送りになるユダヤ人が監視の目を盗んで娘に送る走り書きが数ページ渡り微に入り細に入りナチスの所業を書き連ねるなど凡そ現実離れしている。そんな書面を託される者、渡った相手のことを考えれば自分の無事を伝えるだけで精一杯なのではなかろうか。
 表現に幅とアクセントを持たせようとしているのだろうけど手法が巧くない。

 またヒトラーの防具が見つかった現在から過去を探っていく構成を採るが、プロローグとエピローグに”現在”が出てくるだけで、その間は主人公の手記が元になっているというだけの構成。もうひとヒネリ、なんとかならなかったかなぁ。もったいない。
 張られた伏線らしき伏線もなく、登場人物も、全員が見たまんまの人だったのも物語を平坦にしている気がしてならない。

 面白い取っ掛かりと、ナチス、ヒトラーという料理のし甲斐のある題材を活かしきれてない点が、最後まで残念でならなかった。

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2015年12月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

相変わらずの帚木ペース。現在から過去へと飛んだ話は、淡々と進んでいきます。
第2次世界大戦直前のドイツが舞台。
恋人が出てきたところは相変わらず…?

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2011年03月02日

Posted by ブクログ

内容的にはとても興味深いお話。

過去編?というべきところはぐいぐいいけます。

ただ、箒木さんの癖なのか、リズムがぶちっと現代に戻ってくるところが気になりだすと、ちょっと読み疲れてしまうのが残念でした。。。

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2010年06月01日

Posted by ブクログ

1938年、ベルリン駐在武官補佐官となった日独混血の青年。外見は西洋人でドイツ語も堪能だが、精神面は武士道そのものの日本人。

ナチスの台頭するドイツにあって、第二次世界大戦に向かってまっしぐらという時代の流れに翻弄されながらも、ドイツを等身大で眺める姿勢を貫き通すべく、残した手記。

悲しい結末が予想されるだけに、下巻を読むのは少々躊躇われるところがあります。

(2010/4/9)

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2010年04月14日

Posted by ブクログ

統一されたドイツで現地の人々に剣道を教えている駐在邦人。

そんな彼の元に旧東ドイツ地域の大学に昔の剣道の防具らしきもののがあるとの情報が入る。

そこで彼がみたものは・・・。

そんな書き出しで始まる第二次大戦中のドイツを舞台に繰り広げられるストーリー。

ドイツ人と日本人の間に産まれた主人公がその時代の中で何を感じ、どんな行動をしていくのかが淡々と描かれています。

現実と虚構がうまく混ざり合って、もしかしたらノンフィクションを読んでいる気にさせる作者はさすがだなと感心しました。
その分ラストシーンはもうちょっとかな?

第二次大戦中の日独関係が詳しく書かれていて、現実の歴史の勉強がてらに読んでも役に立ちますよ。

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2009年10月04日

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