【感想・ネタバレ】価値観再生道場 本当の大人の作法のレビュー

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Posted by ブクログ

思想家・内田樹、精神科医・名越康文、そして作家・橋口いくよの三人による『ダ・ヴィンチ』連載の鼎談を書籍化した一冊。(内田センセイの「思想家」という肩書きは初めて見たが、大学教授を退官されたからなんだな。)様々な話題に切り込んで、普段思っていても言葉にできないようなことを巧みな表現で表してくれるのは、気持ちいい。
取り上げられているトピックであちこちに出てくるのは「上から目線」「揚げ足とり」が頻繁に起きるソーシャルメディア上での言葉の使い方。内田センセイをして「ネット上の言葉がもつ断定性・攻撃性をどう抑制するのか、という問いに適切な処方を見いだせない」と言わしめる状況に、鼎談のトーンも一段と上がる。言われるまで気づかなかったが、内田センセイはブログとツイッターでは、一人称や語尾を使い分けている。これは確かにひとつの有効な対処方法なのだが、三人の鼎談ではそれを大きく飛び越えた「ツイートは五・七・五で」という意見まで飛び出す。しかも、それは冗談どころか説得力十分とくる。
そんな達人たちが繰り出す金言は、留まるところを知らない。おそらく科学的な根拠などないのだろうが、「言葉を飲み下す」「知性は贅肉のようについてくる」「愛の反対語は敬意」などなど、読めばいちいち頷いてしまう。その中でも、ワタシにもっとも響いたのは「男は老いてガランドウになるといい風合いが出てくる」という言葉。これには大いに納得。(大ブーイングが起きるのを承知のうえで敢えて言うと)ワタシ自身、脂っぽさが抜けてきてラクになってきたのは、きっとこのガランドウ化が順調に進んできている証左なんだろう。

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2018年11月24日

Posted by ブクログ

今まで自分の中でモヤモヤしていたこと、わからなかったけれどほったらかしにしていたこと、そこに真っ直ぐに向き合って下さるお三方の会話が心地よい。テンポ良い文章はもちろんのこと、わかりやすいようでどこか不思議さを感じさせる例え話に引き込まれる。帯の何倍も価値のある中身に思えた。むしろ、帯はいくらかチープな印象を受けた。

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2015年10月08日

Posted by ブクログ

敬意の贈与。

内田樹さん、名越康文さん、橋口いくよさんの3人による対談形式です。価値観再生道場という名前の通り、現代の人々の「価値観」について見直そうとしています。

個人的には名越康文さんは知性と個性が強すぎて、私の勉強不足ですが「何を言っているのか分からない」状態がありましたが、本書の筋で言うとそれが大切ということも書かれていました。


絵に描いたようなやる気のない定食屋さんがなぜ安心出来るのか
本当の豊かさとは何か
分かりやすさの必要性
バッシングはなぜ起きるのか
安心のはずの「定型」による負の連鎖
執着心
愛と敬意の違い

以上のような話が展開されていました。
それぞれの話で共通しているのは、最終章にある「愛と敬意」。
何かを「分かった」つもりになるから、人は偉くなった気分にもなるし、相手を馬鹿にしたくもなる。
分かりやすくしようとすることは良いことなのかもしれないけれど、分かったと思えば良いという問題ではなくて、もっと分かりたいと思わなくてはいけない。
何かを「分かった」と思うのは本当の意味では「分かっていない」という真理が導かれていました。

今は、「これが普通」って分かったつもりになって共通の理解のような定型を安心のためにつくろうとします。
しかし、これによって少しでもズレたら大炎上などを起こす火種となる。
安心したいために作った定型が、不安を生んでいるということです。


皆の中での何かが当たり前に働いていて価値観について触れることが少ない現在、反省した点いくつもありました。
私自身、ツイッターなどで周囲の人と同じように意見や思ったことを発信することに疑問を抱き、躊躇いを感じるようになってきて読んでみました。
少し反論したい話もありましたが、全部ひっくるめて私に大きく影響を与えてくれた1冊です。
本当に良い価値観って何かを考えなおしてみたいと思いました。

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2013年03月16日

Posted by ブクログ

3人の対談をまとめたもの。

・悪意は嫉妬からくるもの。嫉妬する人は「あいつは俺と条件は変わらないのにいい思いをしている」という風に相手と自分を同化していることがある。「似ている・近い」っていう感覚は危険。

・定型圧力の凄まじさ。あの中に自分の欲しいものがあるに違いない!よりは情報の中に欲しいものを見つけた方がまだ個性がある。

・愛と敬意は逆のもの。相手のことを知らないという前提であれば謙虚で寛容になる。完全に理解(同化)した気になるのは怖い。

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2018年12月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

軽い語り口ながら深い内容だった。
特に心に響いたことが3つ。

言葉の攻撃性を自覚する。自分の生命力を低める呪詛を吐かない。韻文や美しい言葉で祝福する。

ストーリー=筋立て。物語=物が語る。
ストーリーは人と人だけのもの。物語には運気とか山神、座敷わらしや、そこにたまたまあった机、食べ物、天気なんかが絡んでくる。
自分の中に物語を作ると言う事は、一見自己完結のように見えるけれども、実はそこに人以外のものが介入する、物が語りだすから、自己だけの解決ではないと言う。
執着や怒りを手放すには、感情→ストーリー→物語の昇華が必要。

わかったと思った瞬間に愛は歪む。わからないからわかろうとするのが敬意。

価値観再生道場シリーズらしいので他の巻も読んでみたいです。

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2018年12月21日

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テーマごとに読んだ。なるほど、世の中をそんな風にも見ることができるのかという発見がある。3人のテンポが心地よい。

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2016年05月18日

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右肩上がり の 幸福という
呪縛 から 逃れる 方法
自分が 何かして それに対して いろいろな人 から いろいろなかたちのリアクションが 返ってくる そういう 関係の中に いるのが 豊かさ という 事

同化し 一体化幻想から はじまり
嫉妬 バッシングに 繋がる
今の自分に満足していない
不満が ある状態だから
同化した 他人を 叩く
自分に 向けた 言葉

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2013年11月18日

Posted by ブクログ

上から目線、揚げ足を取る、人を叩く
そういう人が多い世の中で
取るべきスタンスはどういものなのか

3人での会話形式の文章がとても分かりやすく
すっとお腹の中に落ちてきます。
結果的に答えが出ない問題もありますが、
じっくり自分の中で考える良い機会になるかと思います。


上記のような 大人げない 人間にならないための
内容ではありますが、
そういう人たちに出会っても
自分を見失わないようにするための
応援-支援のような要素も感じました。


人間関係に悩む人にも良い本だと思います。

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2013年07月24日

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"愛"は危ない。いいものだと思い込んでいると、気づかず危ない方向に進んでいるかも?確かに執着心が強くなってしまうと、余計なことに嫉妬している気がする。そして、そんな自分が醜いことにも気づいてしまう。わからないこと、知ろうとしないこと、素直に敬意をもてたら楽しいだろうなぁ。

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2013年03月30日

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雑誌「ダ・ヴィンチ」での対談を書籍化した第二弾。三者三様のキャラクターで語る「大人の知的作法」。名越さんが終始興奮気味なのが微笑ましい。「ウチダ先生、こうですよね!?」みたいに食いつくと橋口さんが「それは、こういうこともありますよね」と落ち着いて受け、内田先生が「それはつまりね」と締める。あたたかい関係性が心地よい。いつもの内田節をちょっと軽やかに薄めた、ドリンカブルなライトビールのような一冊。とはいえしっかりとしたボディも感じます。

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2015年10月27日

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耳が痛みつつも苦笑しながらサクッと読めた。『声に出して読みたい日本語』的な感じで、繰り返しサクサク音読してみると、自然と知性という贅肉となってくれるのではないだろうか。そんな本。

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2014年06月22日

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不良は家を捨てるけど、やんきーはヤンキーは家族信仰。早婚は出身階層から抜け出させない一種の呪縛。なるほど…

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2014年04月08日

Posted by ブクログ

ここで書かれる「大人の作法」とは、"揚げ足を取らない体質" "攻撃的な言葉を回避する" "空間と仲良くする" など、ギスギスした昨今の世の中で気持ち良く暮らすための考え方のこと。対談方式の読みやすい文章で、中々含蓄のある内容が書かれています

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2013年06月21日

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