【感想・ネタバレ】真夜中の五分前―five minutes to tomorrow side-A―のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

何気なく寄った本屋の棚から目をつぶって選んだ本

出会い方もあるけれど文のリズムとか
ほかの登場人物の発言とか、とても好みで驚いた記憶

また読んでしっかりフレーズも書き残しておきたい

0
2022年05月30日

Posted by ブクログ

こういうなんかよく分からない、病んでるような、闇の中にいるような男の話、好きなんですよね笑

そんな男が冷静な振りをしながらも、もがき苦しみながら恋愛していく姿を見る(読む)のが面白い。(←悪趣味?w)

まあでも男女問わず、恋愛の有無を問わず、そういう影のある人をほっとけなくなるような気持ちって人間誰しも経験したことあるのでは??

0
2021年01月04日

購入済み

マイルストーン

作者のキャリアのマイルストーン的な作品と言っていいのではないでしょうか。とても感傷的で、自愛が鼻につく読者もいるかもしれませんが、私はすべてが好きで、何度も読み返しています。こういう評は作者が嫌うでしょうが、「ノルウェーの森」に匹敵する純文学的青春譜と受け止めています。主人公の強さと繊細さが、とても愛おしいです。

0
2019年11月25日

Posted by ブクログ

昔恋人を喪ったことで、世の中に交わりきれない生き方しかできなくなった男性と、
見た目だけでなく中身にも差異のない一卵性双生児の片割れの存在によりアイデンティティを確立しきれずにいる女性の苦悩と恋愛を描いた作品。

自分から見て、他人から見て、自分が他の誰でもない自分であることはどこから生まれてくるのか、陳腐な疑問かも知れないけれど「自分らしさとは」ということを強く考えさせられる。

10年前、まだ上記の疑問に悩むことの多かった高校生の頃に出会って以来、人間関係で悩んだときはふと読み返してしまう。
未だに自分らしさへの答えは出ないけれど、本書を読み返す度に少しずつ違う視点を持てるようになっていて、その一つ一つの積み重ねから自分らしさが生まれるのではないか、と今は考えている。

0
2015年06月27日

Posted by ブクログ

少し遅れた時計を好んで使った恋人が、六年前に死んだ。いま、小さな広告代理店に勤める僕の時間は、あの日からずっと五分ズレたままだ。
そんな僕の前に突然現れた、一卵性双生児のかすみ。
彼女が秘密の恋を打ち明けたとき、現実は思いもよらぬ世界へ僕を押しやった。洒落た語りも魅力的な、side‐Aから始まる新感覚の恋愛小説。
偶然の出会いが運命の環を廻し、愛の奇蹟を奏で出す。

やっぱり本多さんが書く人物はどれも魅力がある。
不器用である種開き直りも見せている主人公。
交通事故で死んでしまった、水穂。
プールで出会うかすみ。妹のゆかり。
ゆかりの婚約者の尾崎さん。
べらぼうに金持ちの野毛さん。
その他みんな個性があって面白い。

激しい恋愛の後摩耗して、疲弊しきった時に雨宿りの様な恋がある。
そんな風に思う。
それは雨宿りであって、止まない雨は無いのも事実。
だけどそれは必要であって、そこに愛が無いとも言い切れない。

序盤の祥子との関係もそういうものだろう。
そして主人公はそういう関係性を求めていたし、そういう人が主人公の周りに集まって来ていた。

主人公の上司の小金井さんの恋も何気に切なすぎる。
小金井さんの10年間にどれほど押しつぶされるような思いがあったのだろうか。

きっと主人公が雨宿りの様な恋が出来ていたから、かすみとの関係維持できたのだと思う。
人と人との交わるタイミングって不思議なもんだ。

そんでもってその雨宿りが帰る所になるときだってある。
引用させてもらえるならば、

人生は偶然も必然も無い。ただそこにあるだけだ。

自分もそう思う。

0
2013年03月30日

Posted by ブクログ

尾崎さんは屈託のない人だった。
30過ぎまで生きているのだからきれいごとだけでやって来られるわけはない。けれど、それが影にならない。曲がったものも、湿ったものも、塩辛いものも、その都度、きちんと飲み込んで消化して来たのだろう。

愛想のない即物的な人物説明に僕は茶々を入れた
目が二つで鼻が一つ?

0
2017年11月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本多さんらしいと言えばらしい…。
一卵性双生児の片割れと知り合った主人公。なんというか人間関係への執着がない、サッパリなんていいものはない感じの…しかし仕事ができるという、私からしたらうらやましい性格…。
相変わらず悲しい感じのストーリーなんだけど、ラストはやっぱり救いがあるのよね~。

0
2017年01月19日

Posted by ブクログ

文庫版の前半編。

ジャンル的には恋愛小説になるが、本作品は一般的な恋愛小説とは一線を画した恋愛小説だと感じる。あまり恋物語は好きではないが、当事者間の恋以外のところに焦点が当てられることが多いのが馴染みやすいのかもしれない。

ヒロインが見た目や性格が全く同じ双子であり、だからこそ起こり得る展開が新鮮だった。

0
2016年06月19日

Posted by ブクログ

5分間の意味は今のところまだハテナ? side-B続けて読むか、何か挟むか悩むところ・・。 しかし、この人の描く主人公、言葉のチョイスが、毎回、お洒落で好き。

0
2015年10月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

のっけからワクワク
仕事の話も一卵性双生児の片割れとの出会いも楽しい
主人公の愛に関する気持ちがなんとなく、分かる気がして余計に感情移入
後半は段々切なくなり、でも最後に希望が見えてきたと思ったのに…side-Bが…えーっ、複雑な気持ちになりそう

0
2014年12月09日

Posted by ブクログ

キャラクター設定は相変わらず面白い。
一気に読み終えた。
2回読んだが、5分遅れの世界は理解出来なかった。

0
2014年04月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

途中まで読んだところで村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』を読み始めたらなんだか被った。
---
少し遅れた時計を好んで使った恋人が、六年前に死んだ。いま、小さな広告代理店に勤める僕の時間は、あの日からずっと五分ズレたままだ。そんな僕の前に突然現れた、一卵性双生児のかすみ。彼女が秘密の恋を打ち明けたとき、現実は思いもよらぬ世界へ僕を押しやった。洒落た語りも魅力的な、side-Aから始まる新感覚の恋愛小説。偶然の出会いが運命の環を廻し、愛の奇蹟を奏で出す。

0
2014年03月06日

Posted by ブクログ

本多さんの作品は相変わらず心地良く自分の中に溶けていく。

誰かを好きになることと愛すること。
わたしには何も特別なエピソードがないが、わたしもきっと主人公と同じだ。苦しい恋愛が周りにたくさんあるのに、自分は愛さえ分からない。愛していると思っていたのに全て愛ではなかったと言うようなことが。
でもそれはもしかしたらみんな同じなのかも知れない。或いは違うのかも知れない。

愛の証明はひどく難しい。

0
2014年01月26日

Posted by ブクログ

「甘えたい衝動があり、それが甘えだという理性もあった」

このフレーズが何故かよい。とっても簡単な文だけど、気持ちの複雑さをよく表現していると思う。
 クールで無愛想でアパティア、でも自然と周りが寄って何でもうまくいく。これがこの本の主人公の設定で、他の小説でも男性が語る場合はほとんどがこんな主人公。
 そして私たちはそんな人物にどこか憧れている。そしてその再生の物語にも憧れている。僕らが憧れるからこそ春樹的主人公で溢れかえる。
 でもこの憧れは胸を張れるものじゃない。例えるなら、廃墟の持つ引力みたいなもの。
 男性が見る理想の自分象、そこにある退廃性を本多さんはこの主人公を通して、徹底的にフィクショナルに描きだしている。まるでゴダールが撮ったミシェル・ポワカールのように。
 主人公の心、ひいてはすべての男性の心が見透かされている感じがして心地いい。そして、そのフィクションがまるで私の心のようでもあるから不思議だ。

0
2013年06月01日

Posted by ブクログ

広告代理店に勤める主人公は、大学生の頃から現在まで、事故で恋人を失ったり、自然に消滅する形で、いくつかの恋愛をてきた。
そんな主人公の前に突然現れた「かすみ」と、彼女の双子の妹「ゆかり」、ゆかりの彼氏との人間関係がよく書かれている恋愛小説。
一般的な恋愛小説とは違い、少しこった演出で書かれています。著者の作品は、テーマが重くて、文章が軽い(主人公の言い回し、状況の描写など)が、魅力的な感覚を持ちました。

0
2013年04月19日

Posted by ブクログ

恋愛小説は苦手ですが、これは興味深く読めました。
人を好きになるということについて問いかけられる感じ。

0
2022年10月19日

Posted by ブクログ

最後の5ページ、かすみの行動に狂気を感じました。

〈side-B〉では一体何が起こるのか、胸騒ぎがしました。

0
2022年06月02日

Posted by ブクログ

オシャレというか、オシャレを気取ったような表現が多いと感じた。
私は割と好きだけれど。

冒頭の、デートを終えて別れるカップルを見て「ひょっとしたら、彼が彼女に会うのはそれが最後になるかもしれない」と考えてしまう主人公が、かすみとの出会いでどう変わっていくのか。

変化はしているのだが、どうしてそうなったのか経過が読み取りづらい。
ラストも、結局心境がどうあるのかよくわからない。

このままsideBに続くので、物語がどう変化するのか楽しみたい。

0
2020年10月07日

Posted by ブクログ

sideAとsideB両方読んでの感想。

正直いまいちピンとこなかった。
主人公は仕事はできるけど、人としての心がいまいち無いような冷めた性格。それは過去の恋人の死が関係しているのか?
重要なキャラクターとしての双子。どんなに似ているとしてもどちらか分からないってことがあるか?最後の最後までしっくりこない。

sideA,sideBとしているが特に別の角度から物語の側面を描いている訳でもないので、単純に上・下巻か前編・後編としても良かったのでは。

登場人物の心の内面を深く分析すれば、最後の選択も分かるのかも知れないが、一回読んだだけだとよく分からん。

仕事部分の取り組み方については何となく面白い部分があった。
消費者という一括りをターゲットにするのではなく、性別年齢その人の背景、どんな個人を相手にするかを明確にすること。
なるほどなと思った。

色々良さそうな要素が沢山あるけど、どれもチグハグに終わった感じ。もう少しわかりやすくした方が良かったと思う。

0
2020年08月10日

Posted by ブクログ

6年前に恋人を喪ったことで、中身がからっぽになってしまった男性と、
あまりにそっくりな一卵性双生児の片割れの存在により
自分自身を見失ってしまった女性が出会った

しゃれた文体で語られる
軽い恋物語

これがsideBでどう化けるのか
ちょっとっ怖いような・・・

0
2016年01月03日

Posted by ブクログ

仕事にも恋愛にも何か気持ちが入らずにいる僕の心に、通っているプールで出会った一卵性双生児のかすみが風を入れた。
6年前に失った恋人のこと、愛が何かわからないこと。
語られる言葉があまりにも無垢で、胸に響く。

2015.9.21

0
2015年09月21日

Posted by ブクログ

広告業界 淡水魚は海には棲めないとでもいうような断定的な言い方 小岩井さん 成田さんというカメラマンの助手の原祥子さん 北陸地方の古い温泉地から依頼を受けた町興し事業 顔を見るから好きになる 逃げるから怖くなりる 笑うから楽しくなる 最高学府 君らの世代の冗談は、時々わかりにくくて困るよ ディーマイナーセブン、ジーセブン、と続けば、あとは放っておいたってシーメジャーセブンがくる。少なくとも人の耳はそう期待する。無限の組み合わせに見えるメロディーだって、それがとんでもなく前衛的なものでない限り、実際の音楽に使われる組み合わせは有限なのだ。 ずれたあなたの五分が直せたら 二十歳で死ぬ人なんていっぱいいる。そのことに特別な意味なんてない。 あいつ、早生まれだったから、まだ十九だった? 個人的かつ自発的な付き合いだ 名前も知らない美人から誘われるというのは、この世界では、大概、悪い兆しだ。 その退屈はちょっとした冒険心を生み出す プラグマティック実利的 少なくとも、もっとソリッドなものを感じられた。 砂漠で毛布を売っても成功しそうな気がするよ 不必要なものは人を醜くするんだ。でも、そうしなきゃ、もう世界は回らないんだよ。 衣食住だけで満足されちゃ、世界は回らない。 官僚の家系 霞ヶ関 個性だのアイデンティティーだのと騒ぎ立てる世間の悩み 自立してない子供 ただのマリッジブルー 自立と成長について 家に帰ってガキの顔を見りゃ何だか生きてる張りも出てくる 会員制のテニスクラブ もう三十一だから。遊び足りないって年でもないし 一卵性双生児の場合を除いて、まったく同じ遺伝子を持つ人間が存在する確率って知ってます?人類の歴史を三回やり直すんだろ? 「同じことだよ。男にとって、女性を慰めるのと、口説くのとの間に大きな違いはない。猿と人くらいの違いしかない」「何のサークルだったかな。忘れちゃったよ。テニスとか、何かその手のサークルだったけど、本当の目的は生殖だね。だから主催しているほうだって、名目なんてどうでもよかったんだろう。そういう、どこにでもありそうなサークル」「恋は拾うものだし、買うものですよ。拾ったものに、買ったものに、そう名前をつければいいだけです。まったく」崩れて、そこから現れたものに僕は名前をつけた「愛してる」

0
2015年10月02日

Posted by ブクログ

すごく独特の文体というか、恋愛小説を描くイメージがなかった作家さんだけに、期待度は高かった。
終わり方がすっきりしていたから続編がある感じじゃなかったけど、続編読んだ方がすっきりしなくなっちゃったかも。

0
2015年09月14日

Posted by ブクログ

とある青年の恋物語.この手の話に疎い僕にはラブストーリというよりお洒落な大人のファンタジーという感じ.さて,続巻では驚愕のエンディングらしいので早く読もうっと.
以下あらすじ(巻末より)
少し遅れた時計を好んで使った恋人が、六年前に死んだ。いま、小さな広告代理店に勤める僕の時間は、あの日からずっと五分ズレたままだ。そんな僕の前に突然現れた、一卵性双生児のかすみ。彼女が秘密の恋を打ち明けたとき、現実は思いもよらぬ世界へ僕を押しやった。洒落た語りも魅力的な、side‐Aから始まる新感覚の恋愛小説。偶然の出会いが運命の環を廻し、愛の奇蹟を奏で出す。

0
2015年01月18日

Posted by ブクログ

情熱的でない、クールな主人公(男性)。
彼目線で淡々と進んでいくストーリーは白黒写真のように色みがない。
side-Bではそれが一気に色づくので、2冊読むべき。

0
2014年12月11日

Posted by ブクログ

物語が動き出した途端から面白くて一気に読めました。
愛とはなんだろう、と言う人間にとって永遠のテーマだと思います。

0
2014年12月08日

Posted by ブクログ

ある男が愛を取り戻すまでの物語
...のようでいてそれだけでないような
Side-B読んだら色々わかるのかな

主人公の名前がずっと出てこないのが気になった

0
2014年11月17日

Posted by ブクログ

小さな広告代理店に勤める僕は、大学生の頃に恋人・水穂を交通事故で失って以来、きちんとした恋愛が出来ない女たらし。優秀で仕事は出来るが恐ろしい女上司の下で働いている。

常に時計を五分遅らせる水穂の習慣になんとなく今も倣ってしまう彼は、最近別れた恋人にも「あなたは五分ぶん狂っている」と言われ、社会や他人と少しだけずれたまま日々を過ごしている。

ある日、プールで出会った魅力的な女性かすみに頼まれ、彼女の妹ゆかりへの結婚祝いを選ぶことに。かすみはゆかりと一卵性の双子であるが故に、常にお互いの行動や選択を意識し、境界線を見失いそうになるという悩みを打ち明ける。興味深く感じた僕はかすみと共に、ゆかりとその婚約者の尾崎氏とも交流を深めていくのだが・・・

シンクロし合うという双子の神秘的特異性は好きな異性のタイプまでも一致させてしまい、辛い想いを抱えるかすみ。その秘密に気づいたときから彼女をなんとなく意識してしまう僕。。。

side-Bに続きます。

0
2013年09月26日

Posted by ブクログ

■五分遅れたこの世界で、僕は君に出逢う

少し遅れた時計を好んで使った恋人が、六年前に死んだ。いま、小さな広告代理店に勤める僕の時間は、あの日からずっと五分ズレたままだ。そんな僕の前に突然現れた、一卵性双生児のかすみ。彼女が秘密の恋を打ち明けたとき、現実は思いもよらぬ世界へ僕を押しやった。洒落た語りも魅力的な、新感覚の恋愛小説。偶然の出会いが運命の環を廻し、愛の奇跡を奏で出す。

0
2013年07月25日

Posted by ブクログ

少し遅れた時計を好んで使った恋人が、六年前に死んだ。いま、小さな広告代理店に勤める僕の時間は、あの日からずっと五分ズレたままだ。そんな僕の前に突然現れた、一卵性双生児のかすみ。彼女が秘密の恋を打ち明けたとき、現実は思いもよらぬ世界へ僕を押しやった。洒落た語りも魅力的な、side-Aから始まる新感覚の恋愛小説。偶然の出会いが運命の環を廻し、愛の奇蹟を奏でだす。
(裏表紙紹介文より)

***

こういう(恋人が死んだ)設定の恋愛小説を読むと村上春樹の「ノルウェイの森」を思い出さずにいられない。
雰囲気もどことなーく似ている気がした・・・かな。

私は双子じゃないからわからないけど、同じ遺伝子を持つ人がいるってどんな感じなんだろう。
よくテレビとかであるように、お互いに通じるモノってあるんだろうか。
この本に登場するかすみとゆかりのように、自分たちでもどっちがどっちかわからなくなってしまうほどに。
自分が“確実に自分である”ということを他人に証明するには、公的な書類を提示する以外にどんな方法があるだろう、なんてことを考えた。

私は基本ハッピーエンドが好きなので、最後は良かったな、って思った。
(side-Bは驚愕のエンディングらしいからなんとなく信用はしてないけど。)

0
2019年01月16日

Posted by ブクログ

今年は双子によく会うねぇ。この前の月田桜子・椿子姉妹に続き、今回は日比野ゆかり・かすみ姉妹。
自分と全く同じ遺伝子を持つ人間が生まれる確立は人類の歴史を3回くらい繰り返して1人くらいは出てくる可能性がないことはないということらしく、そういう確立の世界とは別に一卵性双生児として生まれ育った彼女らは、人類のほとんどの人が遭遇しない境遇にいるわけね。
桜子・椿子に同じ言葉を同じタイミングで発し同じ行動をしてしまうところがあったけれども、ゆかりとかすみの場合もそう。それが別々の人生を歩みだすのは、多分別々の男を好きになってその人と一緒になるところあたりからじゃないかと思うのだけど、しかし、かすみの場合はゆかりのフィアンセを好きになり、今までの自分とはまったく別の人間になりたいと…。
そういうかすみと出逢った主人公の<僕>は大学時代に恋人を事故で亡くした過去をもつ26歳。
そこそこに仕事し、ほどほどに女と遊ぶ「器用でそつがないけれど、結局は中身のない女たらし」と自嘲する。そんな二人が少しずつ距離を縮めていって…というside-A。
2分冊で必ずside-Aから読んでくださいとか書いてあって、「イニシエーション・ラブ」に懲りたウチの家族は疑心暗鬼だけど、それよりかはまあ普通の恋愛小説っていうことで(side-Bへ続く)

0
2015年04月04日

「小説」ランキング