【感想・ネタバレ】森の思想が人類を救うのレビュー

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Posted by ブクログ

故梅原猛氏が探し求めた日本古来の思想を今こそもう一度深く考えてみるべき時ではないかと思う。「オワコン日本」などと言う人もいるが、今後発展していくアジアの中でも特有の文化や思想を持っているように思える日本はしっかりと研究すべき対象だと思います❗️

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2019年04月20日

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各地の講演録をまとめたもの。読みやすいが物足りない部分もあった。タイトルから想像される文明論的な内容はあまりなかったが、日本の土着の信仰が仏教の中に入り込んでいく流れはおもしろかった。

縄文土器の文様は木の精への信仰をあらわしている。アイヌのイオマンテは、クマの魂を送るという意味で、死んで天国へいった魂はミアンゲを持ってこの世に戻ってくる。ミアンゲは「身をあげる」という意味で、肉や皮を持ってきたお客様ということ。生命はみな死んでまた蘇るという循環を繰り返している。ハシラの「ラ」はアイヌ語で「下ったもの」という意味で、神が下りたり霊が上ったりするところ。神様は柱で数える。弥生時代、古墳時代以降は、中国の道教に大きな影響を受けている。

釈迦は、苦しみのもっとも大きな原因である愛欲は、その原因である輪廻を断つ涅槃によって悟りを開くことができると説いた。龍樹は、迷える大衆を救うためには、欲望に対して自由であるべきだと考え、大乗仏教を生んだ。釈迦の伝統を守る仏教を声聞・縁覚、迷える人を救う人を菩薩と呼んだ。聖徳太子は、3つに分かれた仏教をもう一度ひとつにする一乗の考え方である法華経を最もすぐれた経典と考えた。最澄は、仏性はすべての人にあると考えて、山川草木悉皆成仏といった(のちの天台本覚論)。また、小乗仏教では250ある戒律を10の重い戒律だけにした。空海の真言密教では、釈迦如来は人間を神格化したものだが、太陽を神格化した大日如来をご本尊とした。こうして平安時代の仏教は、日本の土着の信仰に近いアニミズムに変質した。既成の秩序が崩壊した鎌倉時代はには、末法思想が流行した。親鸞は、往生したら生まれ変わってこの世にまた帰ってくると考えた(還相廻向)。日本の土着宗教で中心的な行事であった、死者をあの世へ送る祖先崇拝、死者供養が、仏教の中に入り込んでいった。

ニーチェは、近代ヨーロッパ文明を形成する民主主義社会は世俗化されたキリスト教社会であり、そこに何らの高い人間の理想はないゆえに、遠からず崩壊するに違いないと予言した。トインビーは、マルクス主義はユダヤ教的な一神論を俗世に移したものであるといった。

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2018年10月31日

Posted by ブクログ

絶版になってたのか、中古で手に入れました。
話し言葉なので、非常にすらすらと読めました。95年発行ということでしたが、震災後の今でも考えさせられることもありました。

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2011年11月04日

Posted by ブクログ

前半の日本宗教の歴史に関する部分は非常に勉強になる。しかし、結論の日本の思想が西洋とは異なる平等主義、それも人間以外の生物を。含めた平等主義だという主張は抽象的でぶっきらぼうな意見に感じた。

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2012年09月21日

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