【感想・ネタバレ】知識創造企業のレビュー

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Posted by ブクログ 2021年08月11日

日本企業の成功は「組織的知識創造」、つまり組織的に新しい知識を創り出し、内部で広めた上で製品やサービスとして具体化させる能力、にあるとするのが主旨。
中で紹介される形式知と暗黙知の概念、四つの知識変換モデルは非常に有名。主題理論だけではなく、西洋哲学史からの「知」の変遷についても解説されており、勉強...続きを読むになる。
内容がそもそも難解な上に実例の紹介にもたっぷりと紙幅が使われているために長い。読むにはかなり気合いがいるが、20年以上前の本とは思えないほどに鮮やかな理論。読んで良かった一冊。

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Posted by ブクログ 2020年05月10日

改めて20年以上前の本を再読、やはり良書はさすがだと思う。 文句なしの★5つである。

この本は僕が会社に内定した際に会社側から提供された本の中の一つで当時あまりに感動して、そのままずっと保持している本である。学生から社会人になる際に「こんな知的な本を読むのか、知識創造とはすごいプロセスだ」とものす...続きを読むごく感動したことを今でもよく覚えているし、それは再読した本日も改めて思った。

野中郁次郎先生は、「失敗の本質」を書かれた共著者であったり、スクラム開発の考え方の根本を提示された方であったり、本当に自分の人生に大きな影響を与えた方ですが、先日読んだ「直観の経営」にもありましたが哲学の話、失敗の本質の話、そしてあまりにも有名な暗黙知/形式知のSECIモデルの話含めて、やはり改めて今になってもこの本はたくさんの方に読んでいただきたい。

そんな中で、改めて抜粋する部分は、序文にある。1986年の『The New New Product Development Game』に記載された内容をかみ砕いている。
少し長いが、お付き合いいただきたい。

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1986年の『The New New Product Development Game』の論文の中で、日本企業の新製品開発の速さと柔軟性を描き出すために、「ラグビー」のメタファー(比喩)を用いた。開発中の新製品を、一団となって走るチームがパスしながら進めるラグビーのボールに見立てたのである。(中略)

ラグビーのアナロジーを続けよう。「ボール」に注目しながら、我々が何を言いたいのかを説明したい。チームがパスでまわすボールの中には、会社はなんのためにあるのか、どこへ行こうとしているのか、どのような世界に住みたいのか、その世界はどうやって実現するのか、についてのチーム・メンバーの共通理解が入っているのである。きわめて主観的な洞察、直観、勘などもその中に含まれる。つまり、そのボールの中に詰まっているのは、理想、価値、情熱なのである。
次に、ラグビーで「どのように」ボールがパスされるかに注目してみよう。リレー競争の走者へ手渡されるバトンと違って、ラグビーボールはある一定のやり方では動かない。リレーのように順次線形に動くのではない。ラグビーボールの動きは、フィールドでのチーム・メンバーの連携プレーから生まれてくるのである。 それは、過去の成功や失敗の積重ねの上に、その場その場で決められる。 それはチーム・メンバー間の濃密で骨の折れる相互作用(インタラクション)を必要とする。
その相互作用のプロセスが、日本企業の中で知識が組織的に創られるプロセスによく似ているのである。この本で述べるように「組織的知識創造」は体験や試行錯誤であると同時に、アイデアを生み出す思考や他者からの学習なのである。またそれは、アイデアにかかわるだけでなく、アイデアル(理想)にもかかわるのである。

P115
私がメンバーにいつも言っていたのは、我々の仕事はリレー競争のように「おれの仕事はここからで、お前の仕事はそこからだ」というようなものではないということでした。全員が初めから終わりまで走らなければならないのです。ラグビーのように一緒に走り、ボールを右へ左へパスしながら、一団となってゴールに到達しなければならないのです。

P140
『ハーバード・ビジネス・レビュー』掲載の“The New New Product Development Game”で、今日のように変化と競争の激しい社会では、この重複的なラグビーアプローチは、スピードと柔軟性の点で圧倒的な強みを持っていると論じた。
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このラグビーアプローチ、は、すごくしっくりくるのですが、それがなぜ後日スクラムというメタファーになったか、は、結局よくわかりませんでしたが。

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Posted by ブクログ 2017年06月11日

野中郁次郎先生の金字塔。
SECIモデルを理解するならこの本から。
ミドルマネージャーが成長し続け機能する組織に大事なのがよくわかる理論です。

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Posted by ブクログ 2016年10月26日

またまたコヒーレンス。でも、さすがに学者さんなので、すごく綺麗に整理されていました。アプローチが20世紀風じゃないので、慣れてない人はかったるいかもしれないけど、このアプローチだからこそ、この「答え」に辿り着けたんだよ。
これを実践するのが僕らの役目だね。

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Posted by ブクログ 2016年06月07日

野中郁次郎先生の名著。組織における知識の創造プロセスにおけるミドル・マネージャーの役割をとらえ返している。そうしたプロセスについても丁寧に概念化することで内容に厚みが持たされている。定期的に読み返したい。

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Posted by ブクログ 2016年01月29日

野中先生、ナレッジマネジメント、SECIモデルというキーワードに触れたらまずこの本を読んで欲しいです。日本企業が得意としてきた組織的な知識創造の型をモデル化した内容で、事例としては日本を代表する電機メーカーや自動車メーカーを取り上げていますが、業界問わずどの企業にも応用可能な理論だと思います。ちょっ...続きを読むと読むのが大変ですが「積読」の最初の候補にしたい一冊。(和田)

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Posted by ブクログ 2015年01月25日

学術的過ぎてよくわからなかった。
この手の本を、普通に読み慣れている人にはキツイ。
かなり読み慣れていないと、理解は難しいと思う。

とはいえ、購入してしまったので、2度3度と読み直して理解に努めたいと思います。

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Posted by ブクログ 2015年01月14日

今さらながらの野中郁次郎、だけど今だからこその野中郁次郎でした。知っているつもりで積読で放置していたのを解消しました。いつもロナウジーニュやメッシ、そしてネイマールと優れた個を常に迎えつつ、でもチームとして一貫したサッカーに磨きをかけていて、しかもそれが個人の存在感をさらに光らせているバルサこそが組...続きを読む織の理想形か?と憧れているのですが、日本の会社もバルサになりうる、というかもはやバルサになっている組織もあるかも、と希望を持ちました。年末の青色ダイオードのノーベル賞受賞により、イノベーションにおける「個」VS「組織」というテーマにもまた注目が集まっていますが、単純にアメリカ型になるだけではない我々のブレイクスルーを創造するための背骨になりうる本だと思います。

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Posted by ブクログ 2014年08月16日

組織的知識創造を計画・実行するためにとるべき七つのガイドライン

1.知識ビジョンを創れ
2.ナレッジ・クルーを編成せよ
3.企業最前線の濃密な相互作用の場を作れ
4.新製品開発のプロセスに相乗りせよ
5.ミドル・アップダウン・マネジメントを採用せよ
6.ハイパーテキスト型組織に転換せよ
7.外部世...続きを読む界との知識ネットワークを構築せよ

これらを実現する基礎段階として、総合し、乗り越えなければならない二元論。

1.暗黙的/明示的
2.身体/精神
3.個人/組織
4.トップダウン/ボトムアップ
5.ビュロクラシー/タスクフォース
6.リレー/ラグビー
7.東洋/西洋


具体的ケースが豊富で、最終章で上記のように整理されていて、理論は非常に分かりやすい。18年前の作品だが、学ぶものはかなり多かった。

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Posted by ブクログ 2012年03月17日

マーケティングの傾倒本。
経営とは商品開発と組織開発の両輪であることを教えてくれた本。
良い企画、再現性はチームレベルで発揮されないと意味がない。

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Posted by ブクログ 2012年02月27日

年齢,性別,職業,地位を問わずにオススメ.
誰が読んでも得るものは多く,大きいとおもう.
分厚く,400ページもあるがそれほど苦にならずに読める.
内容は,日本企業がなぜここまで強いのかということを理論と実例を使って見事に説明したものである.
そんなものがなぜ年齢や職業を問わずにオススメできるのか?...続きを読む
それはタイトルにもあるようにこの本が「知識を創造する」ダイナミズムを初めて扱った本だから.
従来の自然科学的方法論では扱いきれなかった「暗黙知」に焦点を当て,社会科学的手法を用いて見事に分析していることを私は非常に高く評価したいと思う.
私のいる心理学の世界にも,このような流れは明白で,「拡張による学習」「状況論的アプローチ」「状況的行為」「グループダイナミクス」といったキーワードの重要性が増してきている.パラダイムシフトの中にあるといってもいい.15年後サイモン型の人間-情報処理システムを追求する心理学はどうなっていることだろう.

ちなみにこの本は日本人によって英語で書かれたもの(しかも初出はあのハーバード・ビジネス・レビュー)を別の日本人が翻訳した物であって,まずはじめに海外で評価された本である.日本での発売は1996年で,ずいぶん前だが,全く色あせることはない.名著.

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Posted by ブクログ 2012年02月19日

普段の仕事の仕方、組織の見方が変わります。一人一人が愛おしくなります。また、前半の哲学の変遷についての説明も抜群にわかりやすかった。

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Posted by ブクログ 2012年01月15日

”日本が誇るもの、それは知識”

卒論文献として何回も読み返した。そして、これからも大切にしたい本。
まだまだ深く読めていないところもあるから、どんどん深めていきたい本でもある。

日本の経営理論の中で、日本発経営学書として世界と橋渡しができた類い希なる一冊。 もう十数年前の作品であるのに、考え...続きを読む方は色褪せないと思っている。
(事例は古いのは仕方ないことではあるが。。。)

「日本企業はなぜ世界とも戦えるほど競争力をつけれるようになったのだろうか?」という問いから始まる。(1996年に出版)
それは、日本企業は日本型のイノベーションを形成しているからということであるとのこと。筆者は提唱したのが、知識創造理論である。

知識を語る上では、哲学分野にも大きく踏み込まなくてはいけない。プラトンやアリストテレス、デカルト、ロックなど様々な思想がまさにそれである。

本理論は知識が大事であるかということを説いたわけではなく、いかに、知識を活用し競争優位性を築くかが鍵となっている。

そして、知識には2種類があり言葉にできない知識である「暗黙知」、文面などで伝えることができる「形式知」が存在する。
それをうまく暗黙知を形式知、形式知を暗黙知へと回転させ、スパイラル化し、知識を創造することができるということ。 それを実例を踏まえた上で、論じられていく。

知識創造理論はここから始まった。

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Posted by ブクログ 2012年01月12日

結論から言おう、噂に違わぬ名著。学ぶべき事の多い書だこれは。
かの戦略論者マイケル・ポーター氏に「経営理論の真のフロンティア」(訳者あとがきより)と言わしめた日本発の経営理論書である。
本書は、認識論を紐解き西洋と日本における知の解釈を理論的に分析・解析するところから始まる。
この章の理論展開は、非...続きを読む常に難解でよみながら幾度と無く読み返す必要がある訳であるが、最終的に読み終わってみると肝心で著者も読飛ばしても大丈夫のような記述があるが是非読んで頂きたい。
まるで、学生の頃には難解で全てを理解出来なかった日経新聞が日々読むうちに自然とその内容が、理解出来、咀嚼されていく感覚である。
本書は、いまや世界に羽ばたくグローバルな日本企業が如何にイノベーションを生み出してきたか、またその事実を一般理論化し今後どのようにイノベーションを発生させるスパイラルにのせて行けばよいかを理論的に説明しつくす。
また、本書は失礼ながらポーター氏の書籍の如く記述がしつこい為、読後の定着が良い。ように思われる。
また読み返したい。

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Posted by ブクログ 2021年03月27日

第3章の理論篇、第4章の松下電器の実例のみ精読。
全体的なコンセプトやエッセンスは理解できた。
実際、知識創造経営のプロセスは言い古されており、完全なる真新しい突飛な概念は見つけられなかったのが正直なところである。

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Posted by ブクログ 2021年02月28日

形式知と暗黙知のモデル、また組織で学習するというコンセプトは、時代が変わっても陳腐化しないであろう。必読の良著

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年05月05日

野中郁次郎氏の名著
初めて読んだが、2章は特に腑に落ちた
日本人、東洋人の経営への考え方を知るには、儒教の流れを見るべきかもしれない
西洋の仮説思考が日本に合っているのかどうか
暗黙知や集合知を重んじる日本企業の戦略とはどうすべきか
考えるきっかけになる一冊
名著なので、その時々で気づきが違いそうな...続きを読む気がするので、再読予定

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Posted by ブクログ 2019年01月20日

Morning Bee題材。mtv氏にすすめられて。

大学人ならではのアカデミックさがあるんだけど、そこはかとないアツさもあると感じた。

第二章は正直どうしようかと思ったけど、というかくじけそうになったんだけど、そのまま読み進めて良かった。

今の自分の課題に対してのヒントがいろいろあったように...続きを読む思う。特に、キャリアパスに関して。

Morning Beeの題材としてもいい選択。

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Posted by ブクログ 2017年07月03日

密接なつながりを持って暗黙知を共有しよう。
つながりがなくなっていっている今の暗黙知はどうしましょう。

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Posted by ブクログ 2015年09月06日

●知識創造の3つの特徴
1)表現しがたいものを表現するために比喩や象徴が多様される。
2)知識を広めるためには、個人の知が他人にも共有されなければならない。
3)新しい知識は曖昧さと冗長性のただなかで生まれる。

●個人知から組織知へ
我々は組織的知識創造という言葉を使うが、個人の自発的行動とグルー...続きを読むプ・レベルでの相互作用がない限り、組織それ自体では知識を創ることはできない。

●知識創造の主役
知識創造はだれが責任をもって行なうのだろうか?日本企業の特徴は、知識創造の任務を独占する部署や専門家グループがいない、ということである。第一線社員、ミドル、役員の全員がそれぞれの役割を果たすのである。しかし、それは役割が同じということではない。新しい知識は、彼らのダイナミックな相互作用の成果なのである。
知識創造プロセスにおけるミドル・マネジャーの役割は重要である。彼らは、第一線社員の暗黙知とトップの暗黙知を統合し、形式知に変換して、新しい製品や技術に組み入れるのである。日本企業で実際に知識創造プロセスを管理しているのは、ミドルマネジャーなのである。

●日本企業の知識創造の特徴は、せんじつめれば、暗黙知から形式知への変換にある。ある個人のきわめて主観的な洞察や勘は、形式知に変換して社内の人たちと共有しないかぎり、会社にとっては価値がないに等しい。日本企業は、とくに製品開発でのこの暗黙知から形式知への変換が得意なのである。

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Posted by ブクログ 2014年10月16日

日本における…というか、世界的なナレッジマネジメントの巨匠・野中郁次郎氏。
本書はその古典であり教科書的位置付けのもので、読んでおくべき一冊だと思います。

…とはいえ、自分は本書の核となる内容がまとめられた「ナレッジ・クリエイティング・カンパニー」という論文(ハーバード・ビジネス・レビュー掲載)は...続きを読む熟読したものの、本書は拾い読み程度ですが。

知識創造理論は、1990年代に野中氏らによって提唱されたもので、日本企業のイノベーション事例の成り立ちを分析したことから始まりました。
調査の結果、欧米的な考え方では日本のイノベーションの説明が十分にできないという疑問が生じ、欧米的組織は形式知を用いる情報処理型であるのに対し、日本的組織は暗黙知から形式知への変換を行う知識創造型であると結論付けました。

このような経緯から、知識創造のスパイラル・プロセスを示した「SECIモデル」が生まれます。
そこでは、知識には「暗黙知」と「形式知」という二つのカテゴリーに分けられ、両者の相互作用(暗黙知⇒暗黙知:共同化、暗黙知⇒形式知:表出化、形式知⇒形式知:連結化、形式知⇒暗黙知:内面化という4つの段階)を経て、新たな知識が生み出されると指摘しています。

また、知識創造の特徴として、①表現しがたいものを表現するために、比喩(メタファーやアナロジー)や象徴が多用される②個人の知識が他人にも共有される③新しい知識は曖昧さと冗長さのなかで生まれるということです。

哲学的な内容を多く含む上、400ページにもなる書籍ですので、読むのは結構大変だと思います。
なお、本書の“ケーススタディ”編として、「イノベーションの本質」が大変読みやすく、知識創造のプロセスが具体的に13事例紹介されており、ミドルアップダウンの重要性なども理解できると思いますので、そちらと合わせて購読されることをオススメします。

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Posted by ブクログ 2014年10月02日

知識の創造に焦点をあてた企業経営の本。約20年前の出版なので内容は少し古いが、考え方は今も押さえておくべき基本的な教科書。

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Posted by ブクログ 2013年12月16日

積み上げ式に議論が展開され、例も豊富のため理解はし易い。
SECIモデルのキレは言うまでもない。ミドル・アップダウン・マネジメントという誰かが先に思い付いていそうな概念も、知識創造という文脈で用いることで、より説得力のある議論になっている。
ただ、ハイパーテキスト型組織は疑問・・・。
本書の価値は従...続きを読む来より意思決定や実行面ばかりにフォーカスがされていた組織論において知識創造のモデル化を行い、知識創造こそ競争優位の源泉であると認識させたことにある。

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Posted by ブクログ 2013年05月18日

形式知・暗黙知を定義。
知識創造企業では、形式知・暗黙知を繰り返し業績が向上していく様を学問的に指摘している。
暗黙知は、日本の師弟関係に見られる、見て盗む知識形態である。
形式知は、知識・ルールを明文化し全員共通化し定着する形態と定義した。
知識創造がうまく回っている企業は、この理論通り形式知・暗...続きを読む黙知の循環によりさらに上のレベルに向かっていくことができるであろう。

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Posted by ブクログ 2012年02月06日

分かりやすく先行研究を説明しながら鋭い批判、そして豊富な事例と丁寧な検証など、学術書としては非常に読みやすく(読みやすいがビジネス書ではない)、楽しめた。

内容としては非常に学際的で、経営学はもちろん、哲学から認知科学、教育学、組織論まで幅広く取扱いながら、企業(特に日本)における知識創造のプロセ...続きを読むスを説明する。

丁寧に読めば様々な示唆に富む一冊である。私見だが、興味深くてそして新しいコンセプトを次々と展開しわくわくさせられた。これが第一版から15年以上経っているとは思えない。

色々なジャンルの新書を読む方、学際的な考え方に興味を持つ人にはお勧めの本である。

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Posted by ブクログ 2021年10月20日

野中先生のSECIモデルを学びたく手に取ったが、日本語版へのあとがきの中の以下の一文がもっとも印象的であった。
『たとえどんなにその情報処理能力が優れていても、人間不在の情報システムが吐き出すものは、データや情報とは呼べても知識とは言えない。なぜなら、知識の背後には常に人間の「思い」がなければならな...続きを読むいからである。あくまで人間を中心に、情報技術を知識創造の道具として使いこなさなければならない。』

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Posted by ブクログ 2018年10月23日

知識ではなく、知識創造が利益を生み出す。従って、効率よく知識創造できる組織構造が企業の競争力となる。この本は、この前提により、「効率よく知識創造できる組織構造」とはどのようなものかを考察する。主張は理解できるが、ケーススタディに登場する企業がその後、未曾有の危機に立たされた例が多く、理論と現実の世界...続きを読むに乖離があるようだ。

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Posted by ブクログ 2015年05月24日

ハイパーテキスト型組織、つまり、プロジェクト・チーム、ビジネス・システム、組織ベースというレイヤーに要員を分けて配置する考え方が面白い。

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Posted by ブクログ 2015年04月26日

企業における知識そのものではなく、「知識の創造」プロセスに着目した研究が画期的、とのこと。



<目次>
第一章 組織における知識 ――序論
 1 競争力の源泉としての知識に関する最近の議論
 2 日本的知識創造の特徴
 3 暗黙知を形式知に変える
 4 知識創造の三つの特徴
 5 知識創造の主役...続きを読む
 6 ここからの旅路
第二章 知識と経営
 1 知識とは何か
 2 プラトン vs. アリストテレス ――西洋認識論の基礎
 3 デカルト vs. ロック ――大陸合理論 vs. 英国経験論
 4 カント、ヘーゲル、マルクス ――統合の試み
 5 二〇世紀における「デカルトの分割」への挑戦
 6 日本における「知」の伝統
 7 経済・経営理論における知識 ――はじめに
 8 経済理論における知識
 9 経営・組織理論における知識
 10 新しい統合を目指して
 11 組織的知識創造理論の必要性
第三章 組織的知識創造の理論
 1 知識と情報
 2 知識創造の二つの次元
 3 知識変換 ――暗黙知と形式知の相互作用
 4 知識変換の四つのモード
 5 知識の内容と知識スパイラル
 6 組織的知識創造を促進する要件
 7 組織的知識創造のファイブ・フェイズ・モデル
 8 まとめ
第四章 知識創造の実例
 1 歴史的背景
 2 ホームベーカリーの開発をめぐる最初の知識創造スパイラル
 3 第二の知識創造スパイラル
 4 知識創造を促進する要件の強化
 5 まとめと含意
第五章 知識創造のためのマネジメント・プロセス
 1 トップダウン・マネジメントとボトムアップ・マネジメント
 2 ミドル・アップダウン・マネジメント
 3 三つの経営モデルのケース・スタディ
 4 ナレッジ・クリエイティング・クルー
第六章 新しい組織構造
 1 伝統的な組織構造への批判
 2 統合の試み ――軍事組織の事例
 3 統合を求めて ――ハイパーテキスト型組織
 4 花王 ――ハイパーテキスト型組織へ「移行している」ケース
 5 より完璧なハイパーテキスト型組織としてのシャープ
第七章 グローバルな組織的知識創造
 1 日産のプリメーラ・プロジェクト
 2 新キャタピラー三菱のREGAプロジェクト
第八章 実践的提言と理論的発見
 1 主要な発見のまとめ
 2 実践上の含意
 3 理論上の含意

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Posted by ブクログ 2012年01月16日

知識は、暗黙知と形式知に分かれる。知識の蓄積、創造は、個人の役割。それを促進するのが、組織の役割。暗黙知と形式知は、共同、表出、内面、連結と四つの知識変換を行う。

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