【感想・ネタバレ】黒山もこもこ、抜けたら荒野~デフレ世代の憂鬱と希望~のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2014年01月09日

1970年代生まれとしては、共感の持てる内容であった。我々の世代の生き辛さについての原因が、「世代間の幸福感のギャップ」や、「普通とはなにか?」を紐解くことで次第に明らかにされていく。自分は量産型ザクだったのか!?

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Posted by ブクログ 2010年06月13日

2時間ほどかけて,さらっと『黒山もこもこ,抜けたら荒野』という奇抜なタイトルの本を通読する。あまりこういった社会学的な本は読まないのだけれど(読むと立ち直れなくなるため・・),著者の出身地が相模原というぼくにも馴染みがある「郊外」であること,そして個人史的な視点から語られていることから楽しく読めた。...続きを読むとくに,「腐女子」について書かれた第四章は面白かった。政治家の密室会談の「密室」に萌えるなんて,知らなかったわあ。でも気持ちはなんとなく分かる。考えてみれば政治ほど男性原理が強く働いている場はないかもしれない。でもその男性原理って,なんと儚く脆く危ういものだろうと最近思うのです,オトコの一人として。。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

1970年生まれの詩人にして社会学者の女性が自分の成育史と重ねてバブルを体験することなく超氷河期→デフレという時代を読み解く本。社会学専攻だけにいろんなデータが用いられているが、なによりも個人の記憶に裏打ちされた内容が(若干世代は下だけれど)実感を持ってうなずける。私も一度くらいはバブルの恩恵を享受...続きを読むしてみたかったよ!偉そうに晩婚化がどうの、少子化がどうのっていう人たちはこの本読んでみるといい。ついでにこの本のごく一部ですが、Boy's Love論としても面白い。本人は違うけれど友人には多かったというだけに視点が引いてて、BL読み手/書き手の自己弁護/開き直りに走ることも男たちが興味本位に外から勝手を言うのとも違い、なかなか正鵠を射ていると思う(ホモソーシャリズム論のくだりとか、話してみたい)。それは別にして、学生時代の友達に読ませて久々に話でもしてみたくなるような一冊でした。

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Posted by ブクログ 2012年05月24日

自分は筆者である水無田さんのファンであり、彼女のことをもっと知りたいと思い
エッセーのつもりで読んだ。

語り口が軽快で、各所の表現もおもしろく、一気に読める。
内容は社会学チックだが、体系立ったものではない。

バブルを膨張期に子供時代を送り、崩壊を就職直前に経験した筆者の世代。
価値観や社会のシ...続きを読むステムの転換に翻弄された世代を
主に自身の親世代と比較しながらメタ的な視点で捉えている。

ご自身もあとがきでおっしゃっているように、私憤がこもっている面もある
(もちろん、何か対して直接的に文句を言っているわけではない)が、
ゆえにリアルにその世代の経験を感じられる。

今日は経済・社会の変動が大きく、また速い。
世代間の格差(金銭面、価値観)が大きく、また世代の区切りの幅も狭い(つまり数歳の違いが大きい)といえる。
異なる世代の価値観、生き様を知ることは、メタな視点を持って時代に翻弄されずに生きる一助になるのではなかろうか。

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

マイミクさんの紹介で読んでみた。軽妙な筆致でどしどし読み進められた、楽しくも意外と内容の深い良書。
「黒山もこもこ、抜けたら荒野−デフレ世代の憂鬱と希望」は、読み終われば秀逸なタイトルだと思ったけど、本屋で見かけて手に取るタイトルかな?と心配したり。著者と同世代なので、8割方「そうそう!」と共感し...続きを読むて読めました。以前誰かの文章で読みましたが70年生まれ前後は「オールナイトフジに代表される女子大生ブームと、その後に来た女子高生ブーム(ルーズソックスを履いたり、、)のはざま世代」という、時代の波に乗れていない世代なんだとか。
私個人としては、第三章「世代観闘争」が興味深かった。世代間のギャップについて非常に明快に説明されていて、「なるほど!」と腑に落ちた。
まえがきで「高度成長期後の日本社会の幸福史」を主観と俯瞰を交えて記録したとあるが、多岐にわたる内容は実はけっこうヘビーな問題提起なのかも、、とも思えた。
非常におすすめの新書ですが、世代を選んでしまう本かも?

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Posted by ブクログ 2019年11月08日

「高度成長期最終世代」「就職氷河期世代」はたまた熾烈な競争社会。親たちとの世代間ギャップに挟まれ、時代に翻弄され続けた70年代生まれの谷間世代。そんな世代たちの言葉にできないモヤモヤっとした感情を筆者は懸命に言葉にして伝える。

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Posted by ブクログ 2012年04月22日

詩人・社会学者が、個人史を織り交ぜながら時代を語るという本。1970年生まれの主観であることを隠さず、自らの世代の不遇を嘆くので、力強さがある。研究者として職を得ることの困難さは、切実。自分語りの部分は、私を平凡・汎用だと語ったと思えば、私は浮いていたと述懐したりと、読んでいてやや混乱したが、「それ...続きを読むでこそ個人史」と思って楽しむ方が良いか。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年04月07日

[ 内容 ]
不安、絶望、締念―「体感格差」の正体。
中原中也賞受賞、気鋭の30代女流詩人が問う、「凡庸な人生」から見える、ニッポン社会のゆがみ。

[ 目次 ]
第1章 黒山もこもこ、抜けたら荒野(思い出の人混み/人混みの思い出 あらかじめ失われた世代 ほか)
第2章 「普通」へのノスタルジア(「...続きを読む三種の神器」時代を遠く離れて 母親はお見合い結婚世代 ほか)
第3章 世代観闘争(世代論はなぜ好まれる? 日本社会は「単一的」なのか? ほか)第4章 一九八〇年代―文化系女のサブカルチュラル・ターン(不思議少女と呼ばれて 文学少女はサブカルにより更新された ほか)
第5章 自分のことは自分で決められる、の罠(選んだものが負けていく またしても過渡期の世代 ほか)

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

1970年生まれの女性詩人が自己史に重ねて語る、高度成長期以降の日本社会の変遷史。彼女の原風景は高度成長期、10代は消費社会爛熟期の'80年代、そして20代をバブル崩壊のただ中で過ごしてきたことになる。風変わりなタイトルの「黒山もこもこ」とは、第二次ベビーブーム世代の幼少期の記憶にいつもあ...続きを読むる人混みであり、「抜けたら荒野」とは、バブルがはじけたタイミングで社会に出てきた世代の実感だとか。社会の価値観の大きな転換というショックを青年前期にまともに浴びて、その後も不条理に耐えてきているということか。偶然だが、その世代の親たちもまた、戦争前後の未曾有の激動を思春期前後に体験し、価値観の混乱と転倒を通過してきているわけで、このふたつの世代は、日本社会の性質を大きく変えたシンボル的な存在かもしれない。先行世代のことはあれこれ知る機会があるのだが、後続世代となるとなかなか理解の届かないことが多いから、その秘密を垣間みられたという意味で興味深い私的社会史であり、家庭変遷史だった。

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