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Posted by ブクログ
虐待された女の子と、教育心理学者の著者(シーラにとっては先生)とのノンフィクションです。
僕が持っているのはおぞましい表紙のハードブック版で、昔父の本棚にあったのを見て以来ずっと気になっていたんです。その頃は絵が怖くて読んではいけない本かと思っていました。今はこういう絵、すごく好きです。
抱きしめたいとかキスしたいとか歌詞とかでよく見る言葉ですけど、実際盛ってるよな~と今まで思っていました。あるいは性欲とか。でもこの本を読んで、人は言葉で相手を癒せないと知った時、抱きしめたくなるものだなあと思いました。
著者と一緒にシーラを抱きしめたくなるシーンが沢山出てきます。「そんなことない」って言ってあげたいけど、シーラにとっては無駄な言葉だとわかるから、せめて側にいることを体温と鼓動とで知らせてあげたくなります。
しかも傷ついた心を癒すだけではなくて、癒してくれた存在と「さよなら」するところまでシーラが成長しているのが感動です。
続編の「タイガーと呼ばれた少女」はまだ読めていないので是非読みたいですね。
なんとも言えない
中学生だった時から数十年ぶりに読みました。
当時も衝撃を受けたことを覚えています。今改めて再読するとあの頃の私に理解出来ていたのか…?と疑問が出ましたが、きっとその時なりの感情があったのだと思います。
色んな意味で涙が出るシーンがあります。
ネタバレをせずだと、とにかく読んでください、としか言えない作品です。
Posted by ブクログ
先日から漫画『こどものじかん』を読んでいてヒロイン・九重りんにどうしても重なって見えたのが、現実世界に存在する本書の主役シーラだった。そして、少し前からどうしても再読したくなって続編の『タイガーと呼ばれた子』とセットで安い古本を買って積んであったので『こどものじかん』のラストを読み終えてすぐに読み始めた。
この二人のキャラクターの共通点は年齢の近さと髪の長い美しい少女(金髪)であるという外見のイメージだけでなく、大人が怖じ気づくほど大人びた問題児であるところ。野木田先生(ヒロイン九重りんが1年生の時の担任)と九重りんの関係は年齢的にも『シーラという子』そのままのイメージになるので、ずっと教育問題に興味を持っていたという私屋カヲルがこの本を読んでいた可能性は高い。なんにせよどちらか一方の作品を好きになった人には是非もう一方も読んで欲しいというのが個人的な願い。(ただし、シーラの本にエッチなサービスなどは求めないように…)
『シーラという子』は人気ノンフィクションシリーズとなったトリイ・ヘイデンの第一作目で世界的ベストセラーである。特殊学級などの教師をしていた著者が在職期間中に出会った特別な子供たちと過ごした忘れ得ない時間を卓越した文章力で再現した記録。中でもこの最初の本はもともと出版予定があったわけではなく、著者がシーラとの思い出を残したいという個人的な気持ちから書き始めたものであり、数年後の彼女との再会を描いた『タイガーと呼ばれた子』とともに他のシリーズ作品より一歩抜きん出たインパクトと感動がある。
先にも書いた通りこのノンフィクションシリーズの最大の魅力はトリイ・ヘイデンの卓越した文章力だと思う。もちろんそれぞれの本に取上げられている子供たちと過ごしたドラマティックな時間こそ本の命だが、その体験をした著者自らが読み始めた者を心をつかんで離さないまるで良く出来たエンターテイメント小説を思わせるような力強い筆致で描いているのが特徴。またこのシリーズは全て同一の翻訳者であり、作品の面白さは彼女の実力によるところも大きいと言える。
本書では、著者が普通の学校の一室で主に情緒障害を持つ子供たちを預かる特殊学級を教えていた時期を描いている。その時期すでにサポート人員とともに教えられる限界いっぱいの人数を預かっていたところに、少し前新聞記事になるほどの傷害事件を起こし精神病院送りになる予定だった6歳の少女シーラが期間限定でやってくるところから物語は始まる。
シーラの生活環境は絵に描いたような貧困の父子家庭であり、さらに母親が彼女を乱暴に置いて弟を連れて出て行ったことがトラウマになっていた。また父親が刑務所に入っていた時期に親戚をたらい回しにされた経験も情緒不安定な性質を作る要因になっていたことも想像された。様々な試行錯誤の末ようやくシーラの心の壁を打ち破って著者が知り得た予想をはるかに上回る真実。傷害事件を起こした問題児童として精神病院に送られようとしていたシーラはIQ180を超える超のつく天才児だった…
自分に大きく依存させてしまうような方法で教育をすることは教師と生徒の信頼を高める反面、別離を辛くする。だからもっと教育者として割り切った姿勢が一般的な中で一匹狼的に自己流の母性愛で治らない子供を治すことを可能にして来たことがトリイ・ヘイデンという教師の個性であり、多くの問題児を預けられる信頼に繋がっていったのだということがこの本を読むと良く分かる。ようするに自分の私生活や感情まで犠牲にして生徒を愛するという大変なことを普通の教師はやらない。それを一体誰が責められるだろうか。
終盤近くまで読んでようやくなぜ『こどものじかん』を読んでこの本を思い出したのかが良く分かった。ヒロインのキャラクターイメージが酷似していることも確かだが、それ以上に彼らを担当する教師の苦悩(教師と言う立場の乗り越えられない壁)がだぶって見えたのだ。もちろん『こどものじかん』の青木先生は新米の男性教師でヒロインの恋愛対象であり、トリイ・ヘイデンは中堅所の女性教師でシーラにとっては母性の象徴という全く異なる関係には違いないが、どちらも自分の教師としての立ち位置を見据えつつも、結果的に他の子供たちに対する以上の愛情をヒロインに与えてしまう。
ただし、本書のシーラの物語は現実の出来事であり、もしもトリイ・ヘイデンが彼女の担当になって本来の役割以上の行動に出なかったら、あるいは弁護士の彼氏がいなかったら、様々な偶然が噛み合っていなければシーラはもうすでにこの世にいなかったかも知れないという恐ろしい現実に、まさしく“事実は小説より奇なり”という言葉が自然に出てくる。
トリイ・ヘイデンのノンフィクションシリーズの中で唯一後日談として続編『タイガーと呼ばれた子』が書かれたのもシーラだけであり、そこにも彼女との教師と生徒という以上の深いつながりが垣間見える。そして『シーラという子』から7年後の再会を描いた『タイガーと呼ばれた子』の虚しいほどリアルな時の流れに誰もが再び涙する。
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読書を始めるきっかけになった本。
児童虐待や発達障害など重いテーマのノンフィクションだけど、シーラとトリイの絆が眩しすぎて、読後はとても優しい気持ちになれる。
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先に「タイガーと呼ばれた子」読んでしまったので、大まかな流れはわかっていたし、その後のシーラがどのように成長していったかもわかっていたが、とても面白く読めた。
シーラとトリイがどのようにして信頼関係を築いていったのかがよくわかる。
なかでもすごいと思うのが、トリイが自分のエゴに近い怒りの感情をそのまま書いていて、さらにそれが間違えだったと素直に認めている過程まで細かく書かれているところに、トリイの人間性が表れていてとても好感が持てた。
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内容(「BOOK」データベースより)
お世辞にも清潔とはいえぬ姿に敵意むきだしの目。シーラは6歳にして傷害事件を起こし、トリイの特殊教室に送られてきた。決してしゃべろうとせず泣きもしない。ときに怒り狂い金切り声をあげ大暴れする。だが実は、ずばぬけた知能の持ち主で、心身に深い傷を負っていた…。暴力、貧困、虐待に蝕まれた少女が堅く閉ざした心をおそるおそる開き、一人の献身的な教師と深い信頼の絆で結ばれてゆく姿を描いた感動のノンフィクション。
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テレビなどで、虐待など聞いてはいたが、実感がわかなかった、しかし、この本と出合って本当に行われているんだとわかった。いろいろなことを考えさせられた。
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お世辞にも清潔とはいえぬ姿に敵意むきだしの目。
シーラは6歳にして傷害事件を起こし、
トリイの特殊教室に送られてきた。
決してしゃべろうとせず泣きもしない。
ときに怒り狂い金切り声をあげ大暴れする。
だが実は、ずばぬけた知能の持ち主で、
心身に深い傷を負っていた…。
暴力、貧困、虐待に蝕まれた少女が
堅く閉ざした心をおそるおそる開き、
一人の献身的な教師と深い信頼の絆で
結ばれてゆく姿を描いた感動のノンフィクション。
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友達のレビューを読んで、読みたくてたまらなくなった本。
「おかしい子」ばかりを集めた教室。
おかしい子と接するプロであると
思われるトリイだけど
彼女も一人の人間なんだなぁ
と解って
なんだか安心。
ネグレクトによる虐待を受けているシーラ。
金魚の目を鉛筆でほじるなど
異常な行動が多い。
そんなシーラも
トリイのおかげで
日にちを追うごとに
子どもらしい
動作が開花して
読んでて嬉しくなった。
子どもについてよくよく考えて
大切にする方法を身に付けなきゃって
思いました。
続編も読みたい!!!
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文庫版。安いんで(ぁ
シーラがどんどん可愛く思えてきます。
もうシーラ可愛い・・・!
結構グロかったりしますが、途中途中感動で涙が出そうになりました。
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初めて読んだ心理的・社会的な物語。
とても衝撃だった!!
これを読んでから単純かもしれないけど、更に心理職について子どもたちを助けたいと思った作品。
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シーラという6歳の女の子の話。はじめは、とても特殊学級のクラスに入れないだろうと思っていた子だが、とんでもない。ものすごいIQのもちぬしであった。作者、トリイもはじめはてこずっていたが、心からシーラを思いやっている姿から、シーラも心を開いていく。
しかし、悲劇がシーラをおそう。途中で涙が出そうになるのを、シーラがかわいそうで、しばらくページを進めるのをためらったぐらいだ。ひさしぶりに深夜まで読み続けて、眠くて仕事がはかどらなかったぐらいよい本だった。
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中学の時に買ったものを再読。子ども、人には、様々な生き様、体験があるのだと改めて思った。その体験から人にどのような影響を与えるのかも。
一番読んで印象に残ったのは別れへのシーン。
続編も読みたい。
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いくつもの著者とシーラの会話にドキッとさせられた。
日々悩んでいることや、考えていることにリンクする。
読んでよかった。
とりあえず、「星の王子様」を読み直そう。
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衝撃、っていうよりも、読み進めていくうちに胸にすっごい重たい塊が出来てきて、涙になって出てくる、っていう感じだった。重たい。だけど必要だった。
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お世辞にも清潔とはいえぬ姿に敵意むきだしの目。シーラは6歳にして傷害事件を起こし、トリイの特殊教室に送られてきた。決してしゃべろうとせず泣きもしない。ときに怒り狂い金切り声をあげ大暴れする。だが実は、ずばぬけた知能の持ち主で、心身に深い傷を負っていた…。暴力、貧困、虐待に蝕まれた少女が堅く閉ざした心をおそるおそる開き、一人の献身的な教師と深い信頼の絆で結ばれてゆく姿を描いた感動のノンフィクション。
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劣悪な環境化に置かれ、虐待を受ける少女のお話。著者のトリィに出会い、少しずつ心の安定を取り戻していく実話。
心の病って難しいんだということを再認識させてくれた一冊。
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シーラと少女とカウンセラーの交流の物語。シーラの心の防御の壁が次第に取れて少女らしい素直な感情を表に出していくところが読んでいて嬉しい気持ちになった。
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シーラは、わずか6歳にして3歳の子どもを木に縛り付けて火を付け、重傷を負わせてしまう。でも、シーラこそ虐待されて育った少女。著者が忍耐強くシーラに接して行く過程に読み入ってしまった。読んでいて辛くなる場面も多いけれど読んでみて欲しい。子供がいる人には特に。
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2022.10.18
何で神様は彼女にこんな試練を与えるのか…
という環境にいる女の子の急成長から目が離せませんでした。
その勇敢な姿がとても胸をうちます。
幸せになってほしい。
Posted by ブクログ
これはヘヴィですぜ。(2004.7.17HPの日記より)
※2004.7.2弟からプレゼント
2004.7.17読書開始
2008.1.19売却済み
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壮絶な話。たった6歳でここまでの不幸を担わないといけないなんて…。
日本でも最近は、虐待のニュースをよく見る。みんな愛に飢えていて、愛し方を知らないのだ。悲しい。
この本は、離れ離れになるところで終わったが先生がいなくなってからが、シーラの頑張りどころだ。その後が知りたい。ぜひ幸せになっていてほしい。
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言葉により暴力により虐待された少女。しかし、彼女は知的障害者ではなく天才的な子だった。障害者学級を受け持つ著者が彼女の心を少しずつ開かせていく。
子供って本当に傷つきやすいんだなあ。小さいころから、少しずつ少しずつ色んな事を学んでいくんだなあ。「ありがとう」とか色んな言葉をどういう時に言えばいいのか、教えてあげなければ言えるようにならないんだ。
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トリイ=ヘイデンの最初の作品・・だと思う。障害児学級を受け持つ作者の実体験を手記にしたもの。この本を読んでから、かたっぱしから彼女の本を読みまくりました。・・・でもここには登録されてなくて紹介できないのぉ〜〜。書店でさがしてね。
Posted by ブクログ
著者トリイが受け持つ障害児の特殊学級へと、傷害事件を起こした少女シーラがやって来てからその学年が終わるまでの半年間を綴る。暴力的行動を起こし、心を開こうとしないシーラだったが、トリイと接するうちに徐々に変化をみせていく。読み始めるとどんどん引き込まれて止まらなくなるけれど、途中で読むに耐えないところがあって、思わず本を閉じてしまった。シーラの受けた虐待があまりに痛ましくて…。