【感想・ネタバレ】奇械仕掛けのブラッドハウンドのレビュー

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Posted by ブクログ

文章のリズムは良く、文体も中々で疾走感に溢れている。スラムめいた主人公周りの舞台設定や夏のうだるような暑さ、潰殺鬼等のおどろおどろしさなどは良かったが、肝心の作り込まれた設定が世界観に溶け込めていないように感じる。例えば「指」周りの設定が言うほど語られなかったのは残念の一語。新たな指を付け替えることで能力が発現するのはゲームめいて面白い設定だとは思ったが、そもそもなぜ「指」なるものが流通するようになったかが明かされないままだったのは大きな不満点だった。それ以外にも主人公が探偵業を志すバックボーンであったり、パートナーとの出会いなどは簡素でかなり説明不足に思う。それでも読ませるだけの筆力があるものの、設定外の物語性を意図的とはいえ出さずに終えたのは出し惜しみのように思ってしまった。恐らくこれらは次巻以降の話ではあるのだろうが。あと主人公の性格というか信条は、ラノベテンプレではあるもののやはり甘過ぎのように思った。まとめると、凄く丁寧に作り込まれたプロモーション小説。単体で十分楽しめるものの、次巻以降に期待といった所。

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2019年05月27日

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