【感想・ネタバレ】笑犬樓よりの眺望のレビュー

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Posted by ブクログ

筒井康隆のエッセイは毒舌でふざけているように見えて実は生活をしていく上での大きな基本を教えてくれる。おそらく今の若者が読むと時代遅れの意見ととらえるかもしれない。でも僕にとってはこれが正しい物の見かただ。これからも何年かに一度読み直したい。
そしてこのエッセイの最後の2葉、「日本てんかん協会に関する覚書」と「断筆宣言」はすべての表現者が読んでおくべきだ。

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2012年05月05日

Posted by ブクログ

≪内容≫
時代の叡智、筒井康隆による痛快な社会時評。
断筆宣言に至るまでの10年間の真摯な闘いの記録。

≪感想≫
初めて読んだ筒井康隆のエッセイ。今から10数年前のものだが、本書の中で度々取り上げられているマスコミへの痛烈な糾弾は今でも十分に通用するし、喫煙者を取り巻く環境などについては、まさに描かれている通りの未来が訪れている。特に断筆までの経緯や表現規制についての彼の姿勢には、なんというか、とにかくシビレる。処々のユーモアは少しも色褪せず、今日の問題においても十分に通用する意見ばかりで、稀代のSF作家としての彼の知性と先見性はさすがだと感じると共に、今更だけども、断筆を解いてくれて本当によかった、よかった。

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2011年05月12日

Posted by ブクログ

雑誌『噂の真相』に、十年にわたって連載された著者のエッセイを収録しています。

本書の最後に掲載されている文章は、1995年の「断筆宣言」です。著者の「無人警察」という作品が教科書に採用されることがきまったものの、その内容に対して日本てんかん協会から抗議が寄せられたことがきっかけとなり、「あたしゃ、キれました。プッツンします」という著者の「断筆宣言」がおこなわれます。

著者は、とりわけブラック・ユーモアを駆使する作家であることから、さまざまな方向からの批判や抗議を受けることが多いのですが、そのような場面において文学者としての矜持を示さなければならないという使命感のようなものを語っています。やはり本書に収録されている、文芸家協会が永山則夫の入会を拒否したことに対する反論にも、そうした著者のスタンスは見てとることができます。

たんなる「言葉狩り」への反対ではなく、文学にたずさわる者の一人ひとりに覚悟を求めるような、一種の倫理観のようなものが、著者の考えの根幹にあるように感じました。

もっとも、本書に収録されている文章の多くは、そうした著者の生真面目な一面を示すものではなく、どちらかといえば「キレ芸」といえるようなユーモラスな内容になっていて、おもしろく読むことができました。

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2023年12月27日

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