【感想・ネタバレ】新版 万葉集 一 現代語訳付きのレビュー

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Posted by ブクログ 2023年12月10日

万葉集 1
新版
現代語訳付き
訳:伊藤 博
角川ソフィア文庫

日本最古の和歌集

天皇、貴族、官吏、防人、芸人、農民、東歌など、さまざまな階層の人々の歌の集大成である
万葉仮名という漢字で記載されてており、のちの仮名につながっていく
原本があり、時代の歌集が追加されて成立した傾向があり

由来 ...続きを読むさまざまな説がある
①万の言葉、②万年続いていく、③万人の歌、③万頁の歌集  等々

構造
20巻、漢文1,漢詩4,重出歌3,和歌4541(含む長歌)
収録 仁徳朝~奈良淳仁帝天平宝字3年(759年) 350年 編者 大伴家持が有力
各書では、歌がイベントごとに群としてまとめられている。その前後に解説が付記されている

大きく2部に分かれる
1部は、744年までの歌の集合であるが、2部は746年以降の歌
1部は、部立(雑歌、相聞、挽歌等)があるのに、2部にはない
1部には、様々な資料による校合(突き合わせ)があるのに、2部にはない

1部(巻1~巻16)
 <作者記名の部:巻1~6>
 巻1・2 白鳳の歌 巻1:雑歌、巻2:相聞 古歌巻という
 巻3・4 白鳳からもれた歌、奈良朝の歌 古今歌巻という
 巻5・6 奈良朝 雑歌 今歌巻
 <作者無記名の部:巻7~12>
 巻7・9 三部立(雑歌、相聞、挽歌)
 巻8・10 四季区分
 巻11・12 古今相聞往来歌集
 <無記名部:第13~16>
 巻13 大和圏の長歌
 巻14 東国の短歌
 第15 特殊な歌、長編歌物語
 第16 特殊な歌、由縁有る雑歌
2部(巻17~巻20)
 巻17~20 時系列的、部立なし、古今意識無し、歌日記的歌巻

部立(ぶだて)等

雑歌 相聞歌・挽歌以外の歌
相聞歌 男女の恋、親子の情
挽歌 死者を悼む歌

反歌 冒頭の長歌に、応じる短歌
譬喩歌 人間の姿態、行為、感情を事物に例えて述べる歌
旋頭歌 初句をめぐらす歌 お題を回していく遊び
東歌 東国の歌
防人歌 巻13,14,20に収録

<万葉集1>

第21代雄略帝の長歌から、万葉集は始まる
万葉集に先んずる歌集として、古事記の他に、山上憶良の歌集「類聚歌林」からの引用が記されているが、残念ながら当代には伝わっていない
心に残った歌は以下

巻第一(0001-0084)
0008 熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな (額田王(皇極帝、重祚斉明帝))
0016 冬こもり 春さり来れば 鳴かずありし 鳥も来鳴きぬ 咲かずありし 花も咲けれど 山を茂み 入りても取らず 草深み 取りても見ず 秋山の 木の葉を見ては 黄葉をば 取りてぞ偲ふ 青きをば 置きてぞ嘆く そこし恨めし 秋山吾は(天智帝)
0021 紫のにほへる妹を憎くあらば人妻故に我れ恋ひめやも(天武帝)
0028 春過ぎて夏来るらし白栲の衣干したり天の香具山(持統帝)百人一首収録歌
0059 流らふる妻吹く風の寒き夜に我が背の君はひとりか寝らむ(誉謝女王 伝未詳)
0080 あをによし奈良の家には万代に我れも通はむ忘ると思ふな(よみびと知らず)
0082 うらさぶる心さまねしひさかたの天のしぐれの流らふ見れば(長田王)

巻第二(0085-0234)
0087 ありつつも君をば待たむうち靡く我が黒髪に霜の置くまでに (磐姫皇后)
0106 ふたり行けど行き過ぎかたき秋山をいかにか君がひとり越ゆらむ(大伯皇女、大津皇子)
0117 ますらをや片恋せむと嘆けども醜のますらをなほ恋ひにけり(舎人皇子)
0142 家にあれば笥に盛る飯を草枕旅にしあれば椎の葉に盛る(有間皇子)
0145 鳥翔成あり通ひつつ見らめども人こそ知らね松は知るらむ(山上憶良)

巻第三(0235-0483)
0235 大君は神にしませば天雲の 雷の上に廬りせるかも(柿本人麻呂)
0318 田子の浦ゆうち出でて見れば真白にぞ富士の高嶺に雪は降りける(山部赤人) 新古今和歌集、万葉集収録歌
0328 あをによし奈良の都は咲く花のにほふがごとく今盛りなり(小野老朝臣)
0426 草枕旅の宿りに誰が嬬か国忘れたる家待たまくに(柿本人麻呂)
0445 いつしかと待つらむ妹に玉梓の言だに告げず去にし君かも(大伴三中)

巻第四(0484-0792)
0484 一日こそ人も待ちよき長き日をかくのみ待たば有りかつましじ(難波天皇妹)
0586 相見ずは恋ひずあらましを妹を見てもとなかくのみ恋ひばいかにせむ(坂上郎女)
0603 思ふにし死にするものにあらませば千たびぞ我れは死にかへらまし(笠女郎)
0622 草枕旅に久しくなりぬれば汝をこそ思へな恋ひそ我妹(佐伯宿禰東人)
0681 なかなかに絶ゆとし言はばかくばかり息の緒にして我れ恋ひめやも(大伴家持)
0717 つれもなくあるらむ人を片思に我れは思へばわびしくもあるか(大伴家持)

巻第五(0793-0906)
0793 世間は空しきものと知る時しいよよますます悲しかりけり(大伴旅人)
0803 銀も金も玉も何せむにまされる宝子にしかめやも(山上憶良)
0815 前文 梅花の歌三十二首 ~初春の令月にして、気淑く風和ぐ~ :年号「令和」出典
 
目次

◎万葉集1 巻1~巻5
 万葉集2 巻6~巻10
 万葉集3 巻11~巻16
 万葉集4 巻17~巻20

ISBN:9784044087012
出版社:KADOKAWA
判型:文庫
ページ数:448ページ
定価:960円(本体)
発行年月日:2009年11月
発売日:2009年11月25日 初版発行
発売日:2019年04月15日 9版発行

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Posted by ブクログ 2011年12月30日

日本最古の歌集。文化も生活も、今とは違うけれど、心だけは変わることなく、他人を愛し、死を悲しみ、自然の美しさを賞賛している、生き生きとした感情が、短い言葉の中にぎゅっと詰め込まれています。

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Posted by ブクログ 2010年07月26日

詳しい注釈&現代語訳つきなので、初心者でも意味がわかってうれしい。訳も、私情が入りすぎていず標準的だと思う。何より、文庫本サイズでこの内容はありがたい。

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