【感想・ネタバレ】ひそやかな花園のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

いつも思うけれど。
角田さんの文章、小説は奥が深い。
本当に人がどう考え、どう生きているか、ひしひしと伝わってくる。
このキャンプに集まった彼らはどうだろう。
たのしいキャンプだった。子供たちも、親たちも。

そうだろうか。

そこからドラマが始まる。苦悩が始まる。
でも、かれらは本当に一生懸命生きている。
美しいと思うけれど。
これは彼らのカルマなのですね。

多くの人の小説を読んで、そしてそのあとがきを読み進めると、角田さんのお人柄も垣間見えます(本書にはあとがきはありませんでした)。世話好き、お酒好き、たばこ好き。世話好き、というところ、そうかもな~、と。
あとがきって、なにげに楽しい。です。

ーーー

位置No.2633
私はね、すごくたのしいとか、すごくうれしいってことは、点だと思ってるの。そしてしあわせというのは線。ずーっとたのしいこと続きということはあり得ない。だからずーっとしあわせというのもあり得ないと思ってる。ただ、一瞬でも、一日でも、あるいはもっと漠然とでも、ああたのしかったって思えることがあったら、私はとりあえずしあわせだって。

位置No.3576
「さっききみは、焼鳥といっしょに食べるものだと言った。おれはお通しだと思ってた。どっちも微妙に違った。でも、どっちも間違ってない。

↑ これ、なにげに大事なひとこま。

位置No.4044
お礼を言いたい。会ったことのないあなた、私の世界を創ってくれて、ありがとう。おとうさんって、もう二度と呼びません。呼ばなくても、もうだいじょうぶだから。

0
2024年02月04日

Posted by ブクログ

子どもがいたとしても、いなかったとしても、ただ、生きなきゃならない自分の人生がある、ってだけ
今、この落胆さえも手に入っていなかったのだ。そう、落胆すら、手に入らなかったのだ、話そうとしなければ。向き合おうとしなければ。
ひとは、扉を開いて一歩を踏みだしさえすれば、いつでも、何度でも、あらたな世界を獲得できる。

0
2023年03月09日

Posted by ブクログ

いつもなら先に解説を読むのをうっかり忘れて読み終わった
途中途中でなに?何で?とぐいぐい読み進めた
結果、知らずに読んで良かった〜と思わせてくれた作品

0
2022年10月27日

Posted by ブクログ

 女友だち特集で紹介されてて、このタイトルを見て手に取ったら、想像していたものと違いすぎました。笑
 扱っているテーマは重いし、ミステリー的な要素も十分面白いのに、それ以上に登場人物たちの心模様に夢中になります。問題提起的な設定も、謎が晴れていく爽快感も、それぞれの人間像を描くための道具なんだろうな、と。どのキャラクターもリアリティがあって、それ故魅力的で、多視点を味わえる小説というものの面白さを改めて思い知らされました。

0
2021年05月05日

Posted by ブクログ

面白そうなので、手に取った作品だが、あまりに壮大な内容に、どう感想をかけばいいのか分からない。 デリケートなテーマに対して、真っ向からこうも挑める作家はなかなかいないのでは。 どう、生まれたかより、どう生きるか。 出自も血縁も関係なく、一番大切なのは、正にそうだと思う。

0
2021年03月24日

Posted by ブクログ

これまた重たいテーマ。ただ、角田光代にかかると、その中でも光差すものがあり、救われる感じが好きだ。 

AID(非配偶者間人工受精)から産まれた7人の子どもが夏のひと時だけ集まって過ごす。アレはなんだったのか、知っていた子も知らなかった子も、大人になって初めて知った人もいて、親子とは、家族とは、自生にも疑問を持ったり、他のせいにしたり。

紗有美のクズっぷりにイラッとさせられ、賢人の自身の穴を埋めるかの如く彼女たちを中絶に追い込む行動…7人のそれぞれの人生についても深く描写されて読み応えたっぷり。
AIDお腹いっぱいです笑

0
2020年09月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

幼い頃の夏のキャンプの記憶。
AID(非配偶者間人工授精)で生まれた7人の子ども達と家族のその後の人生。
<樹里 弾 賢人 紀子 紗有美 雄一郎 波留>

AIDは、そこに至るまでの事情は人それぞれに異なるし、当事者にとっては、ものすごくデリケートな問題。

川上未映子さんの「夏物語」も素晴らしかったけれど、角田光代さんも、子どもの立場、妻の立場、夫の立場、第三者(医療従事者や作家や精子提供者)、たくさんの視点を集めて、ただの悲劇にならないように、誰もに希望が持てるように、よくここまで巧くまとめたなと拍手を送りたい。

賛否両論あるけれど、本当に子供が欲しい人にとっては、AIDは救いの神であることには間違いない。
また、こういう特殊な境遇の出自を抱えた家族同士でないと、理解し合えないこともある。
子ども達と輝かしい夏のキャンプを手にした幸せは、本当に楽園そのものだったと思う。
次第にその楽園が形を変え、幻となっていったとしても。

中盤では、もう出口が見つからないような、救いようのないようなくだりもあったけれど、そこから、光の糸口を手繰り寄せてくる感じが本当に素晴らしい。

始終、紗有美に対する描写がとても悪意に満ちていて、とてもぞっとさせられたけれど。
でも、きっとこの紗有美こそが一番の主人公で、彼女のこれからの運命こそが、”救われる”存在なのかもしれない。

「(略)どれも子どもがいないからできることだけど、でも、子どもがいても同じ充実は得られたとは思う。だから、おんなじだよ。いたとしても、いなかったとしても、ただ、生きなくちゃならない自分の人生がある、ってだけ」

「(略)きみが見るもの、きみが触るもの、きみが味わうもの、ぜんぶ人と違う。きれいごと言ってるんじゃなくてさ、事実。聖職者には彼の世界があって、犯罪者にだって彼の世界がある。ぜんぶ違うから、面倒もあれば悲劇もある。きみがいなければ、きみの見る世界はなかった。それだけのこと。(略)だれの世界とくらべて欠落なんだ?」

0
2020年05月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

7人それぞれが出生が原因で心に問題を抱えているが、紗有美に関しては特に描写がひどくて、読みながら心が痛くなってしまった。どことなく自分と重なる部分があるからだと思う。そんな紗有美ですら、最後は希望を持って終われてよかった。読んでるこっちも救われた。

設定は特殊ではあるけど、読むすべての人に、変わっていくこと・何か新しいことを始める勇気を与えてくれる物語だと思う。

↓以下覚え書き

「…きみがいなければ、きみの見る世界はなかった。それだけのこと。…だれの世界とくらべて欠落なんだ?大根なんか、どう食ったっていいんだよ」
「何かをはじめるって、今まで存在しなかった世界をひとつ作っちゃうくらい、すごいことだなって、思う。だってさ、もし私たちの両親が、子どもをほしいって思わなければ、子どもを作ろうって思わなければ、私たち、ここにいないんだよ。」
「でもさ、弾、何かをはじめることでできるのは、結果じゃなくて世界なの。いいことだけでできた世界も、悪いことだけでできた世界もないと思わない?」
「…どう生まれたかじゃなくて、どう生きるか、つまるところそれしかないんじゃないですか。…」
「結婚って、…閉じこもっていた自分の場所から、世界に続く扉をエイヤッて、二人で開けて行くことなのかなと思ったんです。…」
(もし私がいなければ、あの美しい歌も、すてきな式も、聴けなかったし見られなかった。私がいなければ存在しかなったことになります。だから、私、私がいてよかったとはじめて思った。)

0
2019年03月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

第一章のキャンプが行われていた数年間からもうぐいぐい先が気になって、のめり込むように読み終わりました
読み終えてから、これは家族の話だなと思った
ひとりひとりがキャンプが行われていた背景や、事情を知ったあとの自分との折り合いのつけ方に性格を感じる
非配偶者間での人工授精、真実は言葉にすると短いけれど”父親が、ひいては父方の親族が誰も分からない”というのは自分のアイデンティティの根源を揺るがす事態だと思う
雄一郎が、父からの悪意によって思春期の大事な時期に嘘の告白をされ、それによって無気力な人生を歩んできたのがどうにもやりきれない悲しさがあった

エピローグで、皆前を向いて少しずつ歩いてるというのをさーちゃんが『おとうさん』に向けて書いた手紙のような形式で終わっているのもよかった
さーちゃんも少しずつ変わろうとしている最中なんだろうな

0
2024年04月17日

Posted by ブクログ

親と子どもの壁が象徴的に描かれてて約ネバ的なものが始まるんかなと思いながら読み始めた。
想像とは全然違ったけど、煮え切らないところも含めてひとつの物語として没入できて満足。
角田光代さんの本は初めて読んだ。読んだことのない作家さんだと結末がどう転ぶか予測できないところがいいなと思ったり。

0
2023年09月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

登場人物が多くて、誰が誰で何をしたか、途中こんがらがってしまったのと、結構重いテーマのお話だった。

幼少期のキャンプが、何の繋がりの集まりだったのか解き明かされていく過程が面白かった。

また、エピローグで、波留の歌の説明の部分、初めて行った海外(パリ)で、最初は、困ったことが起こらないようにホテルに閉じこもっていたけれど、困ったことが起きるかもしれなくても、助けてくれる人がいたり、わくわくすることに出会えるかもしれないと思えてホテルを飛び出すことができたというエピソードで、ネガティブ思考な紗有美が、「そこに居続けたら、明日も、世界も、ずっと怖いまんまだよ。怖くなくしてくれるすばらしいものに、会う機会がすらないんだよ」と言われた気がすると解釈しているところが、読んでて前向きになれて良かった。

0
2023年06月29日

Posted by ブクログ

感想を書くにはまだ考察が足りないから後で書きたい。
一旦読み終わった。
7人主人公がいて把握が大変だった。とくに弾がよくわからん。一気に読みきったほうがいい本かも。

0
2023年05月04日

Posted by ブクログ

読んだのは1年くらい前だけれど、作品の中で描かれる景色や状況を今でも思い出せる。
物語がどう動くのか、思わぬ方向に進んだけれど印象に残った作品。

0
2023年04月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

子供の頃毎年集まっていた子たちが、ある時から集まらなくなり、それぞれの人生を歩み、大人になり、あの集まりはなんだったんだろう、、、というところから始まる話。
何の集まりだったのが気になってそれがオチかと思いきや、それはまだ半分。この時点で、やっぱ角田光代の小説は内容のメッセージ以前に読んでて気持ちいいなぁと思う。
その集まりがなんだったかがわかってからが後半。これに対するそれぞれの反応。その反応の背景にある親の子に対する気持ちや家庭環境、子を持つ親として身につまされる。
オチとなる「肝心なのは愛情」ていうのは、言ってみればありきたりなんだが、一冊かけてここに持って来られて大納得する感じ、これこそ小説の醍醐味、角田光代は外さない。

0
2022年03月09日

Posted by ブクログ

★5つに近い4つ。角田作品は何冊も読んできたが、こちらも圧巻のストーリー。毎年別荘に集まる7人の家族。皆一人っ子で大の仲良し。子どもたちにとっては大好きな夏のイベントである。しかしある年から突然打ち切られる。ミステリアスな序盤から惹き込まれる。内容は出生という生の根源に関わる重いものでありながら、7人の子ども達のその後の人生を一人ひとりわかりやすく描写している。この作家の力量は半端ない。7人それぞれをメインとして語らせる。医学の進んだ今だからこそのテーマ。けして絵空事ではない。起こりうる内容だと痛感した。角田光代という作家の本をもっともっと読みたくなる。
キーワードは“記憶の共有”。

0
2022年01月16日

Posted by ブクログ

夏のキャンプが舞台なのとは裏腹、家族や命などについて考える重い内容だった。
角田光代のほかの本も読みたいと思った。

0
2021年10月18日

Posted by ブクログ

幼い頃毎年夏になると七家族が集まったサマーキャンプ。数年で突然打ち切りとなりその後それぞれが会うことはなかったが、十数年の時を経てあの時子供だった者たちがあの夏の集まりは何だったのだろうと疑問を持ち、成長した七人がお互いを探しあいあの夏の真相を探るというもの。 家族とはなにか、血のつながりとはなにか考えさせられる内容でした。

0
2021年07月18日

Posted by ブクログ

20代の頃に一度読んだけど、子供を産まないと決めた今また読んで、よかったなと思いました。
たぶん前回はエピローグのサーちゃんにもイラッとしてた。今回は共感できた。きっと20代の私はサーちゃんと同じだったからだな。

0
2021年05月06日

Posted by ブクログ

なんかこれは今までの作品と違うぞ、という予感を与える書き出し。
どんな物語なんだろう?と思っていたら、
角田光代らしい、家族とは?血縁とは?というテーマ。
しかし作風としては新機軸。
短い章仕立てで読みやすい。

描かれる登場人物たちにどんな繋がりがあるのか?
誰が誰だか分かりにくい感じはあるものの、少しずつ明らかになる謎と、それぞれの人物の輪郭が徐々に浮かび上がるような展開が上手い。

ミステリーでもあり、内容が内容だけにちょっとSFチックな感じもある。

0
2021年03月30日

Posted by ブクログ

読み始めは全くその先の展開が予想出来ず、謎の多さに辟易したけれど、読み進むに連れて少しづつ明らかになって行く真相に思い切り引き付けられて行き7人の登場人物がずっと脳内映像で動いていました。

内容も人工受精を取り扱った作品は目新しくはないけれど、掘り下げて丁寧に描かれていて好感が持てました。

文章に無駄がなく又色々と考えさせられる部分もあり、かなり完成度が高い作品だと感じました。 面白かったです。

0
2021年01月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

AIDで産まれた7人の子どもたちの物語。
AIDをつかって産まれたことへの葛藤が一人ひとりが本当に実在するのかと思うくらい細かく書かれている。特に女性の心理描写が凄い。
角田さんが物凄い量の文献を読んだり取材されたりしたのだろうと思う。のめり込んで読んでしまった。
AIDは現在の日本で採用されている技術であることを知らなかった。

本の中で好きなフレーズがひとつ。
樹里が父親と並んだ静けさを「母の静けさは満月に似ていて、父のそれは雪に似ている。」と表現しているところ。美しい表現でとても印象に残ってる。

0
2020年12月18日

Posted by ブクログ

読み応えがあった。
登場人物が多いのではじめのうちはメモしながら読んだ。
大人たちの不穏な会話から、殺人事件なのでは?と思ってしまったが、そのくらい引き込まれた。

0
2020年06月08日

Posted by ブクログ

読み応えがあった。
シングルでも精子バンクが浸透するなりしてもっと産みやすい世の中になればいいのに、と安易に思ってたけど難しいな。
夫婦だと他の男の子ってより思いそう。
さーちゃんが多少まともになってよかった。
生まれてきたからには自分次第。

0
2020年03月08日

Posted by ブクログ

夏がやってくるたび、年に一度だけ別荘に集まって過ごす七組の家族。
しかし、数年繰り返されていた集まり「キャンプ」は突然打ち切られる。
あれは一体、何の集まりだったのか。
当時、幼い子どもだった7人の男女は、それぞれの人生を歩んでいくのだが、ひとり、ふたりと再会して、それが、どういうものだったかを知ることになる。

物語は、非配偶者間人工授精によって生命を授かって生まれた子どもたちが主人公です。

これは、家族の物語なんだな、と思いました。
結婚して家族ができて、また、新しい家族を迎える。

新しい家族が、なかなか迎えられなったら?

妊娠、出産について考えさせられました。
家族のかたちについても、色々と考えさせられました。
そして、知ることも出来ました。
安易に自身の考えをのべることが難しいテーマでしたが、読んで良かったと思います。


0
2023年10月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

また精子提供の話かと思って途中で落胆した。
川上未映子さんの夏物語がそこまで好きではなかったのを思い出して微妙な気持ちに。
わたしは出自を知らないことへの不安に想像力があまり及ばないから、そこまで入り込めないだろうなあと

読んでみた結果、そこまで感情移入できなかったし最後不自然にポジティブだったのがもやもやするけど
不完全ながらもみんな今を生きてるんだよなあって
感じられる物語だった
読んでよかったと感じる

大人って自分よりずっと色んなことがわかっていて
成熟していて、頼れて、ってそんな風に考えていた子供時代。
今考えると両親も今の私と同じくらい
幼くて何にもわからなくて不安定な存在だったのかも
時間を重ねて振り返ってみた時に、まだまだ子供だったよなって思うような時期をこれから死ぬまで繰り返していくんだろうな

無敵な気持ちの女性
好きな表現です

さーちゃん、明るい気持ちになれて、よかった。
私はプラスがたくさん増えるよりもマイナスがない方が好きだなと思っているから、ハルのスピーチにはそこまで感動できなかったけど、さーちゃんが元気になってよかったよ。

自分がいなければ世界はないっていう
ずっと感じてきた思いと似通う内容もあり
同じ考え方でもこうも前向きになるんだと、少し驚き。

自分がいなければ世界はないから、世の中の不公平なことも不快なことも不平等なことも全てなくすために、その世界を媒介している自分自身を消したいっていう風に考えてしまうけど、

波留のように前向きに考えることもできるね。

あと、角田光代さんは、心の中で不満を抱えこみ不平を積み重ねながらも死ぬほど我慢している女性の心情を書くのが上手いなあと思いました。
いい子、を書くのがすごく上手い

0
2023年09月05日

Posted by ブクログ

なんだか重いテーマではあるけれど読みやすいのですぐ完読できた。
ただ、そんなに後には残らなかったかな。

0
2023年08月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いつのまにか、子供がほしくかなって同じ状況になったらどうしようかなあ、と思いながら読んでた
大学のゼミを思い出す

0
2023年08月08日

Posted by ブクログ

幼少期、夏になると訪れていたキャンプ。
そこに集まっていた家族たち。
子どもたちにとって楽しい思い出だった夏のキャンプはある年から急になくなり、キャンプがあったことすらなくなってしまった。
子どもたちは大人になったあともキャンプの思い出を抱き、生活していく。

怪しいキャンプに最初は新興宗教団体の話かと思ってしまった。
登場人物が少し多い気もするが、一つの体験に対しても人の数だけ見方があるということか。

子どもにできるだけいい資質を、と親なら誰もが思うもの。
これから先、ありえない未来ではない話。

自分自身のルーツに一人ひとりが自信を持って生きていきたい。

0
2022年07月03日

Posted by ブクログ

大好きな角田光代さんの小説。
やっぱり人間味の描き方がとてもリアルで、ぐいぐい小説の登場人物の中に引き込まれていく。
なかなかに重ためなテーマで怖い物見たさと、どうなっていくのかミステリアスな部分と、読み出したら止まらない感じでした。
始終イライラしっぱなしだった、さーちゃん。いつか痛い目に遭うのかと思っていたら、優しい終わり方だった。一歩成長したさーちゃんで締められていたのがとても良かったと思う。いい意味で裏切られた。

0
2021年08月23日

Posted by ブクログ

設定がとにかく魅力的でどうしても先が気になって、一気に読んだ。ヒミツの花園ならの、ひそやかな花園。
書き方も、主人公を短い間隔でどんどん回していって、上手いなと思った。
角田光代さんの小説はこれで三冊めだけど、どれも本当に面白い!面白くて、深い。そして女性作家さんなだけあって、女性のキャラクターたちがとにかく際立ってる。こんな女性いるよなー、こういう女性やだなー、だとか、同じ悩みに共感したり…特に、子供が欲しくても授かれないっている女性としてはもしかしたら、最大の悩みかもしれない、そんな女性が大体1人は登場している。
読んでいると、この世に生を受けること、更には愛する人を見つけ結ばれて、命を授かること、それらは本当に奇跡的なことなんだなって感じる。

0
2020年03月20日

「小説」ランキング