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男の一代記としては非常に面白い。波乱万丈という言葉がとてもしっくりくる。こんなに近代日本の発展に貢献した人物なのに、あまり知られていないのは、やはり易者というものに何かいかがわしいイメージが付きまとうからなのかもしれない。
文中にある易断が果たして本当のものなのか、それとも事後に書きくわえられたものなのか、参考文献が関係者の著作というネックはあるが、そこは小説として読めば大した問題にもならないかと思う。
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こんな人がいたこと自体知らず…高島町を利用してただなんて。
ただ開港に絡んだだけではなく、明治という激動の時代に、易学を極め、その後の戦争の艦隊撃破のアドバイスまで。。。すごい人だ
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横浜・高島町にその名を残す高島嘉右衛門の生涯を描いた本。事業家の面よりも易聖・高島嘉右衛門の易占の話が詳しい。従来抱いていた山師的なイメージがかなり変わった。
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明治維新を陰で支えた商人がいた。
彼は易聖と呼ばれ、明治初期の英雄達と親交を持つ。
1人の商人の目線から見る明治維新というのがなかなか興味深く面白い。
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【文章】
読み易い
【気付き】
★★★・・
【ハマり】
★★★★★
【共感度】
★★★★・
「"人によっては" 当たるも八卦当たらぬも八卦」
占い師としての実力はもちろん、商人としても実力も備えていた。
伊藤博文など、明治維新の中心ともいえる人物達と交流を持っていた。
渋沢栄一との交流は書かれていなかったが、実際に交流は無かったのだろうか?
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江戸末期に生まれ、横浜高島町に名を残す易者、高島嘉右衛門。父のときから世のために尽くした一生。決断力、行動力を合わせ持ったすごさを感じる。
先祖の行いの報いで自分に出るのだという言葉に、自分が子孫(できればだが)に悪い影響を与えぬよう精進したいと思う。逆にいまを無事に五体満足に生きられることを先祖に感謝せねば。
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高島嘉右衛門は高島易断の創始者であり、明治時代に横浜を作った男の一人としても有名です。みなとみらいの近くに高島町という駅がありますが、このあたりの地名はこの人の名前からとっているのですね。
易者というと、その能力で危機回避したり、人を占って収入を得て生活していくというイメージを持ってしまいます。もちろん将来を判断するのに易を使います。本を読むと、彼の判断や行動力は、実業家そのものだということがよくわかります。明治の横浜は外国人が数多くいたのですが、新しい町である横浜には金持ちの外国人が泊まれるような高級旅館がないと見るや、作ってしまう。料理人や下女も歴史のある料亭や旅館からスカウトしてきてしまうのですね。そうやって伊藤博文や大隈重信、陸奥宗光と言った明治時代のトップと親交を深めていきます。他には鉄道を引いたり、ガス灯を作ったり、風俗街まで(!)作ります。自分の利益も狙いますが、同時に明治期の日本の発展を願って、さまざまな事業に手を出していきます。
占いの精度もすごいですが、それを信じきる心の強さは並大抵ではない。高島嘉右衛門のダイナミックな男の生きざまが感じ取れる一冊です。
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日本発の鉄道建設にあたり横浜側の海の埋め立て工事をしたり、ガス灯を作ったりして開港後の横浜の発展に大きく貢献した高島嘉右衛門の一代記。実業家としての嘉右衛門の魅力が良くわかった。一方で、易聖としての嘉右衛門の活躍として物語の展開に沿って多くの占例が記されているが、門外漢にはどこまで信じて読めばよいものか不明。嘉右衛門と伊藤博文の交友や西郷従道と弁天のお雪のサイドストーリーは面白かった。易占に思い入れの深い著者ならではの本。
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江戸末期~明治の政商・政権癒着の占い師の伝記的小説。江戸期の苦労話はまあ面白い。明治政商期はだんだん面白くなくなる。特に後半はいかに占いが当たったかメインなので小説としてはつまらない。ある意味、最初の父の嘉兵衛が鍋島・南部両藩を向こうに回しての活躍部分が一番面白いかも。
高木彬光もこういう実録的な作品はあまり得意ではないのかな?高木氏自らも研究したという易にとらわれてしまっているようだ。そうなると対象を見る目も曇ってしまう。こういう小説は友人である山田風太郎(明治物は傑作)にはちょっと及ばないようだ。