【感想・ネタバレ】女神の聖地 伊勢神宮(小学館新書)のレビュー

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Posted by ブクログ

 女性という視座から伊勢神宮に迫る一冊で、その切り口が大変に面白いと思いました。
 世界的にみても神話の最高神が女神であるのは珍しいと、以前に何かの知識で知りましたが、そんな日本・日本神話だからこそ、女性という視点から見たものを読んでみたいと思っていましたので、その知的好奇心を満たしてくれる本でした
 女性だからという雰囲気で括られていた箇所もありましたが、そういったところについてはもう少し掘り下げた考察や研究があればより満足が得られたと感じました。

第一章 「つよからぬ」女性の力
 持統天皇という女帝の時代に始まった式年遷宮。20年に一度の建替えを繰り返すことにより永続を可能とした式年遷宮という様式に、安定性・柔軟性の女性原理を見ます。
 伊勢神宮の祭典に欠かせないアワビを採る志摩地方の海女さん。海の恵みを取り尽くさない海女さんたちの海の掟にも永続性の通底を感じながら、鳥羽市相差町の石神さんの話にも触れています。

第二章 女たちの伊勢神宮
 斎王の歴史、式年遷宮の始まりについて、ほとんど知らないことだらけでしたので、伊勢神宮にまつわる朧げな微かさな自分の知識をしっかりと網の目のように繋ぐことができました。

第三章 女神をまつる伊勢神宮
 神宮は、内宮、外宮、別宮14社、摂社43社、末社24社、所管社42社の計125社からなります。その神宮125社のなかで女神を祀る神社は43にのぼるといいます。
 内宮の天照大神、外宮の豊受大神をはじめ、女神に大きくスポットライトをあてて神宮をみています。

第四章 式年遷宮
 著者は前回の式年遷宮を取材されています。間近で式年遷宮を見てこられたからこその式年遷宮の空気感や式年遷宮を支える人々についてを伝えています。

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2022年01月23日

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