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ミステリだが、舞台は中世ヨーロッパのソロンという島である。そこで起こった領主殺人事件を謎解くというので、もっと小品をイメージしていたのだが、そうではなかった。
ソロン島を奪おうとする「呪われたデーン人」との攻防、魔術を駆使する暗殺騎士を追ってきた騎士と従士が抱えた過去、領主が呼び寄せた傭兵たちのやり取り。
壮大なファンタジー映画ができるのでは……。
戦々恐々としつつ、下巻に進みます。
読み終えた後の満足感
上下巻ありますが面白く先が気になりすらすら読めます。
どうなるかハラハラしながら、意外な結末に驚き、読み終えたあとの満足感もあります。
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魔法とか呪いが存在してしまったら推理小説として成り立たないでしょうと思って読み始め、魔法と呪いと推理モノが喧嘩せずに成り立ってるのにびっくり。流石……流石米澤せんせ……
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[1]剣と魔法の世界での殺人事件を推理するミステリ。という設定が楽しい。
[2]英雄は呪われしデーン人を敵とし、「暗殺騎士」に狙われ、背後にいるかもしれない黒幕に狙われ、そして死んだ。英雄の娘アミーナは誰が犯人なのか捜査する。観察と論理を重視する外国の騎士ファルクとともに。
[3]条件:暗殺騎士は魔術で他者を操ることができる。/操られた者は自然なこととして自分のとれる方法で殺人を犯す。/その後殺人者は殺したことを忘れている。/小ソロン島に夜間渡ることは、海上を歩くか飛べない限りほぼ不可能(ということはたぶんできる)。
■簡単な単語集
【アダム・エイルウィン】ローレント・エイルウィンの息子。アミーナの兄。ソロン島に住んでいる。読んでるとどうもデキのいい領主にはなれなさそうな気がする。
【アミーナ・エイルウィン】主人公の「わたし」。ソロン諸島領主ローレント・エイルウィンの娘。十六歳。英雄の娘らしくなかなか苛烈な性格のようで悲しみより戦うことを選んだ。新しいことがわかるたびにそいつが犯人かと思ってしまうタイプ。
【暗殺騎士】ファルクが追ってきたという敵。元来は魔術を使うサラセン人暗殺者に対抗するため医療系の「トリポリの聖アンブロジウス病院兄弟団」は戦闘力を持つことになったがまだ足りず同じく魔術を研究し使うようになったが一部が堕落しその技を政敵暗殺などに使うようになった。兄弟団はこれを駆逐することに決め長年闘い続けている。
【イーヴォルド・サムス】吟遊詩人。ローレント旧知の吟遊詩人、ウルフリック・サムスの息子。ローレントが探しているたいうバラッドを受け継いでいる。
【イェルサレム】聖地。異教徒に激しく責められている最中。
【イテル・アプ・トマス】ウェールズの傭兵。みすぼらしく見えるがどこか異様な雰囲気を持つ。弟のヒム・アプス・トマスを連れてきている。
【エイブ・ハーバード】エイルウィン家が預かっている唯一の従騎士。十八歳。
【エドウィー・シュアー】長くローレント・エイルウィンの従者を勤めた。死んだ彼の死体に異変が起こった。
【エドリック】ファルクが追っているという暗殺騎士。髪と眼の色はファルクと同じ。ということはたぶん…
【エルウィン家】ソロン諸島領主のロスエア。その娘で主人公のアミーナ。家令のロスエア。アミーナの侍女ヤスミナ。
【エルウィン家の屋敷】島では珍しい石造建築。地元産の石は建築物向きではない脆い性質のようなので他所から運んできたのだろう。複雑な構造になっていて迷いやすい。
【コンラート・ノイドファー】ブレーメンの騎士。三十前後。精悍で非の打ち所のない騎士だが曲者めいて見える。七名の配下を連れてきている。
【サイモン・ドット】島では最も上等な宿屋を経営している。酒と料理も出すので地元住民も来る。
【強いられた信条】暗殺騎士が使う魔術。他者を操る術。
【小ソロン島】ソロン諸島領主の館がある。ソロン島との距離は百五十ヤード(百三十七メートルほど)だが浅瀬が多くマードック以外では往き来できない。夜には潮が引いて浅瀬が増え潮流が速くなりさらに危険になるゆえ、客人はこの島から晩課の鐘(午後三時くらい)までに島を出ねばならない。吹雪の山荘系の密室ができますな。
【ジョン殿下】リチャードの弟。野心を抱いている。
【白い瘴気】暗殺騎士が使う魔術。顕著な特徴があり使われたことがすぐわかってしまうが即効性がある。
【スワイド・ナズィール】サラセン人の傭兵。小柄で子どもにしか見えない。魔術師(錬金術師)。巨大な青銅の人形を操る。
【ソロン諸島】「ソロン島」と「小ソロン島」からなる。
【デーン人】デーン人そのものは有能な航海者であり商人。デンマーク人のようだ。ローレントが警戒している敵は「呪われたデーン人」のようだ。多くの人はただの昔話だと思っている。不老で眠らず食物もいらず切っても突いても血を流さず首を切り落とさない限り活動をやめない。トーステンもその一人。
【トーステン・ターカイルソン】小ソロン島の塔に二十年間囚われ続けている呪われたデーン人。
【ニコラ・バゴ】ファルクの従士。小柄。赤毛。フランス語しか使えない。
【ハール・エンマ】女傭兵。東方の蛮族とされているマジャル人を名乗っていると自分で言ったので違うかもしれない。鮮やかな金髪。
【ハンス・メンデル】五十歳近い冒険好きの商人。丸々と太って優しげ。リューベックが本拠地。
【ファルク・フィッツジョン】巡礼風の男。イェルサレムから来たと聞いていたが本人によるとトリポリ伯国から来た聖アンブロジウス病院兄弟団の騎士。三十前後に見える。《警戒するのは悪くない。次は観察、そして論理だ。》上巻p.29
【ペトラス】騎士。
【ポール修道士】ソロン修道院の副院長。
【ボネス】マーティン・ボネス。ソロン市長。年季の入った仕立職人でもある。
【マードック】ソロン島と小ソロン島を往き来する唯一の交通手段である小舟の船頭。とても無口。
【マシュー・ヒクソン】エイルウィン家の唯一の守兵。
【ヤスミナ・ボーモント】アミーナの侍女。失敗を気にしないおおらかな娘。表情も豊かで人を幸せな気分にさせる。
【リチャード】現在のイングランド国王。現在十字軍を率いて遠征に出ている。
【リッターの暗い光】魔術の痕跡を浮かび上がらせるランタン。
【レベック】ヴァイオリンのような楽器か。イーヴォルドが抱えている。
【ローレント・エイルウィン】ソロン諸島の領主。アミーナの父。不屈の戦士といった印象。自分のためよりも街のために金を使いたいタイプ。《父の統治は間違っていなかった。領民は悲しんでくれている。》p.208
【ロスエア・フラー】エイルウィン家の家令。
【ロバート・エイルウィン】エイルウィン家の初代。アミーナの曾祖父。デーン人を追い出しソロン島をイングランドのものとした。
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SF要素を上手く組み込んだミステリーだと感じました。ファルクとニコラがホームズとワトソンのような探偵役になり、魔術を探知するものが事件現場の証拠集めとなったり、昔の技術を魔法で補い、上手くミステリーとして成り立たせています。
登場人物のページを見てカタカナが多く、人物が混ざり、理解に苦しむのではないかと思いましたが、そんなことはなく世界観にのめり込めました。
米澤穂信さんの小説であれば、この考えは杞憂でしたね。
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順当。
キャラクターは最初はなかなか入らなかったけど、証言を聞いてまわるうちに把握。
「ヴィンランド・サガ」のおかげで想像しやすかった。時代はめちゃくちゃ違うけど。
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ファンタジー世界が入ったお話は 、好きだと再認識した。魔術を使うその世界は万能ではなくて、戦いの場も複雑になる。殺人事件を追うにしても犯人を突き止めるのは、複雑化している。犯人がわかった時、こんな結末がが待っているとは思いもしなかった。また、伝説のようない言い伝え申し送りの現実化の驚きもファンタジーならでは。
面白かった。
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上巻だけでは、まだまだ序盤…ようやく主要人物を掴めたかなー。
きっと『走狗』は…とか想像しているけれど、どう展開するか楽しみすぎる。
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ファンタジーは米澤穂信では無いところで好きな分野だった為なんとなく後回しに積読していた。
読み始めるとちゃんとミステリー。
下巻の解説でハイファンタジーについて触れられているようなので、読後の楽しみの一つにしよう。
Posted by ブクログ
上下巻読んでの感想です
ファンタジー+ミステリーと聞いて読みたくなった
世界観も楽しかったし、謎解きも面白かった
そして少女と少年が新しい一歩を踏み出す話でもあった
ファンタジーはその世界のルールをインプットするのが手間取ったりする事もあるけれどこれは読みやすかったです
Posted by ブクログ
魔法×ミステリ。設定で既に楽しい。
話の展開はシンプルで淡々と登場人物や舞台設定などを紹介されるが、キャラクターや世界観が立っていて中だるみがない。
むしろ今後の展開を期待させる内容で、上巻としての責務を忠実に遂行している。
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片仮名の名前と登場人物の多さに怯んだものの、序盤も序盤で世界観に呑まれ全く苦にならなかった。
魔法や魔術のある世界でミステリーが成り立つのか、という懸念も基づく法則や規則の土台が精巧な為、アイテムの一つとして重要な要素だった。
下巻で解き明かされる謎に期待が高まる。
面白い。
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舞台は中世のヨーロッパ近郊の島 ソロン島
死んでしまうのは島の領主
探偵役は旅する騎士
ここまでは少し風変わりな推理小説ですが・・・
呪われたデーン人
魔法使いと魔法の道具
人を操る呪い
大分風変わりな推理小説の上巻です。
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14
こういう本格的なファンタジー読んだのって、ハリーポッター以来?それくらいカタカナの名前を覚えるのが苦手なわたしですが、こいつは面白いぜ、、
最初のプロローグからわくわくするの!
2019.02.24
Posted by ブクログ
最初はどうなるかと思いましたが面白かったです。
何しろミステリーだと思って読み始めたのに、魔術ですから・・・。
序盤はその世界観に違和感がありました。中世ヨーロッパが舞台なのは良いとして、
魔法有りで推理が成立するのか?
アリバイもトリックも何でも有りなのでは?
と、ちょっと腑に落ちない感じでした。
ところが登場人物たちがそんな感覚を吹き飛ばしてくれました。
舞台となったソロン諸島とその領主はいわく付き。
不老不死の「呪われたデーン人」に胡散臭げな傭兵たち。
謎解き役の騎士と従者も何やら意味深だし。
前述の違和感など忘れて引き込まれました。
領主殺害という事件の他、最後に密室の謎も提示されて、
その他伏線も含めてこの後どう収拾されるのか楽しみです。
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正確に書くと星3.9。
SFのようでありながら現実と続いてるような設定で、引き込まれた。よく調べられているなという印象をうけた。
終わり方も続きが気になる終わり方で、すぐ下巻を読んだ。
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他の米澤作品とは毛色が異なる中世ヨーロッパのミステリー。内容自体は面白く感じるが、下巻が楽しみというほど没入はできていない。何かフワフワした感じが強く、登場人物の誰にも思いが乗らないのかな…今後の劇展開に期待したい。
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おお〜、米澤穂信のガッツリファンタジーと思いきや
ガッツリ推理小説であった。
最後の謎解きで関係者まで集める王道ぶり
ただし、その内容は微妙
キレがない
残念
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ファンタジー×ミステリー
ファンタジーの世界じゃ推理なんて歯が立たなくない?って思ったら全然そんなこと無かった。
ラストで明かされる真実の数々に、うん、確かにって納得させられて気持ちよかった。
文面が、原作が海外小説のものに似てた?笑 言い回しの部分とか。
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謎のめくるめくファンタジィ。実在の時代(というか宗教というか……?)が魔術や騎士にはなやかに彩られている。とてもわくわくして読めた。ただ、美形が多いのが不服なのと、主人公含め女子の視点が少し足りない感じがしてしまうのとは、私の好みの問題なのだろうが、星を減らす一因になった。
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イングランドの近くにあるソロン諸島の領主が、深夜の屋敷内で何者かに殺害された。本島であるソロン島と小ソロンと呼ばれる島との間は、渡し船でないと行き来することができない。犯行は渡し船が運航していない夜中に行われたため、屋敷がある小ソロン島にいた者の中に犯人がいると思われる。
殺人事件が起こると、まずは動機がある人から疑うのが常だが(誰が一番得をするのかってこと、ポアロも言ってた)今回の犯行は『暗殺騎士』と呼ばれる魔術を使う者たちの仕業であり、実行犯はその魔術によって操られていたことが分かっている。つまり犯人には犯行動機はないということだ。
領主の娘であるアミーナは、暗殺騎士を倒すために旅をしているファルクとニコラと共に、父親を殺めた犯人を必ず突き止めることを誓う。
これは小ソロンという島が密室であるということから、犯人はかなり絞られてくることになる。犯人は操られているわけだから、娘のアミーナとて容疑者から外すことはできない。殺害現場の状況やアリバイなどから、犯人ではないであろう人を除外していくと。。。
ファンタジーでありながら、本格的な謎解きの物語。
犯人に動機がないため、状況証拠のみで絞り込んでいくしかないのだが、そのうちに行き詰ってしまう。全員が除外されてしまうからだ。
いったい誰が領主を殺害したのか。
んー。
今のところは全く分からない。小ソロンの塔に何十年も囚われている『呪われたデーン人』の存在も気になる。なんせその『呪われたデーン人』は、高い塔の出口のない部屋から忽然と姿を消したのだから。
この本のタイトル、折れた竜骨とは何を指すのかも気になる。
とにかく急いで下巻を読もうと思う。
Posted by ブクログ
魔法と推理 これらの相性はすこぶる悪いと思うのだけど、どうでしょう。
密室状態で街の領主が殺された!犯人は悪い魔道士に操られている!そして自分が操られていることを認識できず、自分の持てる能力と魔法を駆使して暗殺を成功させた。犯人は領主が作戦会議室にいたことを知っている者の中にいる!犯人は誰だ!
名前が覚えづらい フィッツジョンってなんだよ。
Posted by ブクログ
12世紀。イングランドにほど近いソロン諸島の領主は、デーン人の襲来に備え、兵力を固めようとしていた。その矢先の領主の謎の死。領主の娘アミーナは、宿敵・暗殺騎士を追って滞在していた騎士ファルクと共に犯人でもある暗殺騎士の行方を追う。ミステリーだけでなく、魔術も絡む独特の世界の中での捜査。ファルクの鋭い観察眼で様々な事柄が発見されるが、暗殺騎士への道筋は全く見えてこない。下巻へ。
Posted by ブクログ
お借りした本
ファンタジー×推理小説
上巻はだいたいの世界観と
各登場人物の背景説明が主
異世界の推理小説で言うとSFだけど
「破壊された男」を思い浮かべる(追い詰められる犯人側のパートはないけど)
科学が進んでいないので、呪いや何らかの迷信めいたものとして自然現象が語られていたり、科学を超えて魔術が存在したりする妙なバランスの中で探偵役の騎士が活躍します。
あんまり読まないジャンルですが
この作家さんを信頼していて下巻が楽しみ。
どうしてもアニメ版の「氷菓」の人物に置き換えようとする脳を押さえつけて読んでます。
世界観を登場人物の心の中に織り込んでる技(ある人の行動を見たときに、バチが当たらないか考えたり、その世界で信じられている一般的な考え方をする描写)がすごい良いです。