感情タグBEST3
Posted by ブクログ
こんなにクラクラくる官能的な話は久しぶりです。腰砕け。
売れっ子ミステリー作家穂高先生×担当編集桜井透也。この穂高が作品も素晴しければ、容姿も素晴しい。でも、ちょっと気難しくて担当編集が長続きしない。そこで、真面目で仕事もできる透也が抜擢されることになるんですが、やはり手ごわい。透也は親しくなろうと努力しますが、上手く説得できなくて、原稿欲しさのあまり、原稿と身体を交換条件に賭けをしてしまいます。
はじめはありきたりな話だなと思いながら読んでましたが、読み進むにつれ、もう煽られっぱなしに。
透也は、もともと穂高の作品のファンだったけれど、婚約者の美和もいるし、まさかそんな関係になろうとは思いもよらなかったせいで、最初は穂高に対する失望と拒絶感でいっぱいです。それでもかなり無理矢理に言葉攻めも激しく穂高が襲っちゃうんです。その言葉攻めが素晴しい。作家だから天性?
そんな初夜だったにもかかわらず、透也は関係が深まるにつれ穂高が忘れられなくなってしまいます。後になって自分が恋していることに気づくんですが、真面目な上に何しろ身体の関係から始まっているので、禁忌を犯しているとしか考えられない。与えられる深い快感を、透也はなかなか受け入れることができません。
罪っていうのは、躰が心を裏切り、美和にウソをついでまで穂高に走る淫らな自分が許せない透也の自嘲です。透也の逡巡するせつない気持ちにも、ものすごく萌えます。
濡れ場までの煽られ方がハンパない。上手いです。
最後、透也が穂高も自分に溺れて欲しいと願い、なりふりかまわず彼の元へ走ってくれたので、よかった…意外に穂高は天然?
罪シリーズ、「有罪」は二人の出会いが描かれていて、この後「原罪」「贖罪」「堕罪」と続きます。
Posted by ブクログ
桜井透也は出版社の編集5年目にして、念願の、ミステリー作家・穂高櫂の担当に抜擢される。だが会社命令で、予定より早く本を出すことに…。気難しい穂高を説得するうち、透也は原稿と交換条件に穂高と肉体関係をもってしまう。仕事のための恥ずべき行為だったはずが、身体が感じてくるにつれ、透也の心は、次第に戸惑いと、苦しさを感じはじめて――…?切ない大人のラブストーリー
※2002年ムービック刊を文庫として再刊。表紙イラストレーション&ショートストーリーを書き下ろし。