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Posted by ブクログ
タイトルから分かる通り、禁断の兄妹の愛憎ラブストーリーがテーマになっています。
愛しい妹が可愛いあまり、儀式と称して妹である主人公・アシュリーと身体の関係を持ってしまう兄・サディアス。けれど愛を囁く兄の態度にはどこか妹を憎く思っているような描写が所々であり、サディアスの愛憎の情がとてもよく表現されています。サディアスがどうして主人公を憎く思っているのかは作中の最後のほうで明らかになるので、ラスト辺りからは物語が盛り上がってきて面白かったですね。
あと、ハッピーエンド至上主義の自分としてはラストに満足。この手のテーマにしては珍しいぐらいのハッピーエンドです。たぶん、これは好き嫌いが分かれそうですね。愛憎劇のラストはドロドロじゃなくちゃ! という人にはこの作品のラストは向きません。
途中まではドロドロの愛憎劇を楽しみながらも、最後はハッピーエンドで締めくくってほしい。そんなワガママな人におススメの一冊です。
Posted by ブクログ
読み終わって最初に思ったのは、憎しみと愛は何よりも強い気持ちという点では変わらないんだなーということです。
穏やかで平和な国の見目麗しい王子と王女。幸せを体現したような世界に存在する昏い感情の相反する感じがとても良かったです。
自分の憎み、絶望させたいという企みなど知らず純粋に慕う可哀想な妹だ、とほくそ笑む兄サディアス。
どこにもぶつけられなかった苦しみに耐えられず、可愛く純粋に自分を慕う妹を憎むことでしかその感情を堰き止められなかった兄。
私は後者の方が可哀想だと思いました。
感じる強い執着心の中身が憎しみとは逆のものに変化していることに気づくことも出来ず、戸惑うたびに大切な妹の心も体も傷つけてしまう。
それをアシュリーのとめどない愛でやっと気づけて結ばれて良かったです。心中エンドもあると覚悟していたので良かったです 笑
さすがに最後の方でアシュリーが病んできたときはほんとにヒヤヒヤしました…どうなるかと。
でもそういう出来事がなかったら二人はくっつかなかったんだろうなとも思って複雑ですw
ソーニャ文庫のコンセプトが「歪んだ愛は美しい」だとあったんですが、読み終わった後不思議な魅力にまた読みたくなりました。