感情タグBEST3
Posted by ブクログ
息子二人を自殺で失った女性の半生。
同時期に書かれた「恢復する家族」と共通する表現が多く、筋としても苦難の受容と克服がテーマになっている。
手紙で語らせるスタイルが印象的。
引用はイエーツ、バルザック、フラナリー・オコナー。
ムーサン、サッチャン、アンクル・サム、ミツオなど、相変わらずネーミングセンスが好み。
Posted by ブクログ
一度読んだ本は、よっぽど気に入るか、読んだことを忘れていない限りは再読しないのに、
なぜかこの本は3回読んでいる。理解している自信はまったくないにもかかわらず(ノーベル賞で一瞬ブームになったとき、「燃え上がる緑の木」などを買い求めた人々はちゃんと読破できたのであろうか)。
いつも同じシーンでどきっとする。息子ふたりを、あまりにもむごい出来事で同時に失ってしまったまり恵さんが、
「こんなに疲れ果てているのに、死んでしまったら、あの子たちのことを覚えている人間が残らなくなってしまう、だから死ねない」というようなことを話すところ。
愛していたから死にたいのに、愛しているから死ねない。強く過酷な人生の物語。
Posted by ブクログ
大江健三郎さんらしからぬ面白さだ。まり恵さんは「本当の回心」出来たのだろうか?熱望しても叶わなかっただろう。ヤッテも・ヤラなむてもたいしたちがいはない。まり恵さんが瀬戸内寂聴とダブッて凄まじい。