【感想・ネタバレ】兎の眼 (角川つばさ文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ

いるかさんの本棚で見かけて気になっていた一冊。心が温まりました。1974年刊行。教師経験を持つ灰谷健次郎作。日本児童文学者協会新人賞、第一回路傍の石文学賞受賞作品。もしかしたら子どもの頃に読んだことがあるかも。塵芥処理所のある町の小学校を舞台に新卒の女性教師が個性豊かな児童たちと共に成長する姿が描かれています。22歳の小谷先生。自分がこの歳の時はこんなに立派じゃなかった汗 兎の眼とは、小谷先生の好きな西大寺の善財童子の眼。静かな光をたたえた優しいその眼を、人の眼ではなく兎の眼と見て、それを美しいと感じる小谷先生の心の美しさ。作中で出てくる小谷先生の恩師の言葉「人間が美しくあるために、抵抗の精神を忘れてはいけません」この場合の抵抗とは、周りに流されず正しいと思うことを貫く、ということなのでしょう。貴賤で人を差別せず、受持ちのクラスに進んで障害児を受け入れ、子どもたちにまっすぐ向き合う小谷先生の姿勢が、石のように押し黙って喋らない鉄三の心を開き、他の生徒やその親たちも変えていきます。YUMEさんが描く子どもたちの表情が生き生きしていてとてもよかったです

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2022年12月14日

Posted by ブクログ

とてもいい話でした。
先生は大変な事のほうが多いと思うけど、やりがいのある職業だと思います。
小学校教員を目指している娘に渡そうと思います。

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2021年08月26日

Posted by ブクログ

泣いた。
膵臓食いに続き、またしても電車の中で、人様の前で涙。
やーめーてーよー...いい話すぎるじゃんか。
ほっこりというか、じんわりというか、心温まるいい話。

どうだコノヤロ泣けるだろう、とグイグイくるのではなく、
じんわりじんわりきて、ふいに訪れる涙。

もーこういういい話は皆さんに読んでもらいたい。
汚れた心が洗われます。

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2019年07月24日

Posted by ブクログ

新任の小学校教師小谷先生が、
子供たちや地元の塵芥処理場の住人との交流を通じて、
本当に生きるという意味を見つめ直す物語。

教室では一言もしゃべらず、衝動的に見える行動を繰り返す鉄三、
その祖父バクじいさんの壮絶な過去、
傍若無人ながら魅力的な先輩教員の足立先生、
処理場の子供たちの闊達さ、逞しさ、可愛らしさ、
さまざまな要素が重層的に重なって、
しっかりとした学校ものになっている。

すっかり忘れたけど『二十四の瞳』もちょっとこんな感じだったような。

小谷先生は若くて美しいのに修行僧のようだ。

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2014年01月26日

Posted by ブクログ

教育とは福祉とは何か、それ以前のことかもしれませんねぇ。大人でも子供でも読める本です。昔日本はこういう国だったと思いました。

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2013年08月13日

Posted by ブクログ

新人女性教師と子どもたち、とくに処理場にすむこどもたちとのこころの通い、こどもたちに慕われる足立先生。塵芥処理場。

「美しくあるためには抵抗が必要」
じぶんを見つけていったときにだんだん夫とすれ違っていくあたりも、なにかを犠牲に生きていっているんだなと。
だれかの命を食べて、生きている。

C8793

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2019年03月22日

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