【感想・ネタバレ】特攻の真意 大西瀧治郎はなぜ「特攻」を命じたのかのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

特攻の父と呼ばれた大西という人と、副官として仕えた門司さん、たたき上げで零戦特攻隊員の角田さん、を中心に、「特攻」について書いている。「特攻」の経緯など史実の解説や、インタビューから得られた門司さん、角田さんの「特攻」への関わり、思いや、8月16日に自殺した大西さんについて、事実と関係者からの証言などから、「特攻の真意」を導きだしている。

戦争に関する本、それも日本のものは、若い時からほとんど読んだことがなく、そのため、たまに読むたびに、新しい知識が得られて面白い。

"海軍の制度上、撃墜などの戦果確認には准士官以上の「見認証書」が、戦死者が出た場合はやはり准士官以上の「現認証明書」が要る。下士官兵搭乗員が敵機撃墜を主張しても、それを准士官以上が目撃していなければ単独戦果として認められず、准士官以上が最期を確認していない戦死者は、すべて「未帰還」または「行方不明」とされ、そうなると遺族への戦士広報も遅れてしまう。それだけ、士官、准士官には重要な任務が課せられているのだ。"
戦果を見届ける役割があるなんて全く知らなかった(よく考えてみれば、すぐに気がつくべきことだけど)。

”特攻隊員が敵艦に向かって突入し、目を見開いて、これで命中する、とわかったとき、幸せに胸をふくらませたであろう気持ちは、自分の経験に照らして信じています。ただ、これを戦後世代の人に理解してもらうことはむずかしいでしょうね。ほんとうに胸をふくらませるような、幸せな気持ちになったことがある人が果たしているのかどうか・・・"
という角田さんのことば。これは本当に違いない。

ただ、命中かなわず、撃墜された特攻隊員は、いったい、どのような気持ちで最期を迎えたのだろう。

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2014年11月01日

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