【感想・ネタバレ】昭和天皇 第三部 金融恐慌と血盟団事件のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

現在文芸春秋連載中の大河小説の3巻目。「彼の人」昭和天皇は父大正天皇の死去とともに即位した。年齢わずか25歳。 その数年前欧州を歴訪した若き天皇は「奥」の改革をしたり、新聞を広く読み世情を知ろうとした。
 しかし1年も経たないうちから金融恐慌や中国との武力衝突、張作霖暗殺事件と難問が積み重なる。当時の首相田中義一に不信感を抱いていた「彼の人」は張作霖事件の軍部の関与を隠し通そうとした首相に「辞任」を促す。
 伝家の宝刀の効き目はすさまじく、逆に天皇はこののち「政治」に関与することに躊躇するようになる。
こののち3月事件、10月事件、さらに血盟団事件と世情を揺るがす事件が相次ぐ中、世継たる男児の誕生が遅れて苦悩する「彼の人」に中国で満州事変が勃発、先の「反省」から軍の出兵を許可してしまう。

満州事変中弟君の秩父の宮と意見を交わす場面がある。秩父宮は軍部のクーデターは止む無し、憲法の停止を求めるが「彼の人」はすでに国家大権を総攬しているとして、要求を一蹴する。おそらく齢は30歳そこそこ。
弟から言われたことでなおさら孤独を感じたであろう。作家と同じく原敬か加藤高明が生きて、輔弼していたらと思う。日本の現在も変わっていたかもしれない。

0
2012年04月04日

「ノンフィクション」ランキング