【感想・ネタバレ】口語訳 遠野物語のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

一度は読んでおきたい「遠野物語」だが、なかなかハードルが高くて手が出ていなかった。口語訳本を古本屋で見つけたもの。原本との違いは分からないけれども、落下傘読みとしては非常に良いツールと思う。

この手の話にはもっとエロ的要素がある様に思っていたが、夜のような話は一切ないのがちょっと不思議。柳田国男のフィルターがあったのではないかしら?と疑ってみたり…

0
2023年01月09日

Posted by ブクログ

友達から贈ってもらった本です。
デジタルでハイテクノロジーで、事実に基づいた正確な(もしくは正確にみえる)情報が、常識の大部分を占めている今では、全く考えられないような奇譚が詰まっていました。とっても面白かった…!
山男・山女にしろ天狗や化けぎつねにしろ、人間ではない何かがこの世にいたとしか思えない物語ばかりだったけれど、今も遠野にいけば会えたりするのかな。
実際に相対するのは怖いけれど、理屈じゃ片付かない現象と共に生きる世界は、孤独ではないじゃないかなぁと思ったり。
成人年齢もそれなりに過ぎた今読むと、非現実的で幻想的なお話のようにも感じましたが、小学校のころなんかはこんな不思議な現象がもっと自分の身近にあったことを思い出しました。
彼等は今どこで何をしてるんだろう…
アイヌの伝承とも関連が深いようで、北国に俄然興味が湧きました。京極夏彦さんバージョンの遠野物語も気になってます。
また東北地方に遊びに行く前に再読したいです。

0
2022年02月20日

Posted by ブクログ

学生時代に民俗学の講義を受けてからというもの、遠野物語や、各地に纏わる伝奇伝承を調べています。
こういった民俗学のはしりとなったのが、この遠野物語です。
もっといえば...
子供の頃に「あこには行ってはいけないよ」とか「何時から何時のうちは、家から出てはいけないよ」とか、子供の頃親等から言われたことのない人は、いないと思います。
そういった感じのものを集めたものがこの本です。
何故そう言われるようになったのか、自分の地元のこと少し調べてみると、楽しいかもしれませんね。

0
2021年01月09日

Posted by ブクログ

知っている地名ばかり出てくるので遠野物語の時代から山は動かないんだなと思うと感動する。
掲載されている話はよくある東北の昔話だから、地元民としては懐かしい感じ。
鹿踊りのほめ唄はよく聞くアレなのか?とにかくもう一度読まなくては!

0
2020年07月03日

Posted by ブクログ

原文では理解しにくい遠野物語を口語訳で内容をわかりやすくしているのはとてもありがたい。
山男や天狗、狐、産鉄族、遠野に根付く神々にまつわる伝承が一つ一つ興味深く、「ありえないなんてことはない」という妖しげな浪漫に満ち溢れている。

実際、東北の山々は人間が知り得ない未知の世界が広がっているのでは?と感じてしまうほど広大で深く、明治期という近代にあってもこのような話が起こることに違和感はない。死者の霊や妖怪のような存在、神々への畏怖が背景にはあるはずであり、そういった意味でやはり民俗学は面白い学問だと思う。

遠野物語、イーハートーブ、吉里吉里人と独特の世界観を生み出してきたこの土地の摩訶不思議をぜひ読んでいただきたい。

0
2020年05月13日

Posted by ブクログ

遠野物語を現代人でも分かりやすく、楽しく読めるようになっている。原文もいいがこのように親しみやすい口語訳も重要だ。

0
2020年04月23日

Posted by ブクログ

さすがに原文をいきなりは厳しい。物語調の印象を崩さす、素朴な話が口語文で読める。とても読みやすいので読み通すには最適。脈絡があるようなないような不思議な話が多く面白かった。

0
2017年12月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

原作では普通の語りだったのを、遠野弁に変えていたと読後に知って驚いた。地の文を文語から口語に変えるだけではなく、そういうこともしていたとは。
解説で、遠野物語を柳田國男の手から遠野に取り戻す、とあり、そういうことかと思った。

今になって見れば何ともないようにみえる昔話だけれど、そこに出てくる人がどこの誰かということが分かっているということ、そしてそれを研究してきた人がいるということがすごい。
本書は本編だけだけど、これより長い拾遺があるとのこと。

0
2024年05月06日

Posted by ブクログ

[一言感想]
東北山中で体験した人と自然との間に起きる少し不思議なお話

民俗学の祖である"柳田國男"先生が東北遠野の言い伝えを"佐々木喜好"くんから口伝したものを編纂・現代語訳した一冊

今となっては考えられないと一言で片付けるのは簡単であるけれども、この本の魅力はそこでは無いように感じる

当時の人たちが自然に対して恐れながらも敬意を持って接してきたことが分かるだけでなく、村の人が体験した不思議な話を自然を介して説明している想像力が垣間見える、現代の日本人が離れつつある自然との距離を近づかせてくれるような一冊であると思う

0
2023年09月05日

Posted by ブクログ

口語訳にすることによって、遠野に生きる人々の息吹が感じられる。
そして身近な物語になり、山の暮らしの自然に対する畏怖、人智を超えたものに対する敬虔な気持ちなどが生々しく伝わってくる。

柳田國男オリジナルの遠野物語はしっかりとまだ読んでないが、文語調の格調高い文章を味わいたいと思う。

0
2022年12月20日

Posted by ブクログ

現代の遠野物語と称される「山怪」を先に読んでいて、遠野物語を読んでみると、確かに両者に共通して感じるところがある。
何ということのない話の一つ一つに、山の側で生きている人たちの生活を思い浮かべることができるところだ。平野に住む関東民にとっては新鮮な感覚だ。

遠野物語は「〇〇の家の××さんの話」などと存命の人が体験した身近な話を書いているから、よりナマの肌感覚があり、ありふれた話でも御伽噺とは違った奇妙な怖さを感じる。

0
2021年07月28日

Posted by ブクログ

言わずと知れた本作。なんとなく、「昔々とある男が〜」という話を想像していたが、物語の時期や登場人物の身元がはっきりとしていることに驚いた(5年前に〇〇家の長男(存命)が〜といったぐあいに)。
全話において起承転結が綺麗に描かれているわけではないが、それがある種の生々しさを顕にしている。東北という、大和政権の力が及ばない時代や村人たちの生活文化に柳田國男が魅了された理由がわかった気がした。
なお、最後の方の頁に遠野の地図が載っているのだが、これから読む人は是非、地図を見比べながら読み進めることをお勧めする。

0
2021年07月03日

Posted by ブクログ

本書は、民俗学者・柳田国男が発表した『遠野物語』を、岩手県遠野に生まれ、遠野市内の小学校校長を務めた佐藤誠輔(1928年~)氏が口語訳したものである。1992年に初版、2013年に改訂新版が出版され、2014年文庫化された。
柳田国男(1875~1962年)は、兵庫県に生まれ、東京帝大卒業後、農務官僚、貴族院書記官長等を務める傍ら、全国各地を訪れて民俗調査を行い、日本民俗学の祖と称される。
『遠野物語』は、遠野地方の民話蒐集家・小説家であった佐々木喜善により語られた遠野地方に伝わる逸話・伝承を、柳田が筆記・編纂し、1910年(明治43年)に発表されたもので、日本の民俗学の先駆けとも称される作品。その中には、ザシキワラシ、河童、神隠し、姥捨てなど、現代の我々もしばしば口にするキャラクターや事象が登場し、また、神への畏怖と感謝、祖霊への思いなどが通底しており、日本人の死生観や自然観が凝縮されていると言われる。
私は以前より、本作品を一度は読んでみたいと思いつつ、原本の文語体がハードルとなっていたのだが、今般たまたま口語訳の本書を見つけ、通読することができた。尚、本作品はその文語体に趣があると一般に言われるが、民俗学者・赤坂憲雄氏は解説で、「『遠野物語』の文体はいかにも特異なものだ。それは、柳田が周到な文体研究の果てにつくりあげた、いくらか奇妙な文語体であった。」、「『遠野物語』の文体は、遠野の語りの世界からはまるで隔絶したものであった」、「佐々木喜善によるいかにも訥々とした、遠野方言の語りをひとたび脱色し、消去したうえで選ばれた柳田の文体」と書いているのは、ある意味興味深く、また、会話文のみ遠野方言で表し、そのほかは口語訳した本書に、新たな価値を与えていると言えるのかもしれない。
いずれにしても、「日本人の死生観・自然観が凝縮されている」作品を知る上で、手に取り易い良書といえるだろう。
(2021年3月了)

0
2021年03月09日

Posted by ブクログ

日本民俗学の祖といわれる柳田國男の最も有名な著作。東北の山間の遠野地方に伝わる噂、言い伝えを集める。(柳田の創作という意見も?)日本人の内奥にひそむ山や川などの自然や死者に対する畏敬と恐怖の念を伝える。

0
2019年04月12日

Posted by ブクログ

原文が難しい遠野物語を口語訳していただいたお陰で読みやすく、同じ日本の国の話なのに異国の昔話のような不思議な感覚に陥ります。注釈がわかりやすく、かつ原文や柳田氏の考え方を尊重しているため臨場感があります。かなり読みやすいので、これから遠野物語を読んでみたいという人にはおすすめです。どんどはれ!

0
2016年09月19日

Posted by ブクログ

原典の『遠野物語』は1910年、のちに民俗学の祖となる著者・柳田国男によって自費出版されたものです。その文語体の文体の美しさが本書の解説でも素晴らしいと言われていまして、こうして口語体にすることで、面白みや美しさが損なわれてしまうのですが、それでも文意をわかりやすく伝えるべく挑んだ冒険作と評価されています。

「遠野」はアイヌ語が語源のようです。たとえば、「トオノ」の「トオ(トー)」は湖を表すのだ、と。アイヌは北海道のみならず、東北やロシアにもダイナミックに活動域を広げていたと、以前読んだことがあります。その痕跡をこうして身近に感じられると、遠い話ではないような気がしてきます。

さて。61ページのあたりなどで、いくつかの段に渡って語られるザシキワラシのお話はよく知られていると思います。それまで屋敷に宿っていたザシキワラシに逃げられた瞬間から、馬屋で大蛇が出て、主人に「そのままにしておけ」と言われたのを聞かず、下男たちが面白がっていたぶって殺してしまう。すると、馬草の中からさらに小さな蛇たちがわんさか飛び出してきて、それも下男たちがみな殺してしまう。そのあと蛇塚を作るのですが、相当な量の死骸があったそうです。それからまもなく、下男がみたことのないキノコを屋敷の敷地内に見つけ、食べれるかな、と話し合っていると、また主人が「やめておけ」というのを聞かず、おからといっしょに混ぜながら炒めれば食べられるなどという下男の中でも物知りとされている男の言葉を信じて食べてしまう。もちろん、一家は全滅。その屋敷の繁栄はあっという間についえたというお話がありました。これは、遠野物語といえば語られる代表的なお話のひとつでした。まあこの話は、下男の無知無教養が不幸につながっているわけですけれども。
明治時代の学者・南方熊楠がザシキワラシに対する解釈として、人柱で家の土台に埋められた男女の子どものに対する意識、あるいは彼らの霊だとした、という逸話も注釈に載っていました。人柱ってそんなにありふれた行いだったのでしょうか。ちょっと認識が揺らいできます。

個人的に好きな話が、143ページにある72段目のお話「子ども好きのカクラサマ」。雨ざらしになった、木彫りの神様の座像です。これを子どもたちがひっぱり出しては川に投げ、道路の上を引きずり、そのうちこの座像の目も鼻もわからなくなるほどおもちゃにされていました。この乱暴な扱われ方に一言言わずにおれなかった大人たちが、「そんなに乱暴にするもんでねえ。ちゃんと元のところさ返しておけ」と子どもたちを叱り、子どもたちは従います。すると、子どもたちを叱った大人たちは足が動かなくなるものがでたり、高熱を出して寝込むものが出たりなどしました。不思議に思って、ある者に拝んでもらうと、あの座像であるカクラサマがでてきてお告げをします。「この大人たちは、おれがせっかく子どもたちと、楽しく遊んでいたものをじゃましたがら、少し罰を与えておいた」。大人たちはお詫びをし、元の体に戻してもらったそうです。
木彫りの神様って昔はよくあったのかもしれないですね。余談ですが、木彫りの神様の座像と読んで思いだすのが木彫りの仏様の像でした。これらは円空や木喰らによるものが伝えられていますよね。このあたりもちょっと知りたくなってきます

また、明治29年の大津波の話も、さらりと語られていますがすごいです。38.2メートルの津波が三陸を襲い、日清戦争の凱旋記念花火大会に来ていた大勢のひとたちが全滅したりしたと注釈にありました。溺死者は2万2千人だそうです。2011年の東北大地震時の大津波をほうふつとさせます。

あと、とある峠のお堂の話にあるのですが、その壁に、旅人たちが、盗賊にあったとか、不思議な女とすれ違ったときにニコっと微笑まれたとか、猿にいたずらされたとか書き記していくのが昔からの習わしだと『遠野物語』にある。なんだか、「今も昔も」なメンタリティーですよね。こういう風俗・習俗の源流が知れるのはおもしろいです。

本書を読んで『遠野物語』の内容を知った後は、ぜひ原典にあたってその文体の調子から丸ごとを味わってほしい、というような願いが本書には込められています。昔の文語体で読むのは骨が折れそうでハードルの高さを感じますが、ちょっと余裕が持てたときなんかに、挑んでみたいです。

0
2024年05月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

やたら人が死んだり殺したりで驚く。遠野には生きているものにも死んだものにも、よくわからないものにも惹かれる魔力のようなものがある場所なのだろうか。

0
2021年08月11日

Posted by ブクログ

岩手県、遠野地方に伝わる昔話を集めた話。

どこか懐かしさを感じる昔話あった山男、妖怪、日本狼や不思議な話が語られる。彼らどこに行ってしまったのだろうか?

【柳田国男】
「日本人とは何か」その答えを求め、日本列島各地や当時の日本領の外地を調査旅行した、日本民俗学の開拓者。

0
2018年01月18日

Posted by ブクログ

『遠野物語』で検索したら沢山出てきたのですが、原典は私に理解できなさそうな気がするので、わかりやすい口語訳のものを選びました(あとがきには、原典の文体だからこそ『遠野物語』は素晴らしい、というようなことも書いてあったけど・・・)。
注釈が多く、それを確認しながら読み進めるのは最初面倒でしたが、一つ一つのお話は短いのでなんとかなりました。

『遠野物語』って昔話だけど、そんなに大昔のお話というわけではないんですよねぇ。
山男や天狗、河童や座敷わらしなどの存在が身近だった生活・・・。想像すると、不思議な気分になります。

0
2015年04月06日

「雑学・エンタメ」ランキング