【感想・ネタバレ】ビジョナリー・カンパニー4 自分の意志で偉大になるのレビュー

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Posted by ブクログ

相変わらずすばらしい内容。特に今回は、南極探検のアムンゼンとスコットを例に挙げながら、完璧を目指した計画作りと、一定のリズムを守った堅実な企業経営の重要性を解く(他にも重要なプラクティスあり)。これは起業経営のみならず、どんな組織にも当てはまる重要なプラクティスだろうと思う。

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2018年10月23日

Posted by ブクログ

10x(テンエクサー)型リーダーの特徴
1、狂信的規律
一貫した価値観、一貫した目標、一貫した評価基準、一貫した方法をはじめ、徹底した「行動の一貫性」をします。
長い時間を経ても行動がぶれない。
2、実証的想像力
不確定な状況に直面するとき、科学的に実証できる根拠を頼りにする。自らじかに観察し、実験を重ね、具体的な事実と向き合う。
実証的な基盤をしっかりと築くからこそ、大胆で創造的に行動できる。
3、建設的パラノイア
良いときでも悪いときでもガードを崩さない。潜在的脅威や環境変化がないか監視するため、常に高感度なアンテナを張っている。
警戒心や不安をテコに行動する。最悪な状況を想定して日頃から準備を怠らず、有事対応策を練り、衝撃緩和の仕組みをつくり、安全余裕率を高める。
4、レベルファイブ野心
1〜3を活性化させるのがやる気を起こす原動力「レベルファイブ野心」。
自己を超越した大義を達成したり、偉大な企業に育てたりするのに不可欠な情熱である。


狂信的規律(20マイル行進)
良い20マイル行進の特徴
①明確な工程表
②自制心
③企業ごとの独自仕様
④他力本願ではなく自力達成型
⑤ゴールディロックス時間。無理がかからないほどゆっくり進むが、厳しさを伴うほど速く進む
⑥企業が自らに課す規律
⑦並外れた一貫性

財務的指標である必要はない。良い行進の特徴を維持している限り、創造的行進、学力行進、サービス改善行進などの行進形態があってもいい。
20マイル行進は自信を生み出す。どんな突発的ショックに見舞われても、20マイル行進を徹底する。
こうすることで「成果を出せるかどうか決定づけるのは、自分が置かれた状況ではなく、自分が打ち出す行動」であると自ら証明できる。
20マイル行進を実践すると、自分ではどうにもならない制御不能な環境下でも自制できる。

Q.H&Gにとっての20マイル行進とは何か?

実証的想像力(銃撃に続いて大砲発射)
10x型成功の要因は「銃撃に続いて大砲発射」であり、飛躍的なイノベーションや天才的予測能力ではない。
銃撃とは「低コスト」「低リスク」「低ディストラクション(気の散ること)」の3条件を満たす実証的テストのこと。
実証的な有効性を確認した上で大砲を発射し、そこに経営資源を集中させる。このように大きな賭けに出ることで大きな成果を狙う。
10x型企業は標的に命中しない銃弾を大量に撃つ。どの銃弾が命中するのかは事前に分からないからだ。
精度調整をしたにもかかわらず砲撃に入らないでいると、平凡な結果しか出せない。重要なのは銃撃に続いて大砲を発射すること。銃弾か砲弾のどちらかを選ぶということではない。
難しいのは厳格な規律と創造力をうまく融合させること。そのことで並外れた一貫性を持ってイノベーションを展開できる。大きく賭けて創造的に飛躍するというのは神話に過ぎない。

Q.H&Gにとっての「十分な銃弾」とは何か?

建設的パラノイア(死線を避けるリーダーシップ)
①前もって突発的出来事と悪運に備えるために、十分な手元資金を積み上げ「バッファー」を用意する
②リスクを抑える
 死線リスク
 非対称リスク
 制御不能リスク
③「ズームアウト」に続いて「ズームイン」。状況変化を察知し、効果的に対応するために徹頭徹尾用心深くなる
10x型リーダーはスピードに特別な思い入れを持っていない。リスクの性質(リスクプロファイル)が変わるまでの限られた時間を使って、用心深く厳格に判断する

Q.H&Gにとっての想定されるリスクとはどんなものがあるのか?

SMaCレシピ
具体的である(Specific)
整然としている(Methodical)
そして(and)
一貫している(Consistent)
SMaCレシピは永続性のある実践法一式であり、着実な成功を可能とする基盤になる。
レシピ内容は明確・具体的。
「何をやるべきか」「何をやってはならないのか」について明示しており、会社全体が一丸となって業務改善に取り組めるように作られている。
いったんSMaCレシピを手に入れたら、10x型k業はレシピをたまにしか変更しない。

Q.H&GにとってのSMaCレシピは何か。レシピ変更は必要か。

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2016年12月01日

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良い。希望が持てる。どんな嵐がこようとも、どんな不運に見舞われたとしても、それを理由に衰退・没落するのではない。嵐が来る前から嵐のことを案じ、運不運ともに最終的には良いきっかけになったといえる状態にするのは自分達自身だという事が立証された。ビジョナリーカンパニーは全て読んでいるが、最も好き。

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2016年08月17日

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『世界最悪の旅』というタイトルで新潮社ノンフィクション全集にも収められている、スコット隊とアムンゼン隊の南極探検の話が好きで、この本にもその比較の検討が載っていると知り、そこだけ読もうと思って読みはじめたんだけど、結局面白くて全部読んだ。

ビジョナリー・カンパニーは、1〜4まで刊行されていて、なにをもって「ビジョナリー」とするかは各刊毎にそれぞれ違っているという紹介が冒頭に出てくる。4では、『逆境で輝く』ということを "ビジョナリー" の1つの大きな特徴としている。

では、その「逆境で輝く」企業の条件とは何か?ということを、冒頭で上げた南極探検の2つの隊の比較をはじめ、多くのデータを用いて探っていくのが本書の内容となっている。
しかし、膨大なデータを集めて解析したものの、出てきた結論は結構当たり前のことをいっている。たとえば、「準備が本当によくしっかりとなされている」とか。


だから、この本の結論だけを読んでみると、「なんか当たり前のこと言ってるな」となるかもしれない。ただ、そこに至る経緯が面白い。

たとえば、冒頭であげた南極大陸の2つのチームの準備を比較すると、本当に、準備の練り具合が一目瞭然に違う、ということがわかったりする。
不幸にも帰還出来なかったスコット隊は、こうして後から客観的に書かれた読み物を読めば、誰でもわかるような致命的な準備不足を、しかも1つではなくいくつも重ねているし、南極に到達した上無事帰還したアムンゼン隊率いるアムンゼンは、準備に厳しく余念がないことが、やはり1点だけでなく多くの点にわたっていることが窺える。

他に、同時刻にエベレストの頂上を目指した複数のチームのうち、ゴールを達成したチームと不幸な結末を迎えることになってしまったチームとの比較分析もある。
また、九死に一生を得た人の体験を掘り下げ、分析し、個人においても「逆境で助かる」ことの条件を述べている。

こういった、本書の最終的な結論に至る "過程" に興味があれば、やや厚い本ですが、面白いと思う。

ただ、上述した南極探検やエベレスト登頂の悲劇について知りたい場合は、それぞれほかにも本がいろいろと出ているので、比較検討のうえ、どの本を読むか決めるのもよいと思う。

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2017年08月04日

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読み物としても面白くビジョナリカンパニーがどのような特徴を持っているかを実例や登山や冒険も引き合いに出しわかりやすく述べられている。
1作目から3作目との整合性についても触れられておりより理解が深まる。

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2014年10月31日

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自分の利益のためじゃなくっていう、自分の考え方は大丈夫っぽい。
あとは、行動を伴い続けられるかだなぁ。

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2014年10月22日

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不確実で容赦ない環境に置かれているとき、確実に負ける良い方法がある。付和雷同である。

20マイル行進を実践すると、「平均以下の成果しか出せない」組織から、「平均以上の成果を出せる」組織へ転換できる。「いまから20マイル行進を始めても遅すぎる」とあきらめる必要はない。あなたが生きていて、目標を達成する意志がある限り、いつでも20マイル行進を始められる。
第二に、「ネクスト・ビッグ・シング」を探し求めてもそれだけで偉大な企業になれるわけではない。たとえ「ネクスト・ビッグ・シング」を発見したとしてもやはり同じこと。

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2014年06月23日

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ビジョナリーカンパニーの第4弾。不確実な世の中を企業がどのように生き抜くかについてのエッセンスを知ることができる。人間の重要性がフォーカスされている。運の利益率に関する話題もあり、第1弾、第2弾を補完する内容になっていることが興味深かった。

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2014年03月11日

Posted by ブクログ

自分の意思で偉大になる。そのタイトルが意味するところは深い。
同じ水を飲んで蛇はそれから毒をつくり、同じ水を飲んで牛はそれからミルクを作る。
常勝思考 成功時は謙虚に。失敗から教訓を学ぶ。

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2013年08月15日

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やっぱりすごい本だ。いままで数年かけて1から3まで読み続けてきただけに、より深く理解できたし、コリンズさんの書きっぷりもわかっているので、相変わらず大変勉強になった。
圧倒的なデータから見いだされる論拠を特徴的な表現であらわすところは、ドラッカー後継者、ごもっとも。なかに、平行して勉強してきたブラックスワン理論があったり、そういうところもうれしいところ。

いろいろ引用したいメッセージはたくさんありましたが、下記。

イノベーション先駆者の64%が完全に失敗している。  中略
比較対象企業と比べても、イノベーションの面では突出していない。 中略
最低限のハードルである閾値を超えればそれでいい。 成功のためにはイノベーション以外の要素を組み合わせる必要がある。特に重要なのは、創造力と規律の融合である。

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2013年07月13日

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運はすべての人に同じ量だけ訪れる。だから、人がどのように行動し考えるかが大切である。運の利益率を最大にできるかどうかが偉大になれるかどうかを決める。最大にするためには、自分のエネルギー、時間を全て投入しなければならない。それは、自分の人生の全てを捧げるということ。

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2024年05月09日

Posted by ブクログ

運も含めて考察している部分が出色。3まで読んでいたので、ほぼ義務的に読んだが、引き続き面白かった。
いかにも学者本然としていなく、コンサルタントのエッセイ本っぽいが、よく指摘される通り巻末で示されるデータを見せられると、やはり立派な論文と思えてしまう。
10x型リーダーや二十マイル行進のようなフレーズも健在。造語・キャッチフレーズ化によって自分のペースで論旨を繰り広げるところは、もはや芸人の域だが、それらは的を得ていてイメージしやすいため、確実に本書の理解の助けになっている。ただし読んでいない人にこれらフレーズを説明しにくいのは難点か。

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2021年04月30日

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運は平等に訪れる。幸運が来た時に最大限の成果を出す。アクセルを踏む。
20マイル更新、良い時と悪い時も常に成長を続ける。

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2020年09月22日

Posted by ブクログ

私の教科書の1つである『ビジョナリーカンパニー② 偉大な企業になる』の進化版が本書。

レベルファイブリーダーをさらに超えた永続的な成長をもたらすリーダーを”10X型リーダー”と定義し、その主要な行動パターンを洗い出していく。

10X型リーダーが見せる主要行動パターンは、
1. 「狂信的規律」
2. 「実証的創造力」
3. 「建設的パラノイア」
この3点セットに命を吹き込むやる気の原動力が「レベルファイブ(第5水準)野心」

と定義づける。

本稿の中で参考になった新たな概念が、”SMaC”という概念。

それは、具体的で整然とした一貫レシピのこと。
SMaCとは、"「具体的である (Specific)」「整然としている (Methodical)」「そして (and)」「一貫している (Consistent)」の頭文字を使った造語。不安定で刻々と変わり、情け容赦ない環境であればあるほどSMaCである必要がある" と、企業が拠るべき具体的な指標で、しつこく追跡されるべき目標数値なのである。

ただこれではまだやや抽象的。そこで役に立ったのが、サウスウェストのSMaCである。

(例)サウスウェストのSMaC *本稿より抜粋
1. 2時間以内の近距離路線に徹する。
2. 10~12年にわたって主力機として中型機ボーイング737を使い続ける。
3. 航空機稼働率を高く維持する。ゲートターンは迅速に、できれば10分以内にする。
4. 乗客は我々にとってナンバーワンの商品。航空貨物や郵便物は運ばない。利益率が高く取り扱いコストが低い小包は例外。
5. 引き続き航空運賃を低くし、できるだけ多くの運航便を維持する。
6. 機内食サービスは手掛けない。
7. 他社との乗り継ぎなし、発券・空港税・コンピューター関連コスト。我々の空港は独特であり、他社との乗り継ぎには適さない。
8. テキサスがナンバーワン市場。需要が大きい近距離路線市場がある場合に限って州外にも就航する。
9. 家族と人間を感じさせるサービスと共に、楽しさを感じさせる雰囲気を維持する。
10. できるだけシンプルで行く。航空券の代わりに売上伝票兼領収書を使う。搭乗口で出発10分前にキャンセル待ちの客を搭乗させる。単純なコンピューターシステムを使う。「エグゼクティブサービス」でソフトドリンクは無料提供、搭乗口でコーヒーとドーナッツは無料提供する。全席自由席にする。乗客名簿はテープ録音する。航空機と乗務員を毎晩ダラスに戻す。本拠地と整備工場施設は1つだけにする。


このSMaCに自らがたどり着くことが重要であり、さらに重要なのはそれをしつこく追い続けること。結果に残るかどうかは、行動し、それをしつこくフォローし続けること以外に、結局ないのかな、というのが学びである。

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2020年01月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

P.96 なぜ一定のペースで成長しなければならないのか
これは一貫性の問題なのか。不確実な状況下であるから一定の規律を維持することが、成功の確率を高めるということか。P.102の記述をみるとそうらしい。一定の定量的な目標は文化や規律を維持せしめる。つまり、狂信的規律を具体化したものが二十マイル更新である
若干ドルコスト平均法的な雰囲気がある


・そのうち内容をクイズレットに入れようと思う。

読んでいると、
失敗した企業も10exer 的な行動を避けるという意味で共通性が見出せる。
では、なぜ彼らはそのような意思決定をしたのか。
一定の合理性に基づいて行った判断が破滅へと繋がっている。

両者は自身の合理性に基づいているという意味では同じなのだろうか。
それとも、自身の規律を自身の合理性以外を事由に変えてしまったのだろうか。

なんとなく、モデル企業の経営者は頑固そうだから、後者が理由になりそうだが。

企業ではなく、経営者に焦点を当てた研究があっても面白いかもなぁ。

ただ、内容は文句なく面白い。
事例が多くするする読める。

★マイナス1は、目からウロコ感がなかったから。
結構普通のことをみんなやっている。

それが難しいということなんだろうが。

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2019年06月22日

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今回は企業が偉大になる為の要素を、比較企業とともに分析している。
前作が、企業の衰退へ向かう流れを分析し自分の立場と照らし合わせ暗い気持ちになったが、今回は同じような企業でありながら偉大になって飛躍する
点にスコープがあたっていて、興味深い。

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2019年06月12日

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10X成長型企業の経営の在り方を紐解く第4弾。経験値を積み重ねていく中でいかに経営判断の精度を上げていく試行を小さく回していく習慣づけがあるか、がとにかく問われている様に感じた。継続的に新たな試行を繰り返すには、創造性と狂信的規律の両立が求められると。

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2018年12月27日

Posted by ブクログ

ビジョナリーカンパニーの4冊目。3冊目がでたのが2年くらいまえなので、かなり早いスピードだな。3冊目のなかでもこの本の話しがあったので、同時並行でプロジェクトをやっていたんだろう。
それにしても、このシリーズのスゴさは、実証の方法論的なソフィスティケーションと徹底的な調査を踏まえつつ、事前の予想、当たり前の結論とはかなり違う答えを見つけ出す事だ。
これは驚くべき事で、通常、調査を徹底的にやると訳が分からなくなって、調べなくても分かっていることしか言えないことになることが多いからだ。
今回は、先行きが見えないなかで、企業はどうやって成長するか、というのがテーマ。これは今自分が直面している状況にぴったりフィット。とても参考になった。
この本の答えは、外部環境とは関係なく、人間の意志によって、未来は創れるということ。
くどいようだが、こういう結論が、徹底的に実証的な研究からでてくというのは本当にスゴいことだと思う。

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2017年05月01日

Posted by ブクログ

不確実・カオス的な環境下に置かれながら、業界平均と比べ10倍以上の成果を長期に出し続けている企業である10X型企業がどのようにして生まれたのか調査結果を書いた一冊。

どんな状況下でも着実に歩みを進める20マイル行進、確実に精度調整済みの大砲を放てるだけの裏付けをとったり、リスクには直面しているが、それに対応できるだけのバッファーを準備していることやSMaCレシピをつくることなど前3作同様に著者ならではの表現で書かれており、非常に勉強になりました。
また比較対象企業としてアップルが挙げられていますが、スティーブ・ジョブズ以後の戦略についても解説されているところも興味深いものがありました。

本書では南極探検家のアムンゼンとスコットや登山家のデビッド・ブリーシャーズの話から各企業の話に展開しておりその点も理解が深まる一助となりました。
あと、巻末の訳者の著者とドラッガーとの比較も非常に興味深いものでした。

本書では前3作で紹介された概念との比較に関しては本書ではあまり出てこないのですが、SMaCレシピを守り抜くところや運に対する考え方は前3作に繋がるものがあるとも感じました。

本書の調査対象期間以後にも9.11テロやリーマンショックなど未曾有の出来事が起き、平穏な時代が永続することがない世の中で、本書を含む全4作の概念を守っていき、失敗してもそこから教訓を得て、そして自分の意志で偉大なる道を選ぶことが生きていくうえで重要であると感じました。

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2016年10月30日

Posted by ブクログ

VCの第4作は「不確実かつ不安定な環境下で偉大さを実現した企業の特徴」がテーマ。
シリーズの1と2と立て続けに読んだ時の衝撃があまりに大きかったため、その時ほどのインパクトはありませんでしたが、良書であることに違いはありません。

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偉大な企業(10X企業)のリーダーは、取り立ててリスク志向で大胆、創造的というわけではない。
イノベーションが成功の鍵というわけでもなければ、運に特別恵まれているわけでもない。

10X型リーダーの行動における特徴は、以下の通り。
1.狂信的規律:一貫した価値観・目標・評価基準を持ち、行動がぶれない。
2.実証的想像力:不確実な状況にある時、科学的に実証できる根拠に頼る。観察・実験し、事実と向き合う。
3.建設的パラノイア:常に最悪の状況を想定し、準備・有事対応策を怠らず、安全余裕率を高める。

それに伴い、企業が取る行動パターンは以下のようにまとめられる。
1.「20マイル行進」:状況が悪い時も良い時も着実に同じ距離を前進する
2.「銃撃に続いて大砲」:小さな実験を積み重ねてから大きな勝負に出る
3.「死線を避けるリーダーシップ」:常時「もしこうなったら?」と(ズームアウト、ズームインしながら)自問する
4.「SMaCレシピ」:具体的であり、整然、そして一貫した姿勢をとり続ける

これらの行動パターンの実行する上で不可欠となるのが「レベルファイブ野心」である。
人を魅きつける野心を持ち、世界を変革しようとする大きな目標を持っているリーダーであることが、混沌とした現代社会の中で秀でた企業になるための条件となる。

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成功の秘訣は環境でも、運でもなく、結局は「人」ということでしょう。
企業経営、起業だけではなく、VCシリーズは個人の生き方にも大きな示唆を与えてくれます。

4冊を一通りを読んでみて、各巻を評価するなら(好きな順番を付けるとするなら)「2>1>>>4>3」という感じでしょうか。1&2があまりにも良すぎました。

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2014年10月16日

Posted by ブクログ

どんな企業にも(そして、人生にも)幸運と悪運がある。
幸運を最大化し、悪運の影響を最小化するために必要なことは?を述べたほん。

突出した天才がいても、ただの天才で終わるパターンは多く、非凡な凡才が成功するパターンも多い。

なにをみて、なにを軸にしてコツコツやるかが重要であって、コツコツやることそのものに価値があるわけではない。

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2014年09月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

10X(テンエクサー)型企業とは
1、経営基盤が脆弱な状況でスタートし、不安定な環境下で目覚ましい成長を遂げ、15年以上に渡って株式市場平均や同業他社を凌駕した会社の事。

10X型リーダーは常に不確実な状況におかれている事を認識している。外部環境は彼ら自身に大きな影響を与えるとはいっても、自ら外部環境を制御できないし、将来的にどう変わるかも予測できないと認識している。これが「制御不能」。一方で、不可抗力や偶発的事象によって全ての結果が決まってしまうとも考えていない。自分の運命がどうなろうとそれについては全面的に責任を負うつもりでいる。つまり、自分の運命を制御するのは自分であるという事。これが「制御」。

10X型リーダーが見せる主要行動三パターン
1、狂信的規律
一貫した価値観、目標、評価基準、方法をはじめ、徹底した「行動の一貫性」を示す。組織管理、統制、画一的評価、権力追従、社会制約の維持、官僚的規制の遵守とは異なり、精神的な独立性を求める。時として、体制に従わない型破りな行動と同義。

2、実証的創造力
自ら直に観察し、実験を重ね、具体的な事実と向き合う。実証的な基盤を築くからこそ大胆で創造的に行動できる。

3、建設的パラノイア
最悪の状況を想定して日頃から準備を怠らず、有事対応策を練り、衝撃緩和の仕組みをつくり、安全余裕率を高める。

この3点セットを活性化させるのが、レベル5野心。自己利益の拡大ではなく、大義などの大目標を達成させたいと思う気持ち。



20マイル行進
晴れの日も雨の日も20マイル行進を続ける事。
20マイル行進を実践するには長期に渡って並外れた一貫性を保って「工程表」に準拠しなければならない。ここでは、厳しい状況下でも高い成果を出さなければならない苦痛と、快適な状況下でも自制しなければならない苦痛がある。

20マイル行進の7つの特徴
1、明確な工程表
2、自制心
3、企業毎の独自仕様
4、他力本願ではなく自力達成型
5、ゴーディロックス時間-無理がかからないほどゆっくり進むが、厳しさを伴う程早く進む。
6、企業が自らに課す規律
7、並外れた一貫性

20マイル行進は財務的指標である必要はない。良い20マイル行進の特徴を維持している限り、創造的行進、学力的行進、サービス改善行進などの行進形態があってもいい。

どんな困難な道のりを歩んでも20マイル行進を徹底する事で自信が生まれる。成果を出せるかどうか決定づけるのは自分が置かれた状況ではなく、自分が打ち出す行動である事を証明できる。

20マイル行進を怠ると、逆境下に対応できない。実践していれば制御不能な環境下でも自制できる。

20マイル行進はいつでも始められる。

20マイル行進の実践者は不安定な環境下で有利な状況を築くので、世界が混乱すればするほどその必要性が高まる。

成長の極大化追求と10X型成功は逆相関関係にある。比較対象企業は好況時になると成長の極大化に走り、予想外に環境が悪化すると無防備な状態で悲劇に陥る。10X型はいたずらに成長を追求せず、環境悪化を前提に準備し、用心を重ねる。

あなたの20マイル行進は何?15-30年に渡って、一貫したペースで着実に進むと公約できるものは?



10X型成功を浮き彫りにするのは、飛躍的なイノベーションでも天才的予知能力でもなく、「銃撃に続いて大砲発射」する事。

銃弾は「低コスト」「低リスク」「低ディストラクション(気の散る事)」
の3条件を満たす実証的テスト。実証的有効性を確認した上で大砲を発射、経営資源を集中させ、大きな成果を狙う。

先ずは標的に命中しない銃弾を大量に撃つ。どの銃弾が命中するのかわからないからだ。その後、当たったところに大砲を打ち込む。銃弾を撃つ前に大砲を撃ってはならない。

銃弾を撃ち、精度調整したにもかかわらず砲撃に入らないと平凡な結果に終わる。

企業買収は銃撃としても有効。

厳格な規律と創造力を融合させる事。規律が創造性を阻害してはならないし、
創造性が規律を阻害してもならない。並外れた一貫性を持ってイノベーションを展開する。

イノベーションは閾値だけは最低限達成させるが、それ以上のイノベーションにあまり意味はない。



建設的パラノイアの主要3手法
1、不測の事態に備え、十分な手元資金を用意する事。10X企業は一般水準に比して3-10倍も現金比率が高い。

2、「死線リスク(企業をつぶすか、深刻なダメージを与える)」
「非対称リスク(ダウンサイドがアップサイドよりも大きい)」
「制御不能リスク(自力で管理、抑制できない不可抗力に直面する)」を抑え、「時間軸リスク」を上手に管理する。

3、状況変化を察知するズームアウト、ズームインを行い、用心深くいる。
状況が急変したからと言って思考や行動面で規律を放棄せず、迅速、厳格な判断に向けてズームアウトし、迅速、完璧な行動に向けてズームインする。

あなたの会社が直面する最大の脅威や危機を考えると、リスクの性質が変わるまでにどのくらいの時間があるか?



SMaCとは、
Specific、、具体的である
Methodical、、整然としている
And
Consistent、、一貫している
の造語。SMaCレシピは永続性のある実践法一式であり、着実な成功を可能にする基盤。内容は、「何をやるべきか」「何をしてはならないか」が明示されており、会社全体が一丸となって業務改善に取り組める。

SMaCレシピを開発、維持し、必要に応じてまれに変更する。
比較対象企業もレシピを持っていたが、レシピを厳守する規律に欠いていた。

レシピは数十年も持続する個別具体的な実践方法である事。一端入手したら、めったに変更させない。

SMaCレシピの作り方
1、あなたの会社が達成した成功例をリストアップ
2、あなたの会社が経験した失敗例をリストアップ
3、失敗例ではなく成功例と関係している具体的実践方法は?
4、成功例ではなく失敗例と関係している具体的実践方法は?
5、これらのうち、10-30年にわたって持続し、多様な環境へ適用できるものは?
6、なぜこれらの実践法は有効なのか?
SMaCレシピは8-12項目で構成され、それぞれの項目がお互い補強し合うように首尾一貫していなければならない。

あなたのSMaCレシピは何ですか?



運の利益率(ROL)
誰にも等しく運(良い悪いに関わらず)は訪れる。本質的な問いは、「あなたは強運の持ち主か?」ではなく、「あなたは高いROLを達成しているか?」である。

「あらゆる状況を想定して準備しておけば勝利が訪れる。これを人々は幸運と呼ぶ。事前に必要な予防策を講じるのを怠れば失敗は確実だ。これを人々は不運と呼ぶ。」 ロアルドアムンゼン「南極点征服」より

幸運を浪費せず、ROLを最大化させる方法は、狂信的規律、実証的創造力、建設的パラノイア、レベル5野心、20マイル行進、銃撃に続く大砲発射、死線を避けるリーダーシップ、SMaCの実践である。

10X型のリーダーは過去の成功を回想する時、「幸運に恵まれた」と言うが、失敗した時は「運が悪かった」とは言わない。

ROLは、ROA, ROE, ROS, ROIよりも重要な概念である可能性がある。

最高の運は誰か?
良き助言者、良きパートナー、良きチームメイト、良きリーダー、良き友人を見つける運であり、あらゆる種類の運のうち、最重要な運。幸運の流れに乗る最良の方法は偉大な人達と一緒に泳ぐ事。あなたが命を懸けてもいいと思える人達がいる、あなたの為に命を懸けてもいいと思ってくれる人達がいる、そんな人達と
永続的で深い関係を築くという事が大事。

過去10年で大きな運イベントを経験した事があるか?高いROLを達成できたか?できたとしたら何故?出来なかったとしたら何故?ROL向上の為に何ができるか?

あなたにとって最高の運は誰ですか?

例えどんなに無秩序で不安定な世界にあっても、企業が真に偉大になるかどうか決定づけるカギは人間の手の中にある。人間に対して何が起きるかではなく、人間がどのように創造し、実行するかがポイントなのだ。


衰退の5段階の回避方法
第一段階(成功体験から生まれる自信過剰)の回避方法は?
建設的パラノイアでおり、すぐそこに危機が迫っていると心配する。

第二段階(規律なき規模の追求)の回避方法
20マイル行進を実践し、精度調整なしの大砲を控え、SMaCレシピを厳守する。

第三段階(リスクと危うさの否定)の回避方法
酸素ボンベ(キャッシュ)を大量に持ち込みリスクを抑制し、ズームアウトズームインにより死線を避ける。

第四段階(救世主にすがる)の回避方法
SMaCレシピを注意深く修正する。

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2014年05月28日

Posted by ブクログ

「20マイル行進」、「銃撃に続いて大砲発射」は最高に参考になる。ちょっと深堀したいなぁ。
これって、アジャイルとかリーンの思想と同じ源流なんだろうな。
もっと、早く読んどけばよかった。

-引用-
誰か一個人が10X型リーダーであるかどうかに注目するべきではない。チームとして一致協力することに集中すべきだ。20マイル行進を設定し、達成する。銃撃に続いて大砲を発射する。「死線をさけるリーダーシップ」の建設的パラノイアの基本手法を実践するSMaCレシピを堅持し、必要に応じて変更する。運と正面から向き合う高いROL、つまり高い運の利益率を達成するにはどうしたらいいのかと自問するのだ。

偉大なリーダーは、
1.勝利と同じくらいに価値観にこだわる
2.利益と同じぐらいに目的に執着する
3.成功するのと同じぐらいに役立つことに注力する
活力や規律は、最終的には彼ら自身の内側から生まれたものだ。どこか非常に深い内側から、である。

企業が真に偉大になうかどうか決定づけるカギは人間の手の中にある。たとえどんなに無秩序で不安定な世界にあっても、である。人間に対して何が起きるのかではなく、人間が何をどのように創造し、実行するのかがポイントなのだ。


高いROL(運の利益率)を実現するにはどうしたらいいのか。運イベントに直面したら、それまでの人生を棒に振る覚悟で全力疾走することだ決して妥協してはならない。

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2013年06月02日

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ネタバレ

企業価値を業界平均の10倍に成長させた勝ち組リーダーを
10EX-er(テンエクサー)と呼ぶ。

その3要素
1.狂信的規律 :行動の一貫性を保つ。
 長期にわたって自分の打ち出す行動により、
 「一貫性」を保って自社の「独自仕様」に基づく「工程表」に準拠し、
 厳しい状況下でも「達成」させる。
 良い状況下では「自制」する。

2.実証的創造力 :実証できる根拠を築き創造する。
 飛躍的イノベーションや天才的予測ではなく、
 「低コスト」「低リスク」「低拡散」の三条件を満たす実証的テストで大量に確認し
 失敗に学んでから、経営資源を集中させる。

3.建設的パラノイア :死線を避けるためい、最悪の状況を想定し準備を怠らない。
 確実に未来を予測するのは、不可能と認識し、
  「バッファー」を用意する。
  「リスク」を抑える。時間軸で管理する。
  「ズームアウト・ズームイン」で常用を察知する。

運で成功するのではなく、レシピに従って、自分の意思で行動する人が運をつかむ。

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2020年12月20日

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◼︎学んだ大切なこと
★今すぐ活かせそうなこと

第2章 10X型リーダー
・生真面目で洞察力に優れる10X型リーダーは、不平を言わずに「不可抗力に必ず直面する」「正確に先行きを予測できない」「何事も確実ではない」という現実を受け入れる。

◼︎10X型リーダーは主要行動パターン3点セットを備えてい
 1.狂信的規律
  一貫した価値観、一貫した目標など「行動の一貫性」を示す。まるで偏熱狂のように目標に向かって突き進む
 官僚的規制とは異なり、自ら目標に向かって進むこと
 2.実証的創造力
  不確実な状況に対し、社会通念や権威筋から手がかりを探らず、科学的に実証できる根拠を頼りにする。
  実証的な基盤を築くからこそ、大胆で創造的に行動できる。
 3.建設的パラノイア
  最悪の状況を想定して日頃から準備を怠らず、有事対応策を練り、安全余裕率を高める。
 ★レベルファイブ野心(第五水準)
  自己を超越した大義を達成したり、偉大な企業を育てたりするのに不可欠な情熱

10X型リーダーは、世界を変えたり、社会に貢献したりすることが原動力になっている。

◼︎第3章 20マイル行進
 ・長期にわたって並外れた一貫性をもって「工程表」に準拠する
  厳しい状況でも高い成果を出す。快適な状況でも自制する。
 ・特徴
   1.明確な工程表
   2.自制心
   3.企業ごとの独自仕様
   4.他力本願ではなく自力達成型
   5.ゴールディロックス時間(短すぎず、長すぎず)

第4章 銃撃に続いて大砲発射
 ・銃弾は「低コスト」「低リスク」「低ディストラクション「気が散ること」を満たす実験。
 ・10X型リーダーは何が実際に有効なのか検証するために銃撃に頼る。その後大砲を発射し、そこに経営資源を集中させる。
 ・標的に命中しない銃弾を大量に撃つ。どの銃弾が命中するのか、命中した銃弾のうちどれが成功するのか分からないから。
 ・精度未調整の大砲を発射すると大惨事となりかねない
 ・企業買収は銃撃としても有効
 ・創造力と規律を、併せ持つことが大切

第5章 死線を避けるリーダーシップ
 ・建設的パラノイアの主要3手法
  1.突発に備えるため十分な手元資金でバッファーを用意する
   特定の危機が起きる確率は1%かもしれないが、不特定の危機が起きる確率は100%近い。
  2.リスクを抑える
   最悪のシナリオは何か?
   死線リスク(企業に深刻な打撃を与えるもの)
   非対称リスク(損失が利益よりも大きいもの)
   制御不能リスク(自力でせいぎできない不可抗力)
  3.ズームアウトを続いてズームイン。状況変化を察知し、効果的に対応するために徹頭徹尾用心深くなる。

 ・状況を見守る時間があるならばそうする。

◼︎第6章 具体的で整然とした一貫レシピ
 ・SMaC
  具体的(Specific)
  整然としている(Methodical)
  そして(and)
  一貫している(Consistent)
 ・レシピ内容は明確、具体的。「何をやるべきか」「何をやってはならないのか」について明示しており、会社全体が業務改善に取り組めるよう作られている。
 ・環境にあわせて自ら変化するより難しいのは、
  1.何が有効なのか見極める
  2.それがなぜ有効なのか理解する
  3.いつ変化すべきか知る
  4.いつ変化すべきでないか知る

 レシピ作成
  1.あなたの会社が達成した成功例をリストアップ
  2. 経験した失敗例
  3.成功例と関係している具体的実践法は何か
  4.失敗例と〜
  5.なぜこれらの実践法は重要なのか

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2020年04月26日

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本文はすごく読みにくい.「狂信的規律」「実証的想像力」「建設的パラノイア」などよく分からない造語を使って我田引水的な論理を展開しているように見えて腑に落ちなかった. ところが,巻末のデータの分析手法の説明を読んで,ようやくどのように科学的分析を行い,考察に至ったかが分かり,やっと素直に話が入ってくるようになった. シリーズ4冊目となると書く側も読む側も暗黙の前提があるのかもしれないが,ビジネス書に対する典型的な批判「結果論じゃないの?」に対してちゃんと答えないのはイマイチ.

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2020年03月15日

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ネタバレ

不況だった
とか、
不運だった
とう要素に関係なく成功する企業がある。そういった外的要因の大きな変化も全ておりこんで準備したものだけが到達できる"偉大さ"についての話。

予測できない要素があるのは当たり前、良いときがあれば悪いときもあるのも当たり前。良いときに自分のキャパシティを越えて守備範囲を拡張しすぎない、良いときにこそ悪いときの備えを怠らない。

当たり前なのだけれども、それができる人とできない人がいるから大きな差がつく

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2016年04月09日

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・外部環境のせいにしない
・きたる不運に備える。人生不確定
・自分の意思で偉大になる

・一貫した価値観を持つ
・外部環境の変化に影響されない、マイペース
・常に備える、リスクヘッジを考える。動くと決めたら迅速に。アムンゼンのように準備を怠らない
・幸不幸は成功と関係ない
・大胆、未来を予測する力入らない。ビジョナリはいらない。未来を予測し備えよ、はうまくいかない。ビル・ゲイツはos2がうまくいくかどうかは自分に予測できないことを理解するほど頭がよかったからwindowsで成功した
・イノベーションは必須ではない。イノベーションが起きたときにそれをスケールさせることが大事
・死なないことは必須
・大砲を打つ前に鉄砲で低リスクで試してから大きく投資

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2015年10月01日

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偉大な企業とそうでない企業の違いは何か、という一貫したテーマを追求し続ける著者の最新作。より不確実性が増した今日の経営環境においても揺らぎない高業績を長年維持している7つの企業と、同業種・同環境において成功しなかった企業との比較により、偉大な企業(10x型企業)に共通する要素を新たに導出している。

本書によれば、突出したイノベーション力をテコに、果敢にリスクテイクし、猛スピードで突っ走るという成功企業のイメージは、実は一時的・限定的な側面に過ぎず、より長期的・多面的な分析から浮かび上がる真に偉大な企業は、むしろ強い自制や地道な実験、周到な準備などによって可能な限りリスクを最小化した上で、確実に勝てるゲームにのみ投資しているという。

ただし、単に保守的な経営が成功するということではない。守るにせよ攻めるにせよ、常に最適な行動ができる偉大な企業の根本にあるのが、本書の副題でもある「自らの意志」、つまり主体性である。偉大な企業は長年にわたり、どのような状況下でも常に主体的に考え、非常に高い次元において様々なトレードオフを解決し続けている。言われてみれば当たり前のように聞こえるが、結局のところ、偉大な企業をそう簡単に模倣できない要因はそこにあるのだろう。

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2015年06月07日

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一般論というより物語として読むことがよさそう

不確実な波乱が多い環境であれば、
狂気じみたぎりぎりのところで、
自分の考え・ルールを確固として持ち推進できる人・企業がつよいということかな

不確実な世界での生き方として読むと面白いかな
これら人・企業は世界に自分を合わせるのではなく、
自分が世界といいうことになるかもしれない。
私が目指す方向とは違う。

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2021年06月24日

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