【感想・ネタバレ】平清盛の闘い 幻の中世国家のレビュー

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角川ソフィア文庫 元木泰雄 「 平清盛 の闘い 」

清盛が目指した幻の国家像〜貴族政権を解体し、王権に従属させる公武一体国家〜の試みを論じた本


清盛の人生は、スピード出世して王権の中枢に位置し、クーデターを起こして 王権を掌握するも、すぐに病死して 平家もろとも滅亡。盛者必衰そのもの


治の乱(1159)から治承三年の政変(1179)までの清盛の盛者ぶりは、圧巻

*平治の乱で 一人勝ちした清盛が、競合する軍事貴族や摂関政治を消滅させ、後白河院主導の政権を樹立

*後白河院との協調により、王権と政情を安定させ、清盛に外戚の座、日宋貿易の成果をもたらす

*建門寺院の僧侶を自在に動員して最大限の法会を行い、軍事政治に続いて仏教界の支配した

*治承三年の政変(1179)によって、後白河院幽閉と安徳天皇擁立により新王権を樹立しつつ、国家の軍事・警察権を掌握


源氏や後白河院との闘い、院政の否定、天皇擁立、遷都など貴族政権や古代天皇制といった王権の権力構造を変えている



































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2023年11月21日

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平清盛の武家と公家をひとつにした新しい国家建設の可能性。改めて歴史の流れは必然ではなく、偶然の積み重ねで必然性が生まれて流れになるのだと思った。

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2012年05月01日

Posted by ブクログ

保元/平治の乱や治承三年政変はある程度知ってたがそれ以後のあまり知らなかった清盛の動きが丁寧に描かれていて興味深い。
著者が言う貴族と武士の一体化した国家が成立していたらどうなってたのかな。

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2020年07月30日

Posted by ブクログ

後白河院が中継ぎの立場ゆえに、直系天皇をかつぐ
ことにより正統をもちたい=清盛の外戚戦略との
一致が重なり、一時的な協業だった。

院は皇族の家長としての立場は上だが、天皇が
やはり正統性をもつ唯一の存在である

晩年の清盛の権門への強引な戦略、在庁官人
への平氏登用による地場の武士の権益に
触れたことによる反乱の飛び火

など大変おもしろかった。。

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2012年10月30日

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