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健気なイグアナ
自分は男なので母娘の葛藤について関心が高くは無いのですが、イグアナ娘の健気さが可愛くて何度も読み返してしまいました。ユーモラスな描写も多いので、とても読みやすいです。
短編ではありますが、日本マンガ界の金字塔だと思います。
母と娘
なぜ自分の子供を愛せないんだろう? なぜ母に愛されないんだろう? それは醜いイグアナだから…
重いテーマを童話のように描いている。やっぱりすごいな。
Posted by ブクログ
全ての作品が傑作!
「イグアナの娘」…ドラマで有名だけど読んだら全然印象と違うから驚いた!
「帰ってくる子」…大切な存在を失った人たちの想いが詰まった話!
「カタルシス」…息苦しい場所から深呼吸できる自分らしさをみつけることの大切さを知る切ない話!
「午後の陽射し」…他人同士が夫婦になる、当たり前ではないことを知る瞬間を大切に!
「学校へ行くクスリ」…自分が自分であることを知るって難しい〜あいての心をしりたくなるけど知る必要はないよね!
「友人K」…気にしなくてよいのに気になる存在ってあるね。相手も絶対気になるはず!
全てが当たり前を疑わせるお話!
すごいな〜
ぜひ〜
匿名
ズキンとくる
表題作をはじめとする短編集です。
家庭という狭い世界での憎しみや憐れみ、不可思議など筆舌に尽くしがたいものを凝集した名作揃いです。
どの作品もえぐみがあって、後味が決してよくない作品さえも、簡単には忘れられなさそうな怪しさが胸にズキンと刺さります。
毒親という言葉がまだない時代に、生々しく毒親を描いた良作です。
Posted by ブクログ
思わず泣いてしまいました。他の作品も、人間の、深い(ドロドロした感じではなく、他の人にはわからないけど本人にとってはとても深刻といったような)感情的な部分に触れていて、大変おもしろかったです。お気に入りの本です。
Posted by ブクログ
わたしもイグアナになりたい。…ってくらいイグアナが好き。…ってところから入ったけど何度読んでも必ず泣く。タイトルは巻頭の作品名。やっぱりこのお話がダントツです。人間になることを願ったイグアナの白痴的な浅ましさ。イグアナの娘を毛嫌いする母親のエゴイスティックな浅ましさ。愛情の裏側にあるカルマみたいなもののやるせなさがとてもリアルなんだな。だから泣いちゃう。…と思ってたけどもしかしたらあたしが大好きなイグアナが辛そうなのが悲しくて泣いたのかもしれないと今気づいた。動物にするの、ズルい。ふぬぅ。
Posted by ブクログ
萩尾望都さんの作品によくみかける毒親のお話。コミカルにホラーで現実的なのにファンタジー。
萩尾望都さんの表現はある程度理解出来てもある程度以上は不思議で仕方ない。
なぜ比喩にイグアナを選んだのか……謎でありその辺りのセンスが刺さる。
Posted by ブクログ
ドラマ化の際に見て、不思議な作品だと思ったのがきっかけ。書店で見つけて、短編集だったのに驚いた。
母は娘を愛せない。娘の上に、自分の中に存在する、自分の一部でありながら受け入れることのできなかったなにものかを見てしまうからだ。母はそれを無意識の底に沈めて、そんなものなどなかったようなつもりで生きていた。イグアナの姿をした娘は、実は自分自身だということに、母は気づかない。
母‐娘という関係は、世代間で連鎖していく。しかし、娘は母の死に際して、気づくのだ。母とのあいだに穿たれた溝の中にあるものに。
そこに光明がある。
その他「帰ってくる子」も、心に突き刺さる物語でした。
Posted by ブクログ
久々に再読したのですが、あああああ。涙なしでは読めませんでした。「イグアナの娘」を自分の物語として読めたということは、少しは自分の葛藤を引き受けれたのかなあと思っています。併録の短編も親子の葛藤の物語ばかりで、どれも秀逸。この短編集は神がかってます。
Posted by ブクログ
ずっと昔に読んだ『イグアナの娘』が懐かしくて手にとってみたのだけど、他の作品の方が印象に残ってしまった。
特に中年主婦のアバンチュールへの迷いを描いた『午後の日差し』が、あんなに家族への優しい眼差しに溢れたラストを迎えるとは思わなくてインパクト大だった。
主婦の気持ちまで汲み取る作品まで上手だとは感服せざるを得ない。
Posted by ブクログ
読んで何回も泣いてしまう。自分ですら分からない心の澱や葛藤をイグアナや炊飯器などで象徴させて浮かび上がらせる、天才。そんな傑作がいくつも詰まった短編集。
Posted by ブクログ
昔ドラマ化してた記憶があるから長編かと思っていたら短編だった。
だが、他の短編合わせて密度が濃い。
人の心をどうしても支配するコンプレックス。それは自分を認め、他者を認めるというほんの些細なことで変わるかもしれない。
Posted by ブクログ
容姿コンプレックスにすごくシンクロしてしまって、何回も読んだ。
大人になったとき、人の親になったとき、歳を重ねるごとにシンクロ率は上がりそう。
Posted by ブクログ
たぶん一般的に「この物語はすごい」と言われているよりも、もっともっと深くすごいと思うのだ。「イグアナ」だから怖いんじゃないんだよ。「愛されない」から凄まじいんじゃないんだよ。鏡だ。
Posted by ブクログ
ドラマでやっておりましたね。
ですから、話し自体は読む前に知っていました。
この作品と出会ったのは母が買ってきた古本で、その時に初めて萩尾望都先生の作品と知ったのでした。
いやぁ、楽しいなぁ!でも、切ないし苦しい。
Posted by ブクログ
どうして人間に生まれなかったのかしらって悩んだこともあったけどいいさ 人間の中で一匹のイグアナとして一生を送るのもそれにイグアナの目で見てるとけっこう人間も動物に似てる
Posted by ブクログ
画像がないのでわかりにくいですが文庫の方です。同じく小学館のPFコミックスでも出ていますが、(もちろん持ってますが(笑))こっちのがお勧め。コミックス未収録の短編「帰ってくる子」が入ってます。表題になっている「イグアナの娘」は菅野美穂主演でドラマ化されましたのでご存知の方も多いと思いますが、あれはあれでよかったと言う意見も聞きますが、原作ファンとしては安易にドラマ化してほしくなかった。50Pの短い話ですが、こういう親子の確執の話には弱くて泣いてしまいます。
Posted by ブクログ
少女漫画は全然通ってこなかった世界だけど、
評判通り、読んだら面白かった。
なるほど。これが「少女漫画の神様」か。
タイトルの話だけでなく、他のも、
心理描写がクセになる感じです。
王子様は出てこないし、余韻の残る終わり方。
何回でも読みたくなります。
Posted by ブクログ
大傑作「イグアナの娘」は、決して奇蹟のようにポツンと存在を始めた作品ではない、ということが解る一冊。
親子に生じるあれやこれやを、母視点、娘視点、さらに母と子に挟まれた世代視点、きょうだいの存在、男視点、女視点、老若男女なるべく多くの方角から多層的に描き・重ねている。
ピンク・フロイドの「狂気 DARK SIDE OF THE MOON」のジャケ写よりももっと多方面から、ブラックボックスに光を当てて、当て直して、当て直し続けて、毎回どういうプリズムが出るか吟味している、という感じ。
で、たぶん結論としては地味なところに落ち着く。
歳を重ねたからこそ判ることがある・見えるものがある、と。
あるいは萩尾先生にとってもその年齢にならなければ描けなかった作品群なんだろう。
渦中にあってはどうしようもなかった物事に、別の場所で基地作りした後で再度直面する。
ここには時間の流れがある。
親との和解は、渦中においては困難で、時間差で、可能の兆しが見える。
これは年齢差ゆえ仕方ないことだが、往々にして手遅れになりがち。
と「シン・エヴァ」後の身として、平凡なことも恐れずに書いてみる。
■イグアナの娘 50p
私の世代だと菅野美穂主演のテレビドラマのインパクトが強い。
が、原作の凄まじさはまた一層で、コミカルなタッチだからこその恐さが、ちょっと度を越している。
思春期に読んだときは完全に子供の視点で親を見ていたが、今回見てみると、序盤はむしろ母親視点で進むので、少し驚く。
途中で娘視点になり、娘が成長し母になり、後半が前半と対になる形で描かれ……と時間の経過があり、むしろそこが大事なんだな、と。
■帰ってくる子 24p
漫画ならでは、映像ならでは、いや小説でもあるかな、な醍醐味。
それは、ある存在が誰に見えて誰に見合ないのか、という設定。
なんでも初出は井上雅彦監修「チャイルドー異形コレクション7」らしく、あのアンソロジーの中でこれを出すとは、いい仕事をするな! と。
実際私はヒデが心の底から叫ぶ場面で、不覚にもぐっときてしまった。
■カタルシス 40p
この作品を読むあたりで気づいたのが、この本全体として、「ごく普通の人」が描かれているということ。
おそらく萩尾先生が、天才や選ばれし美形を主役にしたら「自分が救われない」から、と決めたんではなかろうか。
ロボットみたいな自分を変えようとし、一歩踏み出し、しかし何もかもが改善したわけではないまま生活が続く、という真理もここには描かれている。
■午後の日射し 50p
一時期の近藤ようこが描いていそうな題材。
ザ・昼ドラ。
■学校へ行くクスリ 40p
コミカルだがまっとうな成長譚・ジュブナイル。
周囲の人物が変に見えるだけでなく話している言葉がバグったよう、という描写が面白い。
また単純に絵柄の話だが、この時期に萩尾先生が描いている少女も可愛いな~、と花だらけのマユミを見て思った。
■友人K 8p
全ページ横一段ブチヌキという実験的なコマ割り。
萩尾作品でこういう人物が視点人物に据えられるのは少し珍しいかも。
◇エッセイ―どこまでも、いく:江國香織(作家) 4p
Posted by ブクログ
正月2日オンエア『100分de萩尾望都』を視て再読。
表題作ラストのコマに描かれたトカゲが文庫サイズだとひときわ小さい。
併録作品、どれも心に刺さる。
『午後の日射し』、萩尾先生は中年主婦の心の傾斜まで活写してしまう。掲載誌はビッグゴールド。なるほど。
『学校へ行くクスリ』、こういう心の病をヴィジュアルで見せる手法は、手塚治虫『火の鳥・復活編』が嚆矢なのだろうか。まさにマンガならではの切り口だ。
Posted by ブクログ
やっぱ萩尾先生は神だわ~。スゴすぎてあたまおかしくなりそうになるわ。
イグアナの娘、最初読んだときは「お母さんイグアナだったんか。あ、そう」だったんだけど、二回目読んだらお母さん可哀想で泣けたよ。美容整形の暗喩? とか思ったけど、そういうわけじゃないんだよな。親または子を愛したいけど愛せない親子関係全体のお話なんだって思ったら、すごい不幸で切実だった。周囲に当然出来ると思われている(自分もそう思っている)ことがどうしても出来ないなんてね…
あとのお話はやっぱり表題作に比べるといまいち。受験生の男の子が喫茶店に住み込む話は読み込んでいくうちに登場人物の印象が逆転するのがよかったけど、終わり方が微妙だったなぁ。
Posted by ブクログ
親になったら読み返したいです。
現在は「子供」側の立場に近いので「そうだよね~」という印象なのですが、親になっても忘れないようにするために読み返したいです。
『イグアナの娘』「子供を愛したいけど愛せない親と、そんな親を愛したいけど愛せない子供」の話。
『カタルシス』
面倒臭さから親の言うことを聞いてばかりいた少年が、友達の葬式に行くことを止められて行かなかったことを悔やみ、自立をめざす。
都合の悪いことは全部忘れる母親、都合の悪いことは全部母親のせいにする父親。
『午後の日差し』
自分に恋してる年下の男性の愛を自分にしらんぷりしていたら、その男性は何事にもはっきりとした性格の自分の娘を好きになってしまった。
『学校へ行くクスリ』
『友人K』
格下だと思ってバカにしていた相手だが、本当はかまって欲しいのも、相手にされない格下だったのも自分だった。
Posted by ブクログ
10代の頃に初めて読んだ時、面白いともつまらないとも思わなかった。ただ遠かった。
時間が経ち今ふたたび手にとって見ると、何とも言えない気持ちになった。
あの頃には遠かった物語が、いつのまにか自分の中にあった・・・。
Posted by ブクログ
小学生の頃に人生で初めて読んだ萩尾作品です。
コドモのときは、母親から愛されない主人公にただただ同情し、理不尽な話だと捉えていました。
でも今(22歳)は、大嫌いな自分にそっくりなもの(娘)を愛せない母親の心情、何となく分かる気がするのです。
それはきっと容姿の面だけではありません。
そっくりな容姿を通じて、娘の中に自分の内面を見ていたのではないでしょうか。
Posted by ブクログ
表題作をはじめ短編6作品を収録しています。
「イグアナの娘」は、青島リカと妹のマミの物語です。二人の母親のゆみこには、リカがトカゲのように見えてしまい、彼女に愛情を注ぐことができません。そんな家庭で愛を受けることなくそだったリカは、いつしか人間のなかで一匹のイグアナとして一生をおくることを受け入れるようになっていきます。
ほかに「帰ってくる子」や「カタルシス」など、親子愛のもつれやゆがみをえがいた作品、「午後の日射し」のように夫への愛をうしなってしまった女性を主題とした作品などが収録されています。
「イグアナの娘」や「学校へ行くクスリ」は、登場人物のすがたが変化して見えてしまうという設定になっており、マンガならではの寓意的な表現を駆使して人間関係の機微をえがきとっています。
Posted by ブクログ
ドラマ化もされたイチ作品。
母と娘の確執。
娘、長女がイグアナにしか見えない母親。普通の女の子が良い。次に生まれた次女は人間だ。嬉しい。夢見てたの、可愛い女の子、なんでも似合うのね。
写真で見るぶんには普通の、人間の娘にみえる。でも、母親の目には、イグアナにしか見えない。
「ブサイクなくせに化粧なんて!」
もし他の人の目にも娘がイグアナに見えたら、『あたし なんて言われるか』
「小学生のくせにませちゃって……!」
「リカって頭いいの? あのブスいイグアナが? イグアナのくせになまいき!!」
日々が過ぎ、大学受験の時期。
馬鹿にしていた姉の行っている大学を受験したいと担当に伝えるマミ。
「あなたの成績じゃ、もう二つほどランクを下げないと……」
遊びに来たマミの恋人が言う、
「美人の上に頭いいんだー」
気づいてくる、母親による格差。
リカは恋をした。イグアナなので食べてしまう!と恐れたが牛の彼は大丈夫。卒業と同時に結婚する。北海道と遠く離れた土地に彼と二人きり。母親の小言に悩まされずに済み、ほっとする。
そして子供が生まれる。
母親にどことなく似た女の子。
イグアナか、夫に似た牛のような子供が生まれるかと思っていたのに、何故?と悩む。
愛せない、と悩むリカ。
そんなとき、マミから連絡が来る。
母親が亡くなった、と。
哀しくない。母親が亡くなったというのに哀しくない。それにショックを受けるマミ。
家につき、顔を見てあげてと親戚に言われ、布をめくるマミ。
顔を見たら、少しは悲しめるかしら?と思いながら、そうっとめくる。
そこには、イグアナが居た。
イグアナが、目をつむって、佇んでいた。
「キャーーー」
叫ぶ。人間であるはずの母親の顔がイグアナ。叫ぶ。
落ち着いて!と親戚に慰められる。
「わ わたしの顔に そ、そそ、そっくり そっくりよ!」
「そうよォ、前から言ってたのよ、ゆりこちゃんとリカちゃんはよく似てるって。そう言うと、ゆりこちゃんは、怒ってたけど……」
Posted by ブクログ
小学生の頃これが原作のドラマが流行ってました。小学生の時にも読んだことがあるんだけど、やっぱり大人になってから読むと感じることがかわりますね。
初期の萩尾作品とはまたひとあじ違った、心理的なテーマを多く扱った短編。家族や親子関係を扱っていて、訴えかけるものがありました。