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Posted by ブクログ
将棋棋士と言えば、羽生善治先生くらいしか知らないという方も多いでしょう。
この本の著者・森内俊之先生は、羽生先生と同年代で、小学生の頃からのライバルなのです!
40代になって竜王・名人というタイトルを手にした著者の勝負哲学は、合理的かつクール。
ドラマチックな逆転の好手に対しても、「プロ棋士の対局で驚くような逆転が生まれるのは、相手が致命的なミスをしたときだけだ」とバッサリ(笑)
(タイトル戦二日目の昼食にカレーを食べる理由も解説されてます!)
その一方で、ライバルの羽生先生への思いは強い。本当に強い(笑)
数えてはいませんが、平均すれば見開きに1回くらいのペースで「羽生さん」と言ってるんじゃないだろうか?
その他、おもしろエピソードもちりばめられています。
・将棋教室に入ったばかりの頃、相手に持ち駒を見られないよう隠していた
・対局に負けた悔しさのあまり、千駄ヶ谷から横浜の自宅まで走って帰った(スーツ姿で!)
最後に、お気に入りの一文を引用します。
「私は遠くを見ることをやめて、一歩一歩足元を固めながらしっかりと歩くようにした」
大きな目標を意識しすぎると、かえって何も手につかなくなりますもんね…!
Posted by ブクログ
一読して森内名人の円熟した人間性を感じました。謙虚に将棋に取り組み、敬い、親しんできた人生なのだな、というのを感じます。
将棋は完全な個人戦。
「勝負をひっくり返す妙手はないが勝負をひっくり返すミスや悪手はある」
「ミスは一回までなら取り返しがつくが二回やると取り戻せない」
「負けてもいい。負けるときは次につながる負け方をするべき」
羽生世代といわれる名人。羽生名人の強さ、棋風についても触れられていて、「これといった印象的な手はないのだがいつのまにか自由自在に局面をあやつられ、最後に負けてしまう」「羽生名人がミスをしても、実は何か意図があるんじゃないかと深読みしてこちらが自滅してしまう」と。