感情タグBEST3
Posted by ブクログ
漢字が日本語の中に入っていることが,日本語を学ぶ外国人にとって非常に学びにくくしている.中国周辺国では漢字に対抗してそれぞれ独自の文字を発明している事実がある由.テュルク(突厥)文字,タングート(西夏)文字等の紹介があるが,ハングルが朝鮮語を音で表す言葉として発明されたのが最も身近な例だろう.支那という語は今日ではあまり使われなくなっているが,シナ語というのは使うべきだとしている.中国に存在しているのは,シナ語,チベット語,モンゴル語やウイグル語で「中国語」は無く,ロシア語がソ連語と称されなかったのと同じ理屈だと述べている.「聞いただけでは意味がわからず,目で見なけれわかない文字でで書いてあるような,つまり,外国人には想像もできないような文字言語」--ではない日本語を広めたいという著者の意見に大賛成である.
Posted by ブクログ
日本語は漢字で考えるということは面白いしてきである。中国語と日本語の共通点を漢字で考えることでわかりやすいと考えていたがそうではなかった。英語の学習を文字で考えるから会話ができないということはあたっていると思われる。
Posted by ブクログ
良書。漢字のよくない面を取り上げており、漢字大好きの自分にとってはおもしろくない内容のはずだが、これがかなりおもしろかった。この著者のほんをもっと読んでみたくなった。
Posted by ブクログ
日本語は漢字に毒されている。廃止すべきだ、という議論である。
言語の本質は音であり、表意文字である漢字と表音文字であるひらがな、カタカナが並存することで、言語のリニアな構造が断ち切られる。
それは、言語として不自然なことだと、筆者は言う。
これに加え、筆者が熱心に漢字を廃止せよと主張するのには、世代的なものもあるのかもしれない。
専門家が権威付けのためだけに、難解な漢語を使うのが、非民主的だという感覚があるようだ。
どちらかというと、漢字制限をなし崩し的に撤廃しようとしている現在、非常に「過激」に見える議論だと思った。
だが、貴重な意見なのかもしれない、とも思う。
水谷静夫の『曲がり角の日本語』は、将来の日本語の姿を推定し、それを使って文章を書いて提示している。
できれば、その、漢字を廃した日本語の姿を少しでもいいので提示して欲しかった。
漢字廃止論者が、結構な漢語を使っているのが若干皮肉に見えた。
Posted by ブクログ
少し年老いてきたが、著者田中克彦さんが相変わらず元気に言語における民主主義のために発言されている。学問的厳密さはないのかもしれないが、ユーラシアからの歴史観による漢字文化圏を相対的に見る視点、漢字という表意文字の持つ魔力などなど、刺激されることの多い本です。
Posted by ブクログ
言語は使いやすくおおらかで親しみやすいものがマーケットで選ばれる。複雑怪奇、きわめて難しい言語である日本語は決してスタンダードにはなりえない。窒息するような難しさは外国人にはまず無理。とりわけ、医学用語は、医術の秘儀性、患者との距離を広げようとしたのか、難解極まりない。漢字の難しさが外国人の医療現場への流入を妨げているとも言われている。明治の初期すでに森有礼が日本の公用語として英語を導入しようとしている事実は興味深い。国際的場面で日本語は窮地に追い込まれている。漢字の多用は言葉の力の貧しさなのであると深く自戒しなければならない。
Posted by ブクログ
志賀直哉の復刻版かと思ったら田中克彦だった。昔から漢字廃止論があるのは知っていたし、私が今住む地では事実上廃止されている。しかし日本語と韓国語では音韻・文字体系が異なるので、日本語では現実的でないと思っていた。日本語の表記法が優れたものとは思わないし、筆者の言わんとすることも分かる。それでも、唯でさえ弁当箱と一部で揶揄される京極夏彦本が正立方体になり、片手で持てなくなるという一点において私は反対だ!(笑)途中苛ついたが読後感は悪くない。どうやらツラン文化圏のロマンにやられたようだ。トルコ語でも勉強するか!
活字好きには、かなり挑発的なタイトルだなあ。^^;取り敢えず、お手並み拝見! 2012年09月08日