【感想・ネタバレ】東雲(しののめ)の途(みち)のレビュー

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この「弥勒」シリーズは、絶対見逃せなくなってしまった。
麻薬のような、と言ったら語弊があるだろうか、読みだしたら止められない、それほど魅力的ということであるが。
毎月大量生産されている文庫書下ろしの時代小説(ほとんどが延々と続くシリーズもの)とは、確かに一線を画すこの小説を、「全体時代小説」あるいは「創造的な時代小説」と、解説者の高橋敏夫氏は書いている。
本屋の書棚にずらりと並ぶ「最近大流行の平板で紋切型の時代小説」を苦々しく思っている身にとって、解説者の言は、まさに言いえて妙であり、留飲の下がる思いである。
武士としてではなく、商人として故郷に帰り、大仕事を成し遂げた清之介が、今後どういう活躍をし、運命をたどるのか、そして岡っ引き伊佐治や、同心木暮信次郎が、どのように係わっていくのか、次回作『冬天の昴』
が楽しみである。

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2016年06月16日

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シリーズの中で、一番よかった!
清之介がすっごい気になってたので、
彼の視点で書かれたところがあったのは、
なんか安心できた。

伊佐治、いいわ~。

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2014年08月31日

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ネタバレ

相変わらず登場人物の表現が卓越していて、惹き付けられている。
個人的には、伊佐冶は、普通の人間なら知らずとも生きていける井戸の底のような暗闇を怖々と覗いている最もまともな一般人。
遠野屋は、伊佐次がのぞき込む暗闇の真っ只にながらも、たった一筋、細く差し込む光に向かって、必死で足掻いている非凡人。
には、この2人が対極のように感じられる。
そして、もう1人のキーパーソン、信次郎は数学で言うとX軸、Y軸に対するZ軸のような存在。そもそも次元が異なるのだ。
三者が互いを異なものと認め、どうしても分からない、混ざりあわない部分を持っているのに、どこかで期待し、信頼し、ひとつひとつの事件を通して関わり合っていく。
そんな彼らの人生の1ページを一緒に過ごしているかのような、そんな気分にさせてくれるシリーズだ。

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2018年03月09日

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なるほど、シリーズが大きく動いたのか、収束に向かったのか、まあ、今までで一番読みやすい本となったようです。登場人物の方向性がはっきり見えていたためでしょうか。
今回は遠野屋の話。ということは、次回作は……、と思いながら、どちらを中心に据えても、親分が話を進めていく素晴らしいバイプレイヤーなんだろうなと確信しました。
ドラマ化するなら、そうとう力量のある俳優さんでないといけませんね。
次回作を期待させる話の運びは、さすがであります。

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2015年07月28日

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東雲は全国で割と多くある地名で、私も近くに住んだことがある。本来、夜明け前の茜色の空を指し、これから成長していく期待が現れていると思うのである。
本題名は、さらにその前であろうか、東雲の途ということは東雲に向かっている、夜明けに向かっているのか、まだ東雲の状態の途中なのか、楽しもうと、ページをめくった。

町人風の男が殺害されるところから始まる。その男は武士だと木暮信次郎が見抜く、そしてその男は遠野屋清之助とどんな関係が・・・。
清之助の止まっていた時間が動き出す。
信次郎、清之助、伊佐治がそれぞれの味を出しながら、清之助の過去に迫る。過去を断ち切るには原点に戻ることなのかもしれない。それは心理療法の手法に近いものがあると感じた。

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2023年06月27日

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信次郎と遠野屋の距離がなんか縮まった気配のする4巻。
やっぱこの作品は長編が良い。
個人的にはダークサイド遠野屋が好きなので、その片鱗がチラッと出てきたのにゾクっとしました

2022.9.24
140

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2022年09月25日

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ネタバレ

遠野屋清之助が、乳母であったすげに、幼い頃に言われた言葉が印象深い。

「これから先、どのようなことがあっても耐えなされませ。清弥さまが生き延びていくためには、どのようなことにも耐えられる力を備えなければなりませぬ」「我慢に我慢を重ね、諦めに諦めを重ねることにございます。我慢し、諦め、生き抜いていくことでもあります」

そして授けられた守り袋。すげの故郷である山重の幾代にも渡る女たちの魂がこもった守り袋に導かれ、清之助は、己の過去に立ち向かおうと心を決める。

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2022年08月06日

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伊佐治親分、なんで旅に付いていくなんて口走っちまったんだろうって言ってるけど必然です。

伊佐治親分=読者なので。
奥様のおふじさん、素敵ですね。
奥さんには敵わない方がきっと幸せだと思います。

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2021年06月30日

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弥勒シリーズの第四弾。
今作では、小間物問屋の遠野屋が、ついに過去と正面から向き合って、逃げずに覚悟を決めた。
ここまで、ずっと暗く付き纏っていた不安感が消えて、とても気持ちよく作品の世界に入り込めた。
江戸を(信次郎とも)離れ、遠野屋と伊佐次が旅する様子も新鮮で、瑠璃の謎を解き、貧しい藩の活路を語る遠野屋が良かった。

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2020年12月11日

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回を追っても、面白さは増すばかりの弥勒シリーズ第4巻。
今回は遠野屋の過去が明らかになる。
ほぼ三人の男の周りでの出来事を追っているだけなのに、こんなに夢中にさせられるのは、三人のキャラがたち魅力的だからか。
木暮と遠野屋の関係が微妙に近づいた気がする。

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2020年03月10日

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内容(「BOOK」データベースより)
橋の下で見つかった男の屍体の中から瑠璃が見つかった。探索を始めた定町廻り同心の木暮信次郎は、小間物問屋の遠野屋清之介が何かを握っているとにらむ。そして、清之介は自らの過去と向き合うため、岡っ引きの伊佐治と遠き西の生国へ。そこで彼らを待っていたものは…。著者がシリーズ史上ないほど壮大なスケールで描く「生と死」。超絶の「弥勒」シリーズ第四弾。

令和2年3月3日~5日

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2020年03月05日

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あ~続きだ~。と入手。
気づけば、その次も。
このシリーズは好きですが、この人たちの後始末はどうするんだろう。
尻切れなければいいんだけど…。

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2018年01月06日

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シリーズ四作目。
これまでとは少し違って、信次郎はあまり出てこない。けれどそのぶん、遠野屋と伊佐治の事がいままでになく深く描かれている。
とにかく最後の数行にすべて持っていかれたような気がする。ひろげた風呂敷が、とてもきれいにたたまれた感じで、個人的にはとても満足した。

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2017年06月14日

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こんなに読みやすい時代小説初めてです。
後半やけにあっさり終わったような気もしますが、全体的には中弛みもなく終始楽しく読めました。
信次郎が気になります。
これを機に弥勒シリーズ読破したいと思います。

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2015年05月15日

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ネタバレ

なかなかにスピード感もあり面白いのだが、嵯波藩に入ってからの急転直下な終わり方が解せない。
もう少し読みたかったというのが感想。

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2014年11月19日

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遠野屋清之介が過去と向き合うため、岡っ引きの伊佐治とに自分の生国 嵯波藩に向かう。
清之介の過去という、弥勒シリーズの大きな謎は明らかになった。清之介はこれで過去と決別できたのか?
そうとも思えない。関わりを深くしただけとも思える。

この巻で小暮信次郎と伊佐治と遠野屋清之介の3人は絆を深めた。このあとどうなっていくのか。次の展開が楽しみ。

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2014年08月17日

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帰郷編。
信次郎のヒトデナシ度が神がかってきている。
これで清之介の方はひとまず大丈夫だろうか。

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2023年11月01日

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第四弾
惨殺された町人に扮した武士、兄の家臣の弟、腹から出てきた瑠璃の原石
遠野屋清之助は過去を忘れるのでなく、向き合うために故郷へ
乳母の出身地の山奥は、実際は隠れ切支丹の里、そして既に滅び去っていた
旧藩に新しき血を吹き込むために紅花の栽培と川運の整備を
此処で一旦区切りか?

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2022年07月01日

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弥勒シリーズのひとつの区切りとも言える作品。
清之助が己の出自を告白しそれに対峙して行く物語。信二郎の出番が少ない分だけ読後感は悪くない。

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2021年09月23日

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面白かったです
遠野屋の過去がメインでした。ミステリー部分が少なかったのは残念。
すこし物足りないくらいです

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2015年03月27日

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