【感想・ネタバレ】千一夜の館の殺人のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月09日

ハウダニットの部分には、複雑なトリックはないものの、分築された建物が現場だったってのは想定外だった。巻頭や作中の図面をしっかり観察して気付くことが出来ていたら、めちゃくちゃ面白かっただろうと思う。にしても、この発想は良い意味で裏切られたし、館、複雑な人間関係、本格ミステリに必要な要素が全部詰め込まれ...続きを読むていて純粋な探偵小説として楽しく読めた。

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Posted by ブクログ 2020年09月07日

ミステリー好きにはなんとなくピンとくるようなたくさんのガジェットを散りばめたおもちゃ箱のような作品。
リアリティはまったくないけど、パズラーとして読むなら面白い。

遺産をめぐる連続殺人、館、家系図、遺産の暗号、アラビアン・ナイトの絵画、密室、、、文体としておどろおどろしさに欠けるが、十分に楽しめる...続きを読む内容だった。

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Posted by ブクログ 2011年11月26日

本書(芦辺拓『千一夜の館の殺人』光文社、2009年8月20日発行)は、素人探偵・森江春策シリーズに属する推理長編である。単行本は2006年に刊行され、本書は文庫版である。

森江春策シリーズは事件に巻き込まれた弁護士・森江春策が謎解きをする推理小説である。フィクションは現実と非現実の微妙なバランスに...続きを読む醍醐味がある。現実から乖離した物語はリアリティに欠ける。一方で中には小説より奇妙な現実もあるものの、一般的には現実そのものでは面白みに欠ける。

その点、刑事事件中心の弁護士を探偵役とする本シリーズの設定は巧みである。刑事事件を扱う弁護士は高校生や家政婦の探偵に比べて不自然さがない。しかし現実の弁護士は当事者が収集した事実を元に法的主張をまとめることが仕事であり、探偵のように自ら事実を収集することはない。

この点は弁護士への大きな誤解であり、裁判に勝つためには当事者が事実を収集することがポイントになる。これは記者自身の不動産売買代金返還の裁判経験から断言できる(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社、2009年)。結論として弁護士を探偵役とする設定は「ありそうでない」設定であり、フィクションとして魅力的である。

本作品のタイトル「千一夜の館」からは「館モノ」を想起させる。外部との連絡が取れない館で連続殺人が起こるという展開は推理小説の王道である。しかし、本作品では「千一夜の館」自体が謎であり、関係者や場所を限定する役割を果たさない。そのために読者は最後まで裏切られ続ける。

また、本作品の特徴は作中の話題が豊富であることである。タイトルに「千一夜」とあるとおり、アラビアン・ナイト(千一夜物語)が下敷きになっている。また、天才的な数理情報工学者・久珠場俊隆博士の死が発端であり、博士の遺した量子コンピュータやRSA暗号など最先端のITの話題が登場する。また、博士の莫大な遺産が連続殺人の背景になっており、法定相続人の知識も必要である。さらに殺人事件では茶室の構造がポイントになる。推理小説を一冊書き上げるためには幅広い知識が必要になることを実感した。

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Posted by ブクログ 2012年06月29日

これは、ぼつぼつミステリを読んできた私も度肝を抜かれるハイペースで事件が起きます。この数ページの間に何人殺しちゃったの作者さん⁈って突っ込まずにはいられない超弩級展開。…こーゆーの、好きなのよね~(笑)。

ただでさえ多くない容疑者候補が次々殺されて行く上に、変装したワトソン役が最重容疑者になっちゃ...続きを読むったり、その上見取り図は頻出(大好物)、謎解きが犯人究明以外にも及ぶわ、アラビアンナイトは語られるわ。とにかく、内容が詰め込まれていて息つく暇もありません。

…でも、一番の大オチは、かなり早い段階で看破できちゃったんだぜ~(*^o^*)わーい
伊達に館もの読んでないんだぜ!笑
久しぶりだなー大オチ当てたの…犯人は分からなかったけど…まあそれは通常運転だからいーんだぜ…←


情報工学の天才であり資産家でもある久珠場博士が死去した。百億円を超える遺産は三人の子供達が相続し、最新の研究成果を収めたディスクは博士の恩人の孫が相続することになった。
博士の遺言開封の立ち会いを依頼された弁護士・森江春策の助手・新島ともかは、何者かに襲われ負傷した旧友に成りすまし、潜入捜査を開始する。ところが、そこで彼女を待ち受けていたのは恐ろしい連続殺人だった。

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Posted by ブクログ 2010年08月10日

 千一夜に着想を得たミステリ。
 展開や人物造形は面白いんだけど、どうにも根本的なポカが気になってしょうがなかった。こんなとき、自分がミステリマニアなのかなと絶望する。

 たぶん、普通に読んで気にならなければ面白いんだろうなぁ。

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