【感想・ネタバレ】ナボコフの文学講義 上のレビュー

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Posted by ブクログ

読書猿さんの記事を読んで、この本を読んでみたくなった。これは・・・すごい本で、文学をもっと深く楽しみたい人は必読だ。ナボコフ先生に、文学の面白さを教えてもらえる。巻末のテスト問題に挑戦したくなる。

「文学の構造の謎を一種探偵小説的に探索するものである。」

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2023年07月19日

Posted by ブクログ

マンスフィールド・パーク、荒涼館、ボヴァリー夫人について、実に詳細でVIVIDな「講義」である(ナボコフのメモを組み立てなおした編者の力でもあるだろうが)。アップダイク夫人は、この講義を聞いていた、とアップダイクが書いている。

ナボコフの主張としては、自分の眼鏡を通しただけの癖のある視点で読んではいけない、というもの。文学的天才が自己の脳髄から生みだした小宇宙については、読者は、ありのまま正確に詳細に緻密に味読せよということか。神髄は細部と、その複雑な組みあがりの中に現れるということだ。

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2018年10月14日

Posted by ブクログ

書評どころかまさしく読書感想文になってしまうので先に謝りますゴメンナサイ。

だって、ナボコフ先生の授業、面白いんだもん。
えっとね、第一印象は「いや~~ん、この、IQの高い陰湿インテリめ!」でした。
あ、すいません、石投げないでくださいそこ。

だって本当にそう思ったんだもん。ナボコフ先生、スキだな。いいなぁこの、IQの高い人が子供みたいに熱心に無邪気にかつ執拗に、重箱の隅をつつきまくってるトコ!たまらんぜ。だった。陽気な陰湿さというのかな、ねぇ、もう、楽しくて大好きで仕方ない、その姿勢は伝わるんだけどそもそもIQ高い人だから、あ、そこ、そこまでえぐりきっちゃいますか?で、容赦がない。


例えば最初のほうにあるジェイン・オースティンについて。まず冒頭の文章について取り上げ、冒頭付近でいかに作者が状況のお膳立てを整えているかの作者賛歌が続く。それはまぁ、目の前でかえるの解剖(実際には見たことないけど)をする解剖学の権威のメスのように丁寧かつ、「しつこい」。いやこれ、悪い意味じゃないですよ。でも例えば、登場人物のひとり、ノリス夫人がいかに鼻持ちならない女性であるのかというのをえんえん7ページにわたって丁寧に、もう解剖していたらホネも粉々になるくらいに分析して~解析して~結論付けて~いやさ仮定を立てて~そうしてきわめて無慈悲に「はい、やなやつ~」と断じているのですよ、やり口が上質なのに、メスはきれっきれですからね。ノリス夫人、血まみれのずだぼろです。気の毒でもう、彼女のシーン、読めないくらい(笑)

でもなぁ、ここまで個性的な人の講義だったら聴講したいな。今だったらきっとストリーム配信だって出来ただろうに。もったいない!ネットの功罪は多々あるけれど、こうした本を読むと、あーもっと早くインフラが整っていたら!なんて、思ってしまうのでした。ま、この手作り感のある講義録はこれはこれで、途方もなく、素敵なのだけれど。

後半も楽しみだな。意地悪なおじさん、いやじゃないわ、あたし。

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2014年07月06日

Posted by ブクログ

クンデラの小説論と通底するものが(当然かもしれないが)ある。

ただ、自分ではここまで読む能力は無い…
しかし、こういう読み方ができないと読む意味なんか無い、的なことを言われていると、そうなのかなぁ、と。

もう一度は読みたい。

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2013年01月21日

Posted by ブクログ

「文学は、狼がきた、狼がきたと叫びながら、少年がすぐ後ろを一匹の大きな灰色の狼に追われて、ネアンデルタールの谷間から飛び出してきた日に生まれたのではない。文学は、狼がきた、狼がきたと叫びながら、少年が走ってきたが、その後ろには狼なんかいなかったという、その日に生まれたのである」

とりあえず上巻。「ロリータ」で有名になる前のナボコフ先生が大学で文学を教えていた時の講義録。上巻は、オースティン、ディケンズ、フロベール(下巻はスティーヴンソン、カフカ、プルースト、ジョイスとのこと)。
文学はフィクションであるというその一点を徹底的に突き詰めて、文体の奥の奥まで読み込んでいく。そこまで読み込むか、というレベルまでの読み込みで、ちょっと真似できない。

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2018年09月09日

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