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Posted by ブクログ 2024年04月19日
談合。製造業で働く自分にとっても、その背景は理解できる話だと思う。
どの業界であれ、提供した価値に対して、適正な対価を享受できる構造にしていかないとダメだと最近思ってる中で、思ってくることをそのまま表現してくれる1冊だった。
Posted by ブクログ 2023年12月25日
談合の話です。
毎年同じ、区役所の駐車場管理のおじさん。
本当は入札で管理会社が選ばれるわけですから毎年同じと言うのは「当たり前」ではありません。
道路整備、ビルの建設、地下鉄工事・・・それらが「本当に」入札で決まるようだったら、建設会社はどんどん利益を削って競争し、そのうちに潰れてしま...続きを読むう。
利益度外視の新興会社が実績づくりのために入札で工事を請け負い、そのうち無理がたたって倒産したら誰が穴埋めするのか。
もし入札が不調の場合、再入札等で工期がずるずると遅れてしまう。
だから談合は「相互互助の知恵」なんだ。というのは正論なのでしょうか。
「業界、会社の当たり前」に対して疑問を持ちながらも「社員」として行動せざるを得ない主人公。
「組織」に対して「個人」は無力なのか。
「疑問」はそのうち「当たり前」に変わってしまうのか。
そういう視点で見ても面白いです。
読み応えのあるおすすめの作品です。
Posted by ブクログ 2023年12月20日
談合というセンシティブであり、この本の書かれた時代において社会的な話題になりやすい題材の小説。なぜ談合が起き、誰もが悪いことと解っていながらなくならないのか、様々なことを考えさせられながらも小説として面白く読み応えがあった。
Posted by ブクログ 2023年09月23日
ゼネコンの談合の話。
それにしても、登場人物の心情がそれぞれ読み取れ、非常に面白い。恋愛の話も所々に織り込まれ読者を飽きさせない。
マネーロータリングの仕組みはいかにも現実にありそうで結末がどんなになるか楽しみだった。
Posted by ブクログ 2023年09月16日
2023年25冊目。必要悪。本当にそんな言葉が通用するのだろうか。談合しなければ会社が潰れて路頭に迷う人が増え、経済が成り立たなくなる、のであるのならば長きにわったて得た裏金を裏金ではなく必要なところへ渡す仕組みを作ればいいのではないのだろうか。競争があったからこその発展であり、馴れ合いで得られる仕...続きを読む事なら技術の進歩は見込めない。一旦入ってしまったら抜け出すことはできないのではなく、地位や名誉や財産を手放すのが惜しいだけ。反発は多いが一社だけでも変えていこうというところがあることが救い。楽しかった!
Posted by ブクログ 2023年08月02日
主人公を中心に「談合」の葛藤が描かれていて面白い。会社で入札を行う業務を行なっていることもあり、よりリアルに感じる。また、ミステリー要素も含まれていて、1週間もしないで読めた
Posted by ブクログ 2023年04月18日
公共事業と談合を主軸の人間ドラマ
建前では脱談合を謳いつつも、本音では談合を相互援助システムとまでいわせる
お互いで共通の利益を都度、受領するさまが生々しく描かれていた
ヒト、会社、政治それぞれの思惑が入り乱れ一筋縄ではいかない様も
落とし所が二転三転するように最期まで楽しめた
キャラクターも魅...続きを読む力的だ
主人公 富島平太
業務課に異動当初は後向な考え方だったが、実情を見せつけられるにしたがい
徐々に談合に対し自分なりに納得していく描写が良かった
萌の揺れ動く心はこんなに必要とは思えない(^_^;)
園田にいたっては登場しなくてもいいのでは・・・
500ページを超える作品なのでこの辺を削ればもっと緊迫した流れになったかもと思いつつ
恋愛模様を入れないとオッサンしか出てこない、息苦しいものになったかも
しれないのでやはり必要なのかな?
Posted by ブクログ 2023年04月06日
面白かった。読みごたえもあった。最後は、そう来たら良いなと期待しながら読んでいて、その通りになりスカッッとした。尾形の考えまでは、思っていなかったので、それはさらにスカッと。さらにさらにこの後、どうなったんだろう…
Posted by ブクログ 2023年01月23日
建設業界のことがよく分かり、談合に着いて勉強になった。また、仕事を通しての恋愛事情も同時に描かれており、仕事と恋愛の2軸で気になりながら進んで行った1冊である。
平太と萌、その他三橋など様々な企業が絡んでどんどん進んでいく展開。
Posted by ブクログ 2022年12月24日
一言、面白かった。おすすめです。寝る前に少しずつ読むスタイルですが、だんだん本を閉じることができなくなりました。
登場人物の人間臭さが良い。魅力溢れる絶対的な三橋顧問でさえ、しがらみを捨てきれない。
先輩の西田さんの言葉も響いた。
「なんでここにいるかなんて、青臭い精神論を語る暇があるんなら、このチ...続きを読むャンスを生かすことを考えな。〜目の前に転がってきた運を掴む資格があるとかないとか、そんなことを考える奴は、結局何をやったってダメなんだ。」
Posted by ブクログ 2022年11月13日
中堅ゼネコン一松組の富島平太は業務課に異動になる。そこは談合課と言われる大口公共事業の受注営業課だった。真っ直ぐに感情を時に爆発させる平太がいい。業務課の先輩 西田 尾形常務 調整役の三橋
大手ゼネコン真野建設の長岡部長など出てくる人が皆それぞれキャラが立っていて物語に引き込まれる。恋人の萌との関係...続きを読むも政治絡みの話の中で並行して進むストーリーでどうなるか。2人の男の間で迷う萌の気持ちもわからないではないが、平太のプロポーズなどグッとくる。神木隆之介主演の同ドラマは見ていたが、原作はさらにそれぞれの思惑がよくわかっておすすめです。
Posted by ブクログ 2022年10月18日
佃さんとか赤松社長は犯罪とか絶対にしない誠実な人だったから平太は迷いながらも談合に参加してしまったのは意外だった
井戸田さんの中小企業対大企業の構図しか読んでなかったからこっちも面白かった
Posted by ブクログ 2024年04月06日
談合のことはよく知らなかったが、なるほどと思った。
主人公の部署の人達がアツく、二転三転していくストーリーに目が離せなくなる。
ただ彼女の萌にはイライラする。。。
Posted by ブクログ 2024年03月17日
ドラマの半沢直樹にハマっていたところ、
先輩から勧められて読んだ。
先輩西田が熱い。
平太が業務課への異動理由を
西田に尋ねた時の返答が熱い。
自分も頑張ろうって思えた。
それと彼女。
現実と理想の揺れ動きには
ハラハラとさせられた。
一旦園田の方にいった時の喪失感たるや。
最後、彼女が園田に送った...続きを読むメール内容や
心理描写が気になりすぎる。
分厚い本だったけど、苦にならず読めた。
自分の今の仕事について
改めて考えることができた。
Posted by ブクログ 2024年03月15日
西田みたいな先輩に出会いたい。後輩も絡みやすい性格で、仕事が大好き(かつ優秀)で、上司にも必要に応じて強く発言できて、職場の家族を大切にできて…本作で一番好きなキャラです。
ストーリー自体は、入札・談合という話を非常に分かりやすく書かれており読みやすい。流石池井戸潤。
ただ新工法を見出してコスト大幅...続きを読むダウンに成功した流れにはやや無理があると感じた。
不正は必ずしも自らの意思で行われるものでなく、巻き込まれていくことも多いのだろう。組織に入ると、その組織風土が当然で、今までの常識が非常識に感じることがある。そこで乗るかそるかを判断できる軸と強い意志を持ちたいと思った。
自分が平太と同じ状況に置かれていたらどうするかを考えながら読むと面白い。
Posted by ブクログ 2023年11月20日
走れ平太
650ページほどある作品でしたが、一日で一気に読めました。
会社のために死ぬか、正義を貫いて死ぬか
二転三転する状況に読む手が止まりませんでした。
Posted by ブクログ 2023年09月07日
小説ですがあえてカテゴリはビジネス書に。
中堅ゼネコンに就職し現場監督として働く主人公。
絶対取らなければならない工事。新工法開発で入札にぐっと有利な立場に立つ。受注に向け一丸となる業務課。この会社ほどコストを下げられない他のゼネコンは談合を準備し…
最後は鮮やかに逆転して受注を勝ち取...続きを読むり、談合に入った地検の捜査もシロ判定を勝ち取る。
主人公の彼女がそのゼネコンの取引銀行のそのまた取引支店で働いていたり、その支店で現れる恋敵がそのゼネコンの融資担当者だったり、談合をとりまとめるフィクサーが主人公の母親と同郷でよく知っていたり…と娯楽小説ならではの設定がちりばめられているが、背景となっている建設談合がしっかり描かれているのでダレない。
最後の逆転は、これも談合をならでは、という伏線回収。
Posted by ブクログ 2023年07月02日
談合が具体的にどの様に行われているかという事がちょっとわかりました。
談合しないと多くの失業者が出てしまうなど社会全体に大きな打撃を与えてしまうのを避けるためと言われれば、しょうがないのかなと思わせる建設業界における『必要悪』の存在と考えは、なかなか談合がなくならない根深さを感じさせる。また、政治と...続きを読むカネの癒着も絡み目が離せない展開は池井戸作品ならでは。
そしていつも思うけど池井戸作品の登場人物たちにはみんな心があって一生懸命で生き生きしてる。池井戸氏が伝えたいメッセージを登場人物に言わせる事も忘れない。
吉川英治文学新人賞を受賞したというこの作品。その後の池井戸氏の爽快な作品を知っているだけに、ここから池井戸ワールドが発展して来たのだなぁ、と実感するものでした。
Posted by ブクログ 2023年02月13日
――私だって部品だ。お前もな。だけど単なる部品じゃない。部品といえるのは、仕事という目的に限っての話であって、同時に私たちは人間だ。サラリーマンである以前に人間なんだ。(第四章 アクアマリン)
Posted by ブクログ 2023年02月12日
とても面白かった。
ただ、大手ゼネコン営業本部長の無能ぶりや、ゼネコンの技術開発の戦略性のなさには、現実性の乏しさと、フィクションを少し感じた。
Posted by ブクログ 2022年12月11日
この小説に出てくるようなゼネコンを相手にすることはないが下請け業者を相手に商売をする建設業の末席の仕事をしてる自分にとって興味深く面白く読めました。
談合という間違いなく違法で悪とされるものそれに関われるほどの立場にいませんが日々価格の叩き合いをする中でしたくなる気持ちもわかるんだよなぁ…
Posted by ブクログ 2022年07月01日
分厚い文庫本だなと思ったが、そこは池井戸潤、飽きさせずにグイグイ引き込んでくれる。
談合に関わってしまう真っ直ぐな青年が主人公という設定も興味深い。
勧善懲悪がお決まりの池井戸作品にあって、「悪」側の視点で進んでいく。
ドラマ化されているようなのでそちらも視聴してみたい。
Posted by ブクログ 2022年06月19日
ゼネコン業界において悪とされている談合について記述した小説。談合は悪だと主張しながらも、サラリーマンとして会社のために談合を起こさなければならない主人公の葛藤がよく表現されていたと思う。
また、彼女との関係性も非常に軽快に書かれていた。彼女の職場先の先輩である園田はハイスペック人間として出てきたが、...続きを読む物語が進むにつれて特異な性格が露わになる姿は巧妙に描かれていたと思う。
談合は必要悪なのか、なぜなくならないのか、そういったゼネコン業界のしがらみが面白く、もう一度読みたい本である。
Posted by ブクログ 2023年10月30日
中堅ゼネコンの現場で働く入社3年目の平太。
突然の人事異動で入札の最前線で戦う業務課、
通称”談合課”へ異動。
官僚や大手ゼネコンとの談合に巻き込まれ検察の影も見え隠れする中、銀行に勤める彼女とのすれ違い、家族の急病など盛りだくさんの困難も降りかかり、全力で大手ゼネコンに挑んで行く。
半沢…に比べて...続きを読むインパクトは小さく感じたが納得のいくストーリー展開、平太が数年後成長した姿も描いてほしい。
Posted by ブクログ 2023年06月22日
清濁合わせ飲む雰囲気の作品でした。
この作者の作品は基本的に正義を貫く展開が多い印象ですが、こちらの作品は業界の悪を必要悪として描いており、結末も落ち着くとこに落ち着いたようなある意味納得のものでした。
私は単純なタイプなので、半沢直樹シリーズの正義は勝つ!のような展開が好みですが。
読んだ後...続きを読むに感動はありませんでしたが、サクサク読むことができました。
割と予想通りの流れで進んだ気もするので、意表を突くほどの驚きはなく。
でも、よく他の作者さんでつまらなくて途中で読むのを投げ出したくなる作品がありますが、池井戸さんの作品は展開の仕方や描き方に引き込まれるので、飽きずに読めます。
この作品自体への感想は可もなく不可もなく。
隙間時間の読書には良いかな、といった感じでした。
Posted by ブクログ 2023年04月29日
いつからだろう。 善悪や白黒については、両親から嫌というほど教えられてきたはずなのに、曖昧なグレーの世界の存在を認めるようになったのは・・・ 。 法律に反するのは罪だけど、仕組みを根底から変えないと、誰もが認めるグレーの世界はなくならないんだろうな〜。 先ずは、個人として目先の小さな事から正していこ...続きを読むう。(^_^)v